突然、楽しみにしていた番組の最中にテレビ画面がモザイクだらけになったり、横線が入って見づらくなったりすると、とてもストレスを感じるものです。
「叩けば直る?」「テレビが壊れた?」「業者を呼ぶべき?」と、何から手をつけてよいか分からず戸惑ってしまう方も多いはずです。
本記事では、「今まさに画面が乱れて困っている方」に向けて、症状別に原因の絞り込み方と、自分で安全にできる直し方を分かりやすく整理しています。
まずはご自宅で5〜10分あれば確認できるチェック項目を順番にご紹介し、そのうえで「ここから先は専門業者・管理会社に任せるべき」というラインも明確にお伝えいたします。
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テレビ画面が乱れたときは、次の順番で確認してください。
テレビ・周辺機器の再起動
B-CASカードの抜き差し・清掃
アンテナケーブルの差し込み・劣化確認
チャンネル再スキャン
別のテレビ・別の部屋と症状を比較
周囲の家電による電波干渉を確認
天候や近隣環境の影響を確認
ここまで試して直らない場合は、視聴環境に応じてアンテナ業者・ケーブルテレビ会社・光回線のサポート窓口、あるいは管理会社・テレビメーカーに相談してください。
テレビ画面が乱れるときにまず知っておきたいこと
「画面が乱れる」とはどんな症状か
「テレビ画面が乱れる」と一口にいっても、実際には次のように症状が分かれます。
画像がモザイク状・四角いブロックのように崩れる
画面の一部だけノイズが出る、フリーズする
横線・縦線・色むらが出る
特定のチャンネルだけ映りが悪い
雨や風の強い日、夜間だけ映像が乱れる
症状ごとに原因の傾向が異なりますので、この記事では「症状 → 原因候補 → 自分でできる直し方」の順で整理してご説明いたします。
自分で直せるトラブルと業者が必要なトラブル
テレビ画面の乱れには、ご自身で対処してよいものと、専門業者に任せたほうがよいものがあります。
自分で対処してよい主なトラブル
テレビ本体やレコーダーの一時的なフリーズ
B-CASカードやアンテナケーブルの抜け・緩み・汚れ
チャンネル設定の不具合
周囲の家電による電波干渉
業者・管理会社に相談すべき主なトラブル
屋根上や外壁のアンテナの向き調整・交換が必要な場合
高所作業が伴う配線の修理
テレビ内部の故障が疑われる場合
マンションの共用アンテナ設備に原因がありそうな場合
安全面のリスクがある作業は無理に行わず、「ここから先は専門家に任せる」と線引きしておくことが重要です。
テレビ画面が乱れる主な原因
配線・カードまわりの不具合(もっとも多い原因)
もっとも多いのが、テレビ背面や壁のアンテナ端子まわりの「接続不良」です。
アンテナケーブルの差し込みが甘い・ゆるんでいる
ケーブル自体が曲げすぎや経年劣化で傷んでいる
B-CASカード(または内蔵のACAS)の接触不良・汚れ
これらは、ご家庭で比較的安全に確認・改善しやすいポイントです。
電波不足・電波干渉によるブロックノイズ
画面全体がモザイク状になる「ブロックノイズ」は、地上デジタル放送でよく見られる症状です。
受信している電波が弱い(電波不足)
分配器やケーブルを増やしすぎて、各テレビに届く電波が減っている
近くの家電(電子レンジ・Wi-Fiルーター・コードレス電話など)から電波干渉を受けている
といった要因が重なると、映像が乱れやすくなります。
アンテナの向きズレ・劣化・故障
屋根やベランダに設置しているアンテナが、
強風や積雪で向きがずれた
経年劣化で金具が緩んだ・錆びた
周囲に新しい建物が建ち、電波が遮られるようになった
といった場合も、画面の乱れの原因になります。アンテナ本体に手を伸ばす作業は転落・感電の危険があるため、ご自身では行わないでください。
テレビ本体やレコーダーの不具合・故障
アンテナやケーブルに問題がない場合、テレビ本体やレコーダーの不具合・故障が原因の可能性があります。
長時間の使用で内部が熱を持ち、一時的にフリーズしている
