パソコンの中にたくさん溜まった思い出の写真を、「そろそろiPhoneでも見られるようにしたい」と思いながらも、iTunesやiCloudの設定画面を見てすぐにあきらめてしまったご経験はないでしょうか。
専門用語が多く、「どの方法を選べばよいのか」「間違えて写真が消えたらどうしよう」と不安になり、作業を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。
本記事では、そのような不安を解消できるように、「パソコンからiPhoneに写真を入れる一番簡単な方法」をWindowsとMacに分けて、手順どおりに進めるだけで迷わない形で整理しています。
まずは用途別に「あなたにとってベストな方法」がすぐ分かるようにし、そのうえで、iCloud・ケーブル接続・クラウドサービスなど、それぞれのやり方を図解をイメージできるレベルで具体的に解説します。
読み進めながら操作していただければ、初めての方でも写真を安全かつスムーズにiPhoneへ移せるようになることを目指した内容です。
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パソコンからiPhoneに写真を入れる方法は大きく分けて3パターン
まず全体像として、パソコンからiPhoneに写真を入れる方法は、次の3パターンに分けられます。
クラウド経由で同期する方法(iCloud・Googleフォトなど)
インターネット経由で写真をクラウドに保存し、iPhoneと自動的に同期する方法です。代表的なサービスは以下のとおりです。
iCloud写真(Apple公式のクラウドサービス)
Googleフォト
Dropbox や OneDrive などのオンラインストレージ
一度設定してしまえば、特別な操作をしなくても写真が自動で同期されます。
「難しい設定は避けたい」「普段からWi-Fiにつないでいる」という方に向いている方法です。
ケーブルで直接同期する方法(iTunes・Finder・専用ソフト)
USBケーブルでパソコンとiPhoneを接続し、写真を直接同期する方法です。
Windows:iTunesで写真フォルダを同期
Mac:Finder(または写真アプリ)でアルバムを同期
専用の転送ソフト(有料/無料)を利用するケースもあり
大量の写真や動画をまとめて一度に転送したい場合、また通信環境が不安定な場合に適しています。
アプリ・サービスで送る方法(LINE・メール・オンラインストレージ)
少量の写真であれば、次のような方法もあります。
自分のLINEアカウントに画像を送信する(ノート・Keepなどを使用)
自分宛てメールに写真を添付して送信する
GoogleドライブやDropboxにアップロードし、iPhoneで開く
数枚〜数十枚程度なら手軽ですが、枚数が多いとアップロードに時間がかかったり、画質が自動的に圧縮されることもある点にはご注意ください。
まず結論:どの方法が一番かんたんか【用途別おすすめ】
ここからは、「結局どれを選べばよいのか」を先に整理します。
自宅Wi-Fiがあり写真枚数もそこそこなら:iCloud写真がおすすめ
次の条件にあてはまる場合は、iCloud写真が最もシンプルです。
自宅などでWi-Fiが使える
パソコンとiPhoneで同じApple IDを利用している
iCloud写真をオンにすると、iPhoneの「写真」アプリとクラウド上の写真が自動で同期されます。
メリット
パソコン・iPhone・iPadなど複数デバイスで同じ写真を閲覧できる
ケーブル接続が不要
新しく追加した写真も自動的に同期される
注意点
無料で利用できるiCloudストレージは5GBまで
写真や動画を大量に保存すると、すぐに容量を使い切ってしまう
大量の写真をまとめて入れたいなら:USBケーブル+iTunes/Finder
次のようなケースでは、ケーブル接続による同期がおすすめです。
何年分もの写真を一気に入れたい
動画ファイルも多数転送したい
自宅のインターネット回線があまり速くない
WindowsではiTunes、MacではFinderまたは写真アプリを使って、指定したフォルダ・アルバムをまとめて同期できます。
インターネット回線に依存しないため、安定して高速に転送しやすい方法です。
職場PCなどソフトを入れにくい場合:ブラウザでiCloud.comを使う
職場のパソコンなど、自由にソフトをインストールできない環境では、ブラウザから iCloud.com にアクセスして写真をアップロードする方法が便利です。
ブラウザ(Edge・Chromeなど)で iCloud.com を開く
「写真」を選択し、画面のアップロードボタンから写真を追加
専用ソフトをインストールしなくても、iPhoneと写真を共有できます。
WindowsパソコンからiPhoneに写真を入れる簡単な方法
ここでは、Windowsパソコンをお使いの方向けに、具体的な手順をご紹介します。
