「パソコンに保存している写真を、クラウドやメールは使わず、USBケーブルだけでiPhoneに入れたい」というニーズは非常に多いです。
本記事では、次のような状況を想定して解説します。
Windows または Mac のパソコンを持っている
iPhone をUSBケーブルで接続できる(Lightning 端子または USB-C 端子のどちらでも可)
できるだけ 無料 で、かつ 安全に 写真を転送したい
インターネットに接続しづらい環境(オフラインPC・クラウド禁止の社内PCなど)でも使える方法を知りたい
ここでいう「ケーブルのみ」とは、有線接続(USBケーブル)を前提とし、iCloud・Googleフォト・メールなどのオンラインサービスを使わない という意味で使用します。
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パソコンからiPhoneに写真を送る方法は多数ありますが、「ケーブルのみ」で完結させるなら、WindowsはiTunes、MacはFinder(または写真アプリ) が基本となります。
サードパーティ製の転送ソフトは便利な反面、広告色や制限もあるため、まずは公式機能で試し、足りない部分を補う用途で検討すると安心です。
iCloud写真との関係や同期の仕組みを理解しておくことで、「写真が消えてしまうのでは?」という不安を減らせます。
一度手順を覚えてしまえば、次回以降は数分で転送できるようになります。
事前準備:対応環境と必要なもの
必要な機器・ソフト
まず、最低限以下を準備してください。
Windows 10 / 11 もしくは macOS が動作するパソコン
iPhone(iOSは概ね最新〜数世代前までを想定)
純正または信頼できるメーカーのUSBケーブル
iPhone 15シリーズ以降:USB-Cケーブル
それ以前の多くのモデル:Lightning – USBケーブル
必要に応じて以下のソフト
Windows:最新版の iTunes(Microsoft Store またはApple公式サイトから入手)
Mac:Finder(macOS標準)、または写真アプリ
必要であればサードパーティ製の転送ソフト(後述)
ポイント:ケーブルは、充電しかできない粗悪品だとデータ転送ができない場合があります。データ通信対応のケーブルを使ってください。
転送前に確認したい設定
iPhoneをパソコンに接続し、「このコンピュータを信頼」を許可する
初めて接続するPCの場合、iPhone画面に「このコンピュータを信頼しますか?」と表示されます。「信頼」をタップしてください。
iCloud写真の設定を確認する
iTunes や Finder で写真を同期する場合、iCloud写真がオンだと連携できないケースがあります。
「設定」>自分の名前>「iCloud」>「写真」で「iCloud写真」がオンかオフかを確認し、記事内で案内する方法に合わせて調整します。
パソコン側の保存フォルダを整理しておく
転送したい写真をひとつのフォルダにまとめておくと、後の操作がスムーズです(例:
C:\Users\ユーザー名\Pictures\to_iphoneなど)。
WindowsからiPhoneに写真をケーブルのみで転送する方法
ここでは、Windows 10 / 11 を想定して説明します。
方法1:iTunesを使って写真を同期する(公式・無料)
Apple公式の方法で、追加費用がかからない標準的なやり方です。
手順の全体像
iTunesをインストール・起動する
iPhoneをUSBケーブルで接続し、「信頼」を許可
iTunes上でiPhoneを選択し、「写真」タブを開く
「写真を同期」にチェックを入れる
同期したいフォルダを指定して「適用」
具体的な手順
iTunesをインストール・起動
まだインストールしていない場合、Microsoft Store または Apple公式サイトから Windows版 iTunes をインストールします。
iPhoneをケーブルで接続して信頼を許可
iPhoneをUSBケーブルで接続し、「このコンピュータを信頼」をタップします(表示されない場合はすでに許可済みです)。
iTunesでiPhoneを選択
iTunesの左上にデバイス(iPhone)のアイコンが表示されるのでクリックします。
左側メニューから「写真」を選択
「写真」タブを開き、「写真を同期」にチェックを入れます。
写真フォルダを指定して同期
「フォルダを選択」から、事前にまとめておいた写真フォルダを指定します。
必要であれば「ビデオを含める」にチェックを入れ、「適用」をクリックすると同期が開始されます。
注意点(必ず読んでください)
iCloud写真との併用に注意
iCloud写真がオンの状態では、iTunesでの写真同期が行えない、あるいは動作が制限される場合があります。
同期形式の違い
iTunesで同期した写真は、PC上のフォルダを「コピー」するイメージで、iPhone側の「同期されたアルバム」として管理されます。
同期元フォルダを変更したり同期を解除すると、そのアルバムが消えることがあります。大事な写真はPC側にも必ずバックアップを残してください。
方法2:iTunesを使わず、転送ソフトで写真をコピーする
「iTunesは重い」「設定が難しい」という場合は、サードパーティ製の転送ソフトを使う方法もあります。代表例として、FoneToolやAnyTransなどが有名です。
利点
iTunesより画面構成がシンプルなものが多い
写真だけでなく、ビデオや音楽なども一括管理しやすい
一部ツールでは、iPhone側のアルバム構成を確認しながら転送可能
