テレビCMやネット広告でよく見るトリバゴ。「ホテルが安く見つかりそうだけれど、“危ない”という評判もあって不安だ」――そのようなお気持ちから、このページにたどり着かれた方も多いのではないでしょうか。
実際にインターネット上では、「予約が通っていなかった」「キャンセルできない」「請求額が表示と違う」といった声が見られます。
一方で、問題なく便利に使っている人も少なくありません。では、なぜここまで評価が分かれるのか、本当に“危ないサービス”なのでしょうか。
本記事では、トリバゴが危ないと言われる理由を、感情論ではなく「仕組み」と「リスクの正体」に分けて整理し、安全に利用するためのチェックポイントまで分かりやすく解説いたします。
読み終えていただく頃には、「自分はトリバゴを使うべきかどうか」を、ご自身で納得して判断できるようになることを目指しています。
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トリバゴは「ホテル料金比較サイト」であり、「予約サイト」ではない
予約・決済・キャンセルは、トリバゴから遷移した各予約サイトが担当する
「予約が通っていない」「キャンセルできない」「料金が違う」といったトラブルは、
予約サイトとホテルの情報連携
税金・手数料・通貨・キャンセル条件の確認不足
によって発生しているケースが多い
トリバゴ自体は大手グループ傘下の企業であり、サービスそのものが詐欺的というわけではない
一方で、構造を理解しないまま使うと、「どこに責任があるのか分からない」という意味で、結果的に「危ない」状況になりやすい
そもそもトリバゴとは?危ないと言われる前に知るべき仕組み
トリバゴは予約サイトではなく「料金比較サイト」
まず押さえておきたいのは、トリバゴは「ホテル予約サイト」ではなく、「ホテル料金の比較サイト(メタサーチ)」だという点です。
トリバゴの役割:
複数のホテル予約サイト(例:Agoda、Booking.com、Expedia、各ホテル公式サイトなど)の料金情報を集めて一覧表示する
条件に合うプランのリンクを提示する
実際の予約・決済を行うのは:
トリバゴから遷移した先の「各予約サイト」
そのため、最終的な契約相手はトリバゴではなく、「クリックして移動した予約サイト」となります。予約内容の確認・変更・キャンセル、返金などは、その予約サイトとのやり取りで行う必要があります。
トリバゴ・予約サイト・ホテルの三者関係
トラブルが起きたときに混乱しやすいのが、この三者の関係です。
トリバゴ:料金情報を集め、比較・リンクを提供する入口
予約サイト:実際の予約・決済・予約管理を行う窓口
ホテル(宿泊施設):宿泊サービスの提供者
イメージとしては、次のような流れです。
トリバゴで条件を入力して検索
トリバゴ上に複数サイトの料金が一覧表示
選んだプランのリンクをクリックすると、別の予約サイトの画面に遷移
遷移先の予約サイトで、個人情報やカード情報を入力して予約完了
予約確認メールは、予約サイトから送信される
この構造を理解していないと、「トリバゴで予約したのだから、トリバゴに言えばすべて対応してもらえるはず」と誤解してしまい、連絡先の選択を誤る原因になります。
エクスペディアグループ傘下の企業としての位置づけ
運営会社の観点から見ると、トリバゴはドイツ・デュッセルドルフに本社を置く「trivago N.V.」が運営しているサービスで、アメリカの大手オンライン旅行企業「Expedia Group」の子会社です。
世界中の宿泊施設や予約サイトの料金情報を扱うグローバル企業であり、サービス自体が違法・反社会的というわけではありません。ただし、そのビジネスモデル(料金比較+クリック課金)と構造上の限界から、「予約後のトラブル対応」は各予約サイトやホテル側に委ねられている点が、利用者にとっての分かりにくさにつながっています。
トリバゴが危ないと言われる5つの理由
