インターネット上には「買ってはいけないテレビメーカー」「このメーカーは壊れやすい」といった強い表現も多く見られます。ただし、実際には メーカー名だけで故障の多さを断定することは難しく、価格帯・保証・サポート体制など複数の要素が絡みます。
本記事では、特定のメーカーを一方的に批判するのではなく、
テレビの平均寿命の目安
故障が多いテレビに共通する「危ない特徴」
壊れにくいテレビを選ぶためのチェックポイント
を整理し、ご自身で故障リスクを見極められるようになることをゴールとします。
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テレビの平均寿命は、液晶でおおよそ 8〜10年、平均使用年数は約 10.7年 程度とされているため、何年で壊れたかを基準に「早い/妥当」を判断することが大切です。
「故障が多いメーカー」は、特定の名前というより、
相場より極端に安い
実績が少ない・サポート情報が薄い
保証期間が短い・延長保証が弱い
といった共通の特徴を持っていることが多いです。
壊れにくいテレビを選ぶためには、
メーカーの実績・サポート体制
価格帯と保証のバランス
口コミにおける短期故障・初期不良の割合
をチェックすることが有効です。
メーカー名の評判だけに振り回されるのではなく、「特徴」と「保証・サポート情報」を冷静に確認することが、失敗しないテレビ選びへの一番の近道です。
テレビの平均寿命と「故障が多い」の境界線
テレビの平均寿命は何年くらいか
まず、「どのくらいで壊れたら『故障が多い』と言えるのか」という基準を知る必要があります。
大手家電量販店の解説によると、一般的な液晶テレビの平均寿命は 約8〜10年 とされています。これは液晶パネルのバックライト寿命(約60,000時間)などをもとにした目安です。
また、内閣府が実施する「消費動向調査」のデータを活用した家電製品の使用年数調査では、カラーテレビの平均使用年数が約10.7年 と推計されています。
このことから、大まかに次のように考えることができます。
3〜4年程度で故障が発生した場合
→ 平均よりかなり早い故障。使用環境や個体差もありますが、「早い段階」と言えます。5〜7年程度での故障
→ 使用時間や環境によっては起こり得る範囲。平均よりやや早め〜標準レベル。8〜10年以上使えて故障
→ 一般的な寿命を全うしたと考えてよいケースが多い。
この「平均値」と比較して考えることが、「故障が多いメーカーかどうか」を判断する第一歩です。
故障としてよくある症状と原因
テレビの故障と一口に言っても、症状はいくつかのパターンに分かれます。
画面が真っ暗になる・映像が出ない
画面に縦線・横線・ムラが出る
電源が入らない・勝手に切れる
音は出るが映像が乱れる
原因として多いのは、以下のような部品の不具合や経年劣化です。
液晶パネル・バックライトの劣化
電源基板や各種基板の不具合
内部配線やコネクタの接触不良
こうした電気製品の事故情報は、独立行政法人などが収集し、電源回路や配線の不良が火災などの原因になるケースも報告されています。NITE+1
故障が多いテレビメーカー・機種に共通する「危ない特徴」
ここからは、多くの比較記事や口コミから見えてくる「故障が多いテレビに共通する特徴」を整理します。特定のメーカー名ではなく、共通するパターンに注目してください。
特徴1:相場より極端に安い・無名で実績が少ない
同じサイズ・同じ4K液晶でも、メーカーによって価格が大きく異なることがあります。
有名メーカーAの50V型:10万円前後
聞き慣れないメーカーBの50V型:5万円前後
といったように、相場の半額近い激安モデルも珍しくありません。
一部の調査では、家電量販店で販売されているテレビのうち、購入者の約12%が初期不良や短期間での故障を経験したという結果が紹介されており、特に極端に安いモデルでその割合が高いと指摘されることがあります。
もちろん「安い=必ず壊れる」というわけではありませんが、
OEM生産主体で実績の少ないブランド
品質管理体制が見えにくい
サポートが外部委託で窓口が分かりにくい
といったリスク要因が重なりやすいのは事実です。
特徴2:保証期間が短い・延長保証に対応していない
テレビは高額な家電ですから、保証期間の長さは非常に重要です。
標準保証が1年のみ
延長保証サービスが用意されていない、または対象外
保証内容が不明瞭で、細かな免責が多い
こういった条件が揃っている場合、故障時の負担は利用者側に偏りがちです。
一方で、多くのメーカーは「補修用部品」を製造終了後も一定期間(目安として約8年程度)保有すると説明しています。
この期間内であれば、部品さえあれば修理可能であるケースが多く、保証期間+部品保有期間の両方を見ることが重要です。