典型的な操作の流れ(ソフト共通イメージ)
転送ソフトをダウンロード・インストール
iPhoneをUSBケーブルで接続し、ソフト上でデバイスを認識させる
「写真転送」や「PCからiPhoneへ」といったメニューを選択
PC上の写真フォルダを選び、転送ボタンをクリック
無料版・有料版のチェックポイント
無料版では「転送枚数」「一度に処理できる写真数」に制限がある場合が多いです。
バンドルされる不要ソフトや広告の有無も確認してください。
業務用途の場合は、利用規約やライセンス形態(個人利用限定かどうか)も確認した方が安全です。
MacからiPhoneに写真をケーブルのみで転送する方法
Macの場合、macOSのバージョンによって画面は少し異なりますが、基本的には Finder または 写真アプリ を使用します。
方法1:Finder(または写真アプリ)で同期する
ここでは、macOS Catalina以降を例に説明します。
手順概要
iPhoneとMacをUSBケーブルで接続
Finderを開き、サイドバーの「場所」からiPhoneを選択
上部タブから「写真」を選択
「写真をiPhoneに同期」にチェック
同期したいアルバムやフォルダを選択して「適用」
詳細手順
iPhoneとMacを接続
USB-CケーブルまたはLightningケーブルを用いてMacに接続します。
FinderでiPhoneを選択
Finderウインドウ左側の「場所」にiPhoneが表示されるのでクリックします。
初回は「信頼」やパスコード入力が求められます。
「写真」タブで同期設定
上部タブから「写真」を選択し、「写真をiPhoneに同期」にチェックを入れます。
写真アプリの「写真」全体または特定のアルバムを選んで同期できます。
適用して同期開始
設定を確認し、「適用」または「同期」ボタンを押すと写真が転送されます。
方法2:サードパーティ製ツールを使う場合の考え方
Mac向けにも、Windowsと同様に転送ソフトが存在します。
使う場合は次の点を確認してください。
App Store配信か、信頼できるベンダーから入手しているか
iPhone内のどの領域(カメラロール、アプリ専用フォルダなど)に保存されるのか
写真のEXIF情報(撮影日時・位置情報など)が保持されるか
公式のFinderや写真アプリで事足りるケースが多いため、まずは公式機能で試し、どうしても足りない場合のみツールを検討する ことをおすすめします。
オフライン環境・業務利用で気をつけたいポイント
クラウド禁止の社内PCや、インターネットに接続していない自宅PCなど、制約の強い環境では次の点に注意してください。
クラウドサービスに頼らない運用
本記事の方法は、iCloudやGoogleフォトを使わなくても実施可能です。
社内ポリシーの確認
業務用PCの場合、「個人端末(私物スマホ)接続禁止」「外部ストレージ禁止」などのルールがあることも多いため、必ず社内規程を確認してください。
USBメモリなどを併用する場合
PC → USBメモリ → 別PC → iPhone という経路を取る場合、途中でコピーが増え、情報漏洩リスクも高まるため、データの扱いには十分注意してください。
よくあるトラブルとチェックリスト
iPhoneをPCが認識してくれない
ケーブルを確認
充電しかできないケーブルや、断線しかけのケーブルでは認識しないことがあります。別のケーブルで試してください。
USBポートを変更
フロントではなく背面のUSBポートを使用する、ハブを介さず直接接続する、なども有効です。
OS・iTunesをアップデート
Windows Update・iTunes・macOSを最新にして再接続すると解決するケースがあります。
「このコンピュータを信頼」が表示されないとき
iPhoneを一度ロック解除した状態で接続し直し、「設定」>「一般」>「転送またはリセット」>「信頼済みコンピュータをリセット」などを試します。
写真が同期されない・枚数が合わない
iCloud写真の設定を再確認
iTunesやFinderによる写真同期と、iCloud写真の併用は制限があるため、どちらの運用にするかを決めて設定を合わせてください。
フォルダ指定ミスを見直す
実際に写真が入っているフォルダか、サブフォルダ構成が複雑すぎないかを確認します。
容量不足をチェック
iPhoneのストレージ残量が少ないと同期できない場合があります。「設定」>「一般」>「iPhoneストレージ」で確認してください。
セキュリティ面が不安なとき
転送ソフトは、実績のあるベンダーか・日本語で利用規約が明記されているかを確認してください。
公共のPCや不特定多数が触れるPCには、自分のApple IDやプライベートな写真を扱わない方が安全です。
重要な写真は、PC・外付けディスク・クラウド(許可されていれば)など複数箇所にバックアップを取り、転送作業時のトラブルに備えてください。
目的別おすすめパターンまとめ
少量の写真をとりあえず入れたい場合
Windows:iTunesでフォルダを指定して同期
Mac:Finderで必要なアルバムのみ同期
大量の写真を定期的に同期したい場合
Windows / Macとも、公式のiTunes / Finderによる同期運用をおすすめします。
同じフォルダ構成で写真を追加しておけば、次回以降も同じ手順で更新できます。
業務写真を安全に持ち出したい場合
まず社内ルールを確認したうえで、許可されている範囲でiTunes / Finderを利用。
サードパーティ製ツールを導入する場合は、ライセンスやサポート体制を事前に確認してください。