内部の部品(チューナー・基板など)が経年劣化で不安定になっている
このような場合、再起動で改善するケースもあれば、メーカーや販売店で点検・修理が必要なケースもあります。
天候・建物など外的要因による一時的な乱れ
大雨・雷・強風・積雪などの悪天候
近隣の大型建物・高層マンションの新設
成長した樹木がアンテナ方向を遮る
といった外的要因でも、一時的または恒常的にテレビ画面が乱れることがあります。
症状から原因を絞り込むチェックフロー
症状A:モザイク・ブロックノイズが出る場合
画面が四角く崩れる
音声もプツプツ途切れる
この場合は、以下の順で原因を疑ってください。
アンテナケーブルの差し込み・劣化
B-CASカードの接触不良
電波不足・電波干渉(家電・周辺環境)
アンテナの向きズレ・故障
まずは室内で確認できる1〜3までをチェックし、それでも改善しない場合はアンテナ業者への相談を検討してください。
症状B:特定のチャンネルだけ乱れる場合
一部のチャンネルだけ映りが悪い
ある放送局だけノイズが出る
この場合は、
チャンネル設定の不具合
特定周波数帯の電波不足
放送局側や地域的な障害
などが考えられます。チャンネル再スキャンを行い、他の家庭でも同じチャンネルが乱れていないか情報を確認すると切り分けがしやすくなります。
症状C:横線・縦線・色むらが出る場合
画面に横線・縦線が固定で出る
一部分だけ色がおかしい
この場合は、テレビ画面(パネル)そのものの不具合や内部部品の故障が疑われます。
ケーブルの差し直しや再起動で改善しない場合は、無理に叩く・押すなどせず、メーカーや購入店に相談してください。
症状D:ときどき一瞬乱れる・時間帯によって悪化する場合
夜だけ映りが悪い
たまに一瞬だけノイズが出る
この場合は、
近隣の家電や工事による電波干渉
時間帯による電波状況の変化
分配数が多く、ギリギリの電波レベルになっている
といった要因が考えられます。周囲の家電を一つずつ切ってみる、時間帯を変えて視聴してみる、といった確認が有効です。
まず試したい「自分でできる」直し方7ステップ
ステップ1:テレビと周辺機器の電源を切り、再起動する
テレビ本体の電源ボタンで電源を切ります。
コンセントから電源プラグを抜き、1〜2分ほど待ちます。
レコーダーなど周辺機器も同様に電源を切り、プラグを抜いておきます。
もう一度コンセントに差し直し、電源を入れて症状を確認してください。
一時的なフリーズであれば、この再起動だけで改善するケースも少なくありません。
ステップ2:B-CASカード(ACAS)の抜き差しと清掃をする
テレビの電源を完全に切ります。
B-CASカードをゆっくり抜き取ります。
カードの金色の端子部分を、やわらかい乾いた布で軽く拭きます。
正しい向きで奥までしっかり差し込みます。
電源を入れて、画面の乱れが改善しているか確認してください。
※ACAS内蔵タイプの場合はカードを取り出せないため、取扱説明書に従ってください。
ステップ3:アンテナケーブルの差し込み・劣化を確認する
テレビ背面・レコーダー・壁のアンテナ端子に接続されているケーブルを一度抜きます。
プラグ部分にホコリや汚れがないか確認し、あれば取り除きます。
各端子にまっすぐ、奥までしっかり差し込みます。
ケーブルが極端に折れ曲がっていたり、被覆が破れていたりしないかも確認してください。
ケーブルが古く、明らかに劣化している場合は、新しいものへの交換も検討してください。
ステップ4:チャンネル再スキャン・初期化で設定を確認する
テレビの「設定」メニューから「チャンネル設定」や「放送受信設定」を開きます。
自動スキャン(自動設定)を実行します。
終了後、映りが悪かったチャンネルをもう一度確認します。
地域変更や設定誤り・アップデート後の不具合などで、チャンネル設定がずれていた場合に有効です。
ステップ5:別室・別のテレビで同じ症状が出るか比較する
同じ宅内の別のテレビでも同じチャンネルが乱れる → アンテナや配線、電波環境など「共通部分」に原因がある可能性が高いです。
