「せっかく投げたスパチャ、どれくらい推しに届いているんだろう?」——配信を日課にしているクリエイターも、日々応援しているファンも、一度は気になったはず。
実は同じ金額を送っても、iPhoneアプリ経由とブラウザ(Web)経由で“クリエイターの取り分”が変わる可能性があります。
この記事では、YouTubeの「70/30」の基本ルールをわかりやすくほどきつつ、iPhoneとWebの違いが実効的な取り分にどう響くかを具体例で解説。
読了後には、ファンは最も届けやすい送り方、クリエイターは収益を最大化するための伝え方が、すぐに判断できるようになります。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
本質は「70%=純収益に対して」というポイント。iPhoneアプリ内決済ではストア手数料が先に差し引かれるため、同額でもクリエイターの実効取り分が下がり得るのに対し、ブラウザ購入(PC/スマホのSafariやChrome)はシンプルな70/30になりやすい——ここが最大の違いです。
ファン側の最適解:iPhoneユーザーで「できるだけ多く届けたい」なら、アプリではなくブラウザからスパチャ。
クリエイター側の最適解:概要欄や固定コメントで「ブラウザでも送れます」とやさしく周知し、金額刻みの違い・購入手順の簡単ガイドを添えると離脱を防げます。
最後に、国や地域の税や価格設定で細部は前後します。
だからこそ、自分の視聴デバイス比率・主要視聴国に合わせて実効取り分を把握し、配信導線をチューニングすることが収益最適化の近道です。
スパチャ(Supers)の配分ルール:まずは公式の原則
クリエイター取り分は「70%」ですが、これは「税金や(該当する場合は)App Store手数料を差し引いた後の純収益」に対して適用されます。
また、クレカ手数料などの決済コストは現在YouTubeが負担と明記。
つまり「視聴者が払った金額 × 70%」ではなく、(税込→iOSならApp Store→残額)× 70% という順序になります。
iPhoneアプリ vs Web(PC/スマホのブラウザ)で何が違う?
iPhoneのYouTubeアプリから購入した場合
視聴者が支払う金額(地域の消費税/VAT等を含む)。
AppleのApp Store手数料(デジタル商品のIAPに適用。一般に30%)が差し引かれる。
残額に対してクリエイター70%/YouTube30%で分配。
※YouTubeの「70%」は、この税・ストア手数料差し引き後にかかる点がポイント。
App Store手数料の前提:デジタル商品はIAP手数料がかかる(標準30%)。
小規模事業者向けの「Small Business Program」では15%ですが、これはアプリ提供者(YouTube=Google側)に適用される制度のため、視聴者→クリエイターの取り分構造が即15%になるわけではありません。
仕組みとしては「iOSアプリ内決済にはストア手数料がある」点が本質です。
Web(PCやスマホのSafari/Chrome)で購入した場合
App Store手数料が発生しないため、(税込調整後の)金額に対してシンプルに70/30の分配。
iPhoneユーザーでもアプリではなくブラウザから購入すれば、クリエイター取り分が相対的に有利になります。
数式で理解:実効取り分のイメージ
記号
PP:視聴者が支払う税込金額
tt:間接税(消費税/VAT等)の割合(簡略化のため一定とする)
aa:App Store手数料率(iOS IAPの一般的な前提として0.30)
クリエイター取り分:Creator=(P−P×t−[iOSなら]P×a)×0.7\text{Creator} = \big(P – P \times t – [iOSなら] P \times a\big) \times 0.7
Web購入時は a=0a=0 とみなせます。
ざっくり試算(税は説明簡略のため無視)
10,000円のスーパーチャット
iPhoneアプリ:まずApple 30%=3,000円 → 残り7,000円に70% → 4,900円(≒49%)がクリエイター
Web/ブラウザ:10,000円 × 70%=7,000円(=70%)がクリエイター
※実際は国・地域の税の取り扱いで若干動きます。
よくある誤解を整理
「YouTubeが30%、クリエイターが70%だから、どこで買っても一緒」 → 違います。
iOSアプリ内はApp Store手数料が先に差し引かれるため、実効取り分が下がることがあります。「クレカ手数料が重いのでは?」 → YouTubeが負担と明記。クリエイター側の取り分には原則影響しません。
「iOSの手数料は必ず30%固定?」 → Appleには15%の例外(Small Business Program)やサブスク経過年数による15%適用のケースがありますが、どれもアプリ提供者側の条件で決まり、YouTube視聴者→クリエイターの配分式そのものが70/30以外に変わるわけではありません。
クリエイター視点の実践チェックリスト
配信や概要欄で「ブラウザ経由の支援が最も届きやすい」旨を周知(規約に沿った言い回しで)。
国別の税制・価格帯の違いを把握(視聴者が多い国の税込価格や通貨単位の刻み)。
Super Thanks/Super Stickersも同じ70%原則(税・iOS手数料差し引き後)。ライブ以外の常設支援導線として活用。
配信画面や固定コメントで「ブラウザでも送れます」導線をわかりやすく提示(外部決済誘導の可否は各プラットフォーム規定に要注意)。App Storeの外部決済ポリシーは地域や時期で変動があるため、最新ルールを随時確認。
クリエイター/ファンそれぞれへの最適行動
ファン(iPhoneユーザー)
応援額をできるだけクリエイターに届けたいなら、YouTubeをブラウザ(Safari/Chrome)で開いてスパチャが基本的に有利。クリエイター
配信前の告知や説明欄に「ブラウザでも利用可能」と明記し、FAQセクションで理由(iOSアプリにはストア手数料がある)を落ち着いたトーンで説明。決済コストはYouTube負担である旨もセットで示すと信頼性が上がります。