方法1:iCloud for Windowsを使って自動同期する手順
最初におすすめしたいのが、Apple公式のiCloud for Windowsを利用する方法です。信頼性が高く、設定後は自動で同期できます。
Windowsで「Microsoft Store」を開きます。
検索欄に「iCloud」と入力し、「iCloud(Apple Inc.)」をインストールします。
インストール後、iCloudを起動し、iPhoneと同じApple IDでサインインします。
「写真」にチェックを入れ、「iCloud写真」を有効にします。
「適用」をクリックして設定を保存します。
iPhone側で「設定」→自分の名前→「iCloud」→「写真」を開き、「このiPhoneを同期」をオンにします。
これで、iCloud写真に保存された写真が、WindowsとiPhoneの両方で共有されるようになります。
使い方のポイント
Windowsの「iCloudフォト」フォルダに写真をコピーすると、自動的にiCloudにアップロードされ、iPhoneにも表示されます。
初回同期はデータ量に応じて時間がかかります。Wi-Fiが安定しているタイミングで実行してください。
方法2:ブラウザでiCloud.comにアップロードする手順
ソフトをインストールしたくない場合は、Webブラウザから iCloud.com を利用する方法がおすすめです。
Windowsでブラウザ(Edge / Chrome など)を開きます。
アドレスバーに
icloud.comと入力し、アクセスします。iPhoneと同じApple IDでサインインします。
ホーム画面から「写真」をクリックします。
画面上部の「アップロード」ボタン(雲と上向き矢印のアイコン)をクリックします。
パソコン内の写真ファイル(または複数枚)を選び、「開く」をクリックします。
アップロード後、iPhoneの「写真」アプリ側でも、iCloud写真がオンになっていれば自動的に反映されます。
方法3:iTunesを使ってフォルダごと写真を同期する手順
大量の写真を一度に転送したい場合は、iTunesを使った同期が効率的です。
Apple公式サイトからWindows版iTunesをダウンロードし、インストールします。
iTunesを起動し、USBケーブルでiPhoneをパソコンに接続します。
iPhone画面に「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されたら、「信頼」をタップし、パスコードを入力します。
iTunes左上の「デバイス」アイコン(iPhoneのマーク)をクリックします。
左側メニューから「写真」を選択します。
「写真を同期」にチェックを入れ、「写真のコピー元」で同期したいフォルダを指定します。
右下の「適用」または「同期」をクリックすると、写真のコピーが始まります。
注意点
iPhone側でiCloud写真がオンになっている場合、iTunesでの写真同期が制限されることがあります。その場合は一時的にiCloud写真をオフにしてから操作してください。
方法4:クラウドサービス(Googleフォト・Dropboxなど)を使う場合
Apple以外のクラウドサービスを利用して写真を共有することも可能です。
Windowsのブラウザで、GoogleフォトやDropboxなどのサイトにアクセスします。
アカウントを作成するか、すでにアカウントがあればログインします。
写真のアップロード機能を使い、転送したい写真をクラウドに保存します。
iPhoneに対応アプリ(Googleフォト・Dropbox など)をインストールします。
同じアカウントでログインすると、アップロードした写真がiPhoneから閲覧できます。
メリット
Android端末や他のパソコンからも同じ写真にアクセスしやすい
バックアップ用途としても使える
デメリット
無料プランでは容量に制限がある
サービスによっては、アップロード時に画質が自動調整される場合がある
MacからiPhoneに写真を入れる簡単な方法
続いて、Macをお使いの方向けに写真転送の方法をご説明いたします。
方法1:iCloud写真でMacとiPhoneを同期する
MacとiPhoneの両方をお使いの場合、iCloud写真を使った同期が最も簡単です。
【Mac側の設定】
画面左上のAppleメニュー()から「システム設定」(または「システム環境設定」)を開きます。
自分のApple IDをクリックし、「iCloud」を選択します。
「写真」を開き、「このMacを同期」または「iCloud写真」をオンにします。
【iPhone側の設定】
「設定」アプリを開きます。
画面上部の自分の名前をタップし、「iCloud」→「写真」を選択します。
「このiPhoneを同期」または「iCloud写真」をオンにします。
これで、Macの写真アプリにある写真が、iCloud経由でiPhoneにも自動同期されます。