理由1:予約がホテルに反映されていないトラブル
もっとも不安が大きいのが、「予約完了メールを持ってホテルに行ったのに、予約が入っていなかった」というケースです。
このようなトラブルは、主に次のような要因で発生します。
予約サイト側のシステム遅延・エラーで、ホテルへの連携が遅れた/失敗した
予約サイト上での入力情報に誤りがあり、ホテル側で照合できなかった
特定の海外予約サイトが関与し、ホテル側との情報連携がスムーズでなかった
重要なのは、この種のトラブルの多くは「トリバゴ」ではなく、「転送先の予約サイトとホテルの間」で発生していることです。
理由2:キャンセル・変更手続きが複雑で分かりにくい
トリバゴを経由した場合でも、キャンセル・変更は「予約サイト」が窓口となります。そのため、
トリバゴに問い合わせてしまい、対応できないと言われて混乱する
どのサイトで予約を確定したか忘れてしまい、確認メールも見当たらない
予約サイトが海外企業で、日本語サポートが限定的である
といった状況になりやすく、「キャンセルできない」「返金されない」という印象につながります。
理由3:表示金額と最終請求額の差(税金・手数料・通貨の違い)
「画面で見た金額よりも、実際の請求額が高かった」という声も少なくありません。
よくあるパターンは、
トリバゴ上の表示価格:
予約サイトが提供する「基本料金」を読み込んでいるだけで、現地税・サービス料・リゾートフィー等が含まれていない
予約サイトの最終画面:
各種税金・手数料・通貨換算などが加わり、合計額が増えている
このような料金構造は、トリバゴに限らず多くの海外予約サイトでも見られるため、「支払総額を最終確認画面で必ずチェックする」ことが非常に重要です。
理由4:日本語サポートが限定的なケースがある
トリバゴのサイト自体は日本語対応ですが、実際の予約・サポートは転送先の予約サイトが担当します。その予約サイトが海外企業である場合、
サポート窓口が英語のみ
対応時間帯が海外時間(日本の夜〜深夜など)
チャットやメールのレスポンスが遅い
といった状況になりやすく、「サポートが不十分」「危ない」という印象になりがちです。
理由5:必ずしも「最安値」ではなく、期待とのギャップが生まれやすい
トリバゴは複数サイトの料金を比較できますが、次のような理由で「絶対に最安値」というわけではありません。
各予約サイトの会員限定価格やクーポン、ポイント還元までは完全に反映されない
ホテル公式サイトが独自セールを行っており、トリバゴ経由より安い場合がある
表示順や強調表示には広告(クリック課金)の影響もある
その結果、「最安値と信じて予約したのに、後からもっと安いプランを見つけてしまった」という不満につながります。
実際にはどこが危ないのか?構造から整理する
トリバゴ自体の安全性(運営企業・ビジネスモデル)
運営企業の規模やビジネスモデルから見ると、トリバゴ自体が「詐欺サイト」「危険なサイト」という評価は適切ではありません。
ドイツ本社・エクスペディアグループ傘下の上場企業
料金比較・広告収入を主とする、一般的なメタサーチビジネスモデル
利用者から直接手数料を徴収する仕組みではない
つまり、トリバゴの目的は「ユーザーを各予約サイトへ送客し、そのクリックに応じて収益を得ること」です。ここには、利用者のお金を騙し取るような構造は含まれていません。
本当に注意すべきは「転送先の予約サイト」と利用者の確認不足
トラブルの多くは、次の2点が重なったときに発生しています。
転送先の予約サイトの品質・サポート体制
利用者側の「最終的な契約相手」や「支払総額」「キャンセル条件」の確認不足
したがって、実務的に注意すべきポイントは、
どの予約サイトで予約を確定したのかを必ず把握する
予約サイトの運営会社・評判・サポート体制を事前に確認する
支払総額(税・手数料・通貨換算含む)とキャンセルポリシーを、最終確認画面でチェックする
という点になります。
口コミが荒れやすい理由と情報の読み解き方
