Instagramに「ブレンド(Blend)」という新機能が登場し、DM(ダイレクトメッセージ)内で友達とおすすめリールを共有しやすくなりました。
しかし実際には、
そもそもブレンドとは何か
どこから使えるのか
表示されないのはなぜか
企業アカウントでも活用できるのか
といった点が分かりづらいという声も多く聞かれます。
本記事では、2025年時点の公式情報と国内メディアの情報を整理しながら、インスタのブレンド機能の仕組み・使い方・トラブル時のチェック・企業での活用アイデアまでを一括で解説します。
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ブレンドは、1対1またはグループDM内のメンバー専用のおすすめリールフィードを作成できる機能です
各メンバーの興味関心に基づいて、AIがリールをキュレーションし、日次更新されます
利用はDMからの招待制で、参加はオプトイン。退出もいつでも可能です
段階的ロールアウトのため、「アプリを更新してもまだ使えない」ケースが当面発生し得ます
企業・ブランドアカウントにとっては、**マスリーチよりも“関係性の深いファンとの視聴体験”**を設計するための機能と捉えるのが現実的です
ブレンドは「DM内のメンバー専用リールフィード」機能
ブレンドの基本イメージ
ブレンド機能を一言で表すと、「DMチャットに参加しているメンバーだけで共有される、おすすめリール専用フィード」です。
公式発表によると、Instagramは2025年4月に、自分と友達専用のリールフィードを作成できる新機能「ブレンド(Blend)」をローンチしました。
主なポイントは次のとおりです。
対象:1対1のDM、または複数人のグループDM
参加方法:DMから招待制(オプトイン)
内容:参加メンバーそれぞれにおすすめされるリール動画+共通の興味関心に基づくリール
表示場所:DM内のブレンド画面(通常のリールタブとは別)
コミュニケーション:リールへのコメントやリアクションは、そのままDMチャットに投稿される
DMに紐づく機能であるため、通常のフィードやリールタブを眺めているだけでは登場しません。
どのようにおすすめが決まるのか
メディアの報道によれば、ブレンドでは、各メンバーの興味関心に基づくおすすめリールに加えて、共通の趣味に関するコンテンツなどが自動的にミックスされます。
つまり、
自分専用の「おすすめリール」
相手(友達)にとっての「おすすめリール」
二人またはグループ全員が興味を持ちそうなリール
が一つのフィードにまとめて表示されるイメージです。
従来のリール共有・コラボ投稿との違い
ブレンドは、既存のいくつかの機能と混同されやすいので、整理しておきます。
| 機能 | 主な用途 | 公開範囲 | 場所 |
|---|---|---|---|
| リールの共有(DM) | 気になったリールを友達に送る | 送信したDMの相手のみ | DM |
| コラボ投稿 | 複数アカウントで1つの投稿を共有 | すべての共同投稿者のフォロワー | フィード / リール |
| ブレンド | DMメンバー間でおすすめリールを共有閲覧 | 対象DMチャットのメンバーのみ | DM内のブレンド画面 |
コラボ投稿はリーチ拡大を目的にした「公開投稿」向き
ブレンドは「DM内の限定メンバーで楽しむ視聴体験」向き
と捉えると分かりやすいです。
インスタのブレンドの使い方【作成・参加・退出】
ここからは、実際の操作イメージを手順形式で整理します。
※画面表示はアプリのバージョンやテスト状況によって変わる可能性があります。
ブレンドを利用するための前提条件
ブレンドを使うには、以下の条件を満たしている必要があります。
Instagramアプリが最新バージョンに近いこと
対象チャットが1対1のDMまたはグループDMであること
アカウントや地域に対してブレンド機能のロールアウトが完了していること(段階的な提供)
アプリを最新に更新しても、まだ一部ユーザー・一部チャットでしか利用できない状態である点は押さえておくべきです。
ブレンドを作成・招待する手順
一般的な手順は次のとおりです。
Instagramアプリでブレンドを使いたいDMチャット(1対1 or グループ)を開く
画面右上に表示されるブレンドアイコンをタップ
「招待する」などのボタンをタップして、チャットのメンバーをブレンドに招待
1対1の場合:相手が参加するとブレンドが有効化
グループの場合:メンバーのうち少なくとも1人が参加すると、ブレンドのフィードが表示される
以降は、DM内のブレンドアイコンまたは専用タブから、いつでもブレンドのリールを閲覧できます。
ブレンドを閲覧する方法と更新タイミング
ブレンドが有効なチャットでは、DM画面からブレンドを開くことで、メンバー向けにキュレーションされたおすすめリールが一覧表示されます。
表示されるリールは日次で更新されると案内されており、継続的に新しいコンテンツが供給される設計です。
リールをタップして再生すると、画面下部のバーからコメントやリアクションを送信でき、その内容はチャットに直接投稿されます。