方法2:Finder(または写真アプリ)を使ってケーブルで同期する
macOS Catalina以降では、iPhoneとの同期はFinderから行います(古いmacOSではiTunesの場合もあります)。
USBケーブルでiPhoneとMacを接続します。
Finderを開き、サイドバーの「場所」一覧からiPhoneを選択します。
画面上部のタブから「写真」をクリックします。
「写真をデバイスに同期」にチェックを入れ、同期したいアルバムやフォルダを選択します。
右下の「適用」または「同期」をクリックすると、選択した写真がiPhoneにコピーされます。
古いmacOSでiTunesを使用する場合も、操作の流れはWindows版iTunesとほぼ同じです。
方法3:AirDropで少量の写真をすぐ送りたいとき
数枚〜数十枚程度であれば、AirDropが最も手軽です。ケーブル不要で、すぐに転送できます。
MacとiPhoneの両方で、Wi-FiとBluetoothをオンにします。
iPhoneで「設定」→「一般」→「AirDrop」を開き、「連絡先のみ」または「すべての人」を選びます。
Macで写真アプリやFinderを開き、送信したい写真を選択します。
右クリック(副ボタンクリック)→「共有」→「AirDrop」を選びます。
AirDropの画面に表示されたiPhoneの名前をクリックします。
iPhone側に表示される通知で「受け入れる」をタップすると、写真アプリに保存されます。
どの方法にも共通する注意点と、よくあるトラブル対処
最後に、どの方法にも共通する注意点と、トラブル時の確認ポイントをまとめます。
iCloudストレージ容量・モバイル通信量に関する注意
iCloudの無料容量は5GBのため、写真や動画を多く保存するとすぐに上限に達します。
容量が足りなくなると、新しい写真のアップロードやバックアップができなくなります。
大量の写真を同期する場合は、必ずWi-Fi環境で行い、モバイル通信のデータ量を消費しないようにしてください。
必要に応じて、有料プランでiCloudストレージを増やすこともご検討ください。
パソコンがiPhoneを認識しない・同期されない場合のチェックリスト
パソコンにiPhoneを接続しても認識されない、同期が開始されない場合は、次の点をご確認ください。
ケーブルの状態を確認する
正規のLightningケーブルまたはUSB-Cケーブルを使用しているか
断線や接触不良がないか(別のケーブルで試すとなお確実です)
USBポートを変更する
別のUSBポートに挿し直す
USBハブではなく、パソコン本体のポートに直接接続する
「このコンピュータを信頼しますか?」の表示
iPhone側に表示された場合、「信頼」をタップし、パスコードを入力する
ソフトウェアのバージョンを確認する
iTunesが最新バージョンかどうか
WindowsやmacOSが大きく古くなっていないか
iCloud写真との競合を確認する
iCloud写真がオンだと、iTunes/Finderでの写真同期が制限される場合があります。
必要に応じて、一時的にiCloud写真をオフにしてから同期してください。
写真が見つからない・表示されないときに確認するポイント
iCloudでの同期処理がまだ完了していない可能性があります。しばらく時間を置いてから再度ご確認ください。
iPhoneの「写真」アプリで、「ライブラリ」「アルバム」など表示場所を切り替えて探してみてください。
「最近削除した項目」に入っていないか確認してください。誤って削除した場合でも、一定期間内であれば復元可能です。
HEIC形式など、一部の画像形式はパソコン側の環境によって表示できない場合があります。その場合は、JPEGなど一般的な形式に変換しておくと安心です。
状況別まとめ:あなたにおすすめのやり方早見表
最後に、代表的なケースごとにおすすめの方法を整理します。
自分に合う方法をすぐ知りたい方へ
とにかく一番かんたんな方法が知りたい(自宅Wi-Fiあり)
→ iCloud写真をオンにする
→ Windowsなら「iCloud for Windows」、Macなら「iCloud写真」の設定で自動同期何年分もの写真を一気に入れたい・動画も大量にある
→ USBケーブルで接続し、WindowsはiTunes、MacはFinder/写真アプリからフォルダやアルバムを指定して同期職場PCなどにソフトを入れたくない
→ ブラウザで iCloud.com にアクセス
→ 「写真」からアップロードし、iPhone側のiCloud写真をオンにして表示数枚だけ今すぐ送りたい(MacとiPhoneを利用)
→ AirDropで直接転送Androidや別のPCとも写真を共有したい・バックアップも兼ねたい
→ GoogleフォトやDropboxなどのクラウドサービスを利用
なお、どの方法を試す場合でも、万が一に備えて、あらかじめ外付けHDDや別のクラウドへのバックアップを取っておくことをおすすめいたします。