口コミサイトやQ&Aは、どうしてもトラブルになった方の声が集まりやすく、「うまくいった多数の利用者」は投稿しない傾向があります。そのため、全体像としては、
「比較ツールとして便利だった」というポジティブな声
「予約サイトとの連携でトラブルになった」というネガティブな声
の両方を踏まえたうえで、「自分がどの程度のリスクを許容できるか」を判断することが大切です。
トリバゴを安全に使うためのチェックリスト
予約前に必ず確認したい5つのポイント
トリバゴを利用する際は、次の5点を最低限確認することをおすすめします。
最終的に予約を確定するサイト名をメモする
その予約サイトの運営会社・評判・日本語サポートの有無を確認する
支払総額(税金・手数料・リゾートフィー・通貨)を、決済直前の画面で必ず確認する
キャンセルポリシー(いつまで無料か/一部返金か/完全返金不可か)を読む
予約確認メールが届かなければ、すぐに予約サイトに問い合わせる
この5点を押さえるだけでも、多くのトラブルを事前に避けることができます。
料金比較の落とし穴を避けるチェック項目(税・手数料・通貨・キャンセルポリシー)
料金画面では、次のような点をチェックしてください。
表示金額が「税・サービス料込み」かどうか
リゾートフィーや施設利用料が別途かかるかどうか
通貨単位(円/ドル/ユーロなど)と、カード会社の為替レート・手数料
返金不可プランか、条件付き返金プランか
朝食・駐車場・Wi-Fiなど、必要なサービスが料金に含まれているか
単純な「1泊〇円」の比較だけでなく、「総支払額ベース」で比較することが重要です。
トラブル時に慌てないための連絡先整理術
トラブルは、深夜やチェックイン直前など「焦りやすいタイミング」で起こりがちです。事前に、
トリバゴのマイページ/アプリ
予約サイトのマイページと問い合わせ先(電話・メール・チャット)
ホテルの連絡先(電話番号・メールアドレス)
をまとめてメモしておくと、スムーズに対応しやすくなります。
トリバゴを使うべき人/使わない方がよい人
トリバゴが向いているケース(旅行慣れしている人・海外ホテルなど)
トリバゴの強みを活かせるのは、次のような方・ケースです。
海外ホテルを含め、複数の予約サイトを横断的に比較したい人
英語サイト・海外予約サイトの利用経験があり、規約や料金内訳を自分でチェックできる人
とにかく安いプランを探したい一人旅・カップル旅行者で、ある程度の手間やリスクを許容できる人
このような方は、トリバゴを「比較の入り口」として使い、その後に各予約サイトや公式サイトを自分で比較し直すことで、コストメリットを得られる可能性があります。
公式サイトや国内大手サイトを優先した方が安心なケース
一方で、次のような方・ケースでは、トリバゴではなく「国内大手予約サイト」や「ホテル公式サイト」を選ぶ方が安心です。
小さなお子さまや高齢の家族を連れた旅行で、トラブルのリスクを極力避けたい
海外サイトや英語でのやり取りに自信がない
出張などで、万一のトラブルが仕事に影響してはいけない
ホテルとの直接交渉(アーリーチェックイン・特別リクエストなど)を重視したい
国内大手サイトや公式サイトは、多少料金が高くても「日本語サポート」「トラブル時の対応力」という面で安心感があります。
家族旅行・出張での現実的な使い分けの考え方
実務的な使い分けとしては、次のような判断軸が分かりやすいです。
絶対に失敗できない旅行(家族旅行・出張・記念日など)
→ 公式サイト、もしくは国内大手予約サイトを最優先価格重視の個人旅行・短期旅行
→ トリバゴで各サイトを比較した上で、信頼できる予約サイトを選ぶ海外ホテルで相場感をつかみたいとき
→ まずトリバゴで全体の価格帯を把握し、その後、候補を絞って他サイトや公式サイトで詳細条件を確認
このように、「すべてをトリバゴで完結させる」のではなく、「比較の入り口」として位置づけると、リスクと利便性のバランスが取りやすくなります。