ある一台だけが乱れる → そのテレビ本体や、その部屋までの配線に原因が絞り込まれます。
この比較により、「家全体の問題か」「特定の機器だけの問題か」が見えてきます。
ステップ6:周囲の家電の電源を切り、電波干渉を確認する
テレビの近くにある電子レンジ・Wi-Fiルーター・コードレス電話などの電源を一つずつ切ります。
どれかの家電を切ったタイミングで画面の乱れが改善するか確認します。
原因の家電が分かった場合は、設置場所を離す・使用時間をずらすなどの対策を行ってください。
ステップ7:天候・近隣状況(工事・建物)を確認する
大雨・雷・強風のときだけ乱れる → 天候の回復を待つことで改善することが多いです。
近くでクレーン作業や建設工事が行われている → 一時的に電波状況が悪化している可能性があります。
天候回復後や工事終了後も改善しない場合は、アンテナや周辺環境の見直しが必要になる場合があります。
視聴環境別の対処法と相談先
地デジアンテナで視聴している場合
本文の7ステップで改善しない場合
家中どのテレビでも映りが悪い場合
雨や風に関係なく常に画面が乱れている場合
こうしたときは、アンテナ業者に相談し、アンテナの向きや劣化状況、ブースターの有無などを確認してもらうことをおすすめいたします。
ケーブルテレビで視聴している場合
ケーブルテレビ会社が提供するSTB(セットトップボックス)を経由して視聴している場合は、まずは契約中のケーブルテレビ会社へ問い合わせてください。
自宅内の配線に問題がなくても、局側の設備やエリア一帯で障害が発生している可能性があります。
光回線(ひかりTV・フレッツ・テレビ等)で視聴している場合
ひかりTVやフレッツ・テレビ等を利用している場合は、インターネット回線の状況も影響します。
ルーターやONU(回線終端装置)のランプ状態を確認し、問題がありそうな場合はプロバイダやサービス窓口に相談してください。
専門業者や管理会社に相談すべきケース
危険な作業になるため自分でやってはいけないこと
次のような作業は、転落や感電の危険があるため、ご自身で行わないでください。
屋根の上に登ってアンテナを動かす・交換する
外壁の高所にあるアンテナや配線を触る
テレビ本体やブースターを分解する
安全のため、必ず専門業者に依頼してください。
アンテナ調整・交換が必要な症状の目安
すべてのチャンネルで常にブロックノイズが出る
天候とは無関係に、ずっと電波レベルが低い表示になっている
近隣の住宅に比べて自宅だけ映りが悪い
このような場合は、アンテナの向きや設置場所を含めて見直しが必要な可能性があります。
賃貸マンション・アパートの場合の連絡フロー
賃貸住宅では、共用アンテナや共用配線が原因のことも少なくありません。
まずは自室内の基本チェック(再起動・配線確認)を行う
同じ建物の住人にも同様の症状が出ていないか確認する
管理会社・オーナーに状況を伝え、共用設備の点検を依頼する
勝手に業者を呼んでしまうと、費用負担でトラブルになる場合がありますので、必ず管理会社の指示に従ってください。
テレビ画面の乱れを予防するためのポイント
ケーブル・機器を長持ちさせるための取り扱い
ケーブルを極端に折り曲げない
テレビ背面にホコリが溜まらないよう、定期的に掃除する
テレビ本体の通気口をふさがないように設置する
日頃の扱いで、トラブルの発生頻度を大きく減らすことができます。
電波環境を安定させるための設置・配線のコツ
アンテナケーブルを延長しすぎない
分配器を重ねて使いすぎない(必要以上にテレビ台数を増やさない)
電子レンジやWi-Fiルーターをテレビから少し離して設置する
これらを意識することで、電波不足や電波干渉を予防しやすくなります。
買い替えや視聴方法の見直しを検討するタイミング
テレビの使用年数が10年以上で、不具合が増えてきた
アンテナの設置場所が環境変化の影響を受けやすい
インターネット回線が整っており、光回線テレビなど別の視聴方法も選べる
こうした場合は、テレビ本体の買い替えや、視聴方法の見直しも選択肢として検討してください。