特徴3:サポート窓口・修理拠点の情報が分かりにくい
壊れたときに、
どこに連絡すればよいか分からない
国内に修理拠点がなく、海外送りで時間と費用がかかる
という状況は避けたいところです。
公式サイトで、以下の情報が明確に記載されているかを確認してください。
電話・メール・チャットなどのサポート窓口
修理受付方法・出張対応の有無
国内のサービス拠点・提携修理業者の情報
これらが不明瞭なメーカーは、故障時のストレスが大きくなるリスクがあります。
特徴4:多機能すぎる一体型モデル
ブルーレイ/HDDレコーダー内蔵テレビ
ネット機能・チューナー・録画機能などを多数統合したモデル
など、一体型のテレビは設置が簡単で便利な一方、故障箇所が増えるという側面があります。
録画部分が故障しただけでもテレビごと修理が必要になるケースがあり、
「分離型(別体のレコーダー)にしておけばよかった」という声も少なくありません。
壊れにくいテレビを選ぶためのチェックリスト
ここからは、実際に購入する際に役立つ「壊れにくいテレビ選びのチェックポイント」を整理します。
チェック1:メーカーの実績・サポート情報
以下の点を最低限確認してください。
そのメーカーがテレビをどのくらいの期間販売しているか
過去モデルの評価や長期使用レビューがあるか
公式サイトにサポートページ・取扱説明書が整備されているか
国内にサービス拠点や修理パートナーがあるか
長年テレビを販売しているメーカーであれば、部品供給体制や修理ノウハウが蓄積されている可能性が高く、トラブル時にも対応しやすい傾向があります。
チェック2:価格帯と保証のバランス
テレビは価格と故障リスクのバランスを取ることが重要です。
一つの考え方として、以下のようなイメージがあります。
5万円以下の激安モデル
本体は安いが、延長保証がなかったり、修理費が本体価格に近くなったりすることが多い。
5〜10万円程度の中価格帯モデル
延長保証(5年など)を付けることで、トータルの安心感を高めやすい。
10万円以上の大型・高機能モデル
故障したときの損失が大きいため、延長保証を検討する価値が高い。
もちろん金額の線引きはご家庭の予算によりますが、「本体価格×使用予定年数」と「延長保証の費用」を比較することで、合理的な判断がしやすくなります。
チェック3:口コミ・レビューの読み方
口コミを見る際は、以下のポイントに注意してください。
個別の1件の悪いレビューよりも、短期故障や初期不良に言及するレビューの割合を見る
発売直後のレビューは初期不良が出やすく、評価が安定していないことがある
「●年で故障した」という具体的な使用年数が書かれているレビューを重視する
「故障した」という声があるのは、どのメーカーでもある程度は自然なことです。重要なのは、その頻度・傾向・メーカーの対応です。
目的別:どの程度のリスクを許容すべきか
一般家庭(メインターゲット)の場合
一般家庭であれば、テレビは 7〜10年程度の使用 を想定する方が多いはずです。
子どものゲーム・動画視聴
家族での映画・スポーツ観戦
地上波・BS・配信サービスの視聴
といった用途を考えると、ある程度しっかりしたメーカーと保証を選んでおく方が、長期的な満足度が高くなります。
コスパ重視の一人暮らし・共働き世帯の場合
「とりあえず数年使えればよい」という前提であれば、ある程度価格を優先してもよいでしょう。
ただし、
極端に安いモデルを選ぶ場合は、延長保証の有無を必ず確認
保証が弱い場合は、「3〜5年使えれば元が取れる」という割り切りも検討
といったように、リスクとコストをセットで考えることが重要です。
店舗・オフィスなど業務用途の場合
営業時間中ずっとつけっぱなし
会議やプレゼンで重要な役割を担う
といった業務用途では、故障による機会損失が大きくなります。
家庭用の中でも信頼性の高いシリーズを選ぶ
法人向けの保証・保守サービスがあるか確認する
予備機の用意や、万一の際の代替手配を想定しておく
など、「止まらないこと」を重視した選び方が必要です。
故障を減らし長持ちさせる使い方のポイント
設置環境と通気性
テレビは熱を持つ精密機器です。以下の点に注意すると寿命を縮めにくくなります。
背面・側面の通気口を塞がない
直射日光や暖房の風が直接当たらない場所に設置する
高温多湿の環境を避ける
電源のオンオフと待機電力
日常的なオンオフは、リモコン操作(待機状態)で問題ない場合がほとんどです。
主電源のオンオフを頻繁に行うと、電源部に負荷がかかる可能性があります。
雷の多い地域では、雷サージ対応のテーブルタップや避雷器の導入も検討すると安心です。
定期的なメンテナンス
吸気口・排気口まわりのホコリを定期的に掃除する
配線が無理に曲がっていないか、抜けかけていないかチェックする
異音・異臭・異常な発熱があれば、使用を中止してサポートに相談する