ブレンドから退出・通知を止める方法
「ブレンドには一度参加したけれど、やっぱり抜けたい」というケースも考えられます。
ブレンドの設定メニューから退出を選ぶことで、いつでも参加をやめることができます。
DMの通知そのものが気になる場合は、従来どおりチャットの通知オフ設定も併用してください。
退出しても、通常のDM機能自体はそのまま利用できます。
ブレンドが使えない・表示されないときのチェックリスト
「最新機能を使ってみたいのに、そもそもブレンドアイコンが出てこない」という相談は今後しばらく続きそうです。
SNS担当者として社内から質問を受けたときに備え、チェック項目を整理しておきます。
チェック1:アプリのバージョン
App Store / Google PlayでInstagramアプリが最新になっているか
企業端末の場合、MDM管理などでアップデートが制限されていないか
チェック2:チャットの種類
ブレンドはDMチャット(1対1・グループ)に紐づく機能です
ビジネスチャットや他サービスとは連携していません
「対象のチャットを開いたときにブレンドアイコンがあるか」を必ず確認します
チェック3:段階的ロールアウトの影響
Metaは、ブレンド機能を一部のチャットから段階的に提供していると説明しています。
そのため、
アカウントAでは見えるが、アカウントBではまだ見えない
同じアカウントでも、チャットXでは表示されるが、チャットYでは表示されない
といった状況が当面発生し得ます。
この場合、ユーザー側でできる対処は限られており、しばらく様子を見るしかないケースもある点を、社内説明資料などに明記しておくとよいでしょう。
チェック4:ビジネスアカウント特有の制限
現時点で「ビジネスアカウントは一切利用不可」という情報は確認されていませんが、テスト対象や提供タイミングがアカウント種別によって異なる可能性はあります。
ビジネス・クリエイター・個人アカウントで挙動が異なる場合は、社内で検証した結果をナレッジとして残しておくとよいでしょう。
個人利用で知っておきたいメリットと注意点
個人利用のメリット
一般ユーザーが友達と楽しむという観点では、ブレンドには次のような利点があります。
DMでいちいちリールリンクを送らなくてよい
共通フィード上で流れてくるので、「これ見た?」という共有がスムーズ
友達のおすすめから新しいジャンルを知るきっかけになる
自分のタイムラインには出てこないタイプのリールに触れられる
視聴と会話が同じ場所で完結する
リールを見ながら、そのままDMで盛り上がれる
注意点:プライバシーと心理的ハードル
一方で、プライバシー・心理的な注意点もあります。
おすすめリールは、ユーザーの視聴履歴やエンゲージメントに基づいていると考えられます
ブレンドに参加すると、自分の趣味嗜好の一部が友達に可視化される可能性があります
趣味が大きく違う相手や、仕事関係の相手とのブレンドでは、「見られたくない動画」が流れる不安を感じる人もいるでしょう
したがって、個人利用では、気心の知れた友達・価値観の近いグループとの利用に絞るのが無難です。
企業・ブランドアカウントのためのブレンド活用アイデア
ここからは、SNS担当者向けに「ビジネス目線でどのように活用できるか」を整理します。
前提:マスリーチではなく「関係性の深さ」を重視する機能
ブレンドは、コラボ投稿や広告のように大量の新規ユーザーにリーチするための機能ではありません。
参加メンバーはDMグループ単位で限定
表示されるのは、そのグループ内のリール
という性質上、目的は「ファンとの距離を縮める」「コミュニティ内での視聴体験を良くする」方向になります。
活用アイデア1:ファンコミュニティ向け「クローズド視聴会」
公式アカウントと熱量の高いファンでDMグループを組成
キャンペーン参加者やコミュニティメンバーを招待し、ブレンドを活用
新作商品のティザーリールや、舞台裏コンテンツなどを共有し、「ここだけの視聴体験」を提供
KPI例:
グループ数・参加人数
ブレンド内リールの視聴完了率
DM内リアクション数・メッセージ数
活用アイデア2:インフルエンサーやアンバサダーとの共同視聴
ブランドとインフルエンサー・アンバサダーが共同で参加するDMグループを作成
コラボリールをブレンド経由でファンと一緒に楽しめる場を提供
インフルエンサーが「このブレンドで面白かったリール」を紹介するといった企画も考えられます
これにより、インフルエンサー施策を「見るだけ」から「一緒に楽しむ体験」に拡張することができます。
活用アイデア3:教育・ナレッジ共有型コンテンツ
BtoB企業が、顧客向けDMグループ+ブレンドで「How-toリール」を定期的に共有
社員向けのクローズドグループで、自社のSNS運用ナレッジや成功事例をまとめて視聴
社外・社内どちらにも応用可能なパターンです。
やりすぎを防ぐための運用ルール例
企業アカウントでブレンドを使う際は、以下のようなルールを決めておくと安全です。
DMグループ・ブレンドの新設は明確な目的がある場合に限定する
招待は「希望者のみ」「許諾を得たユーザーのみ」を基本とする
1つのユーザーを複数のブレンドに重複招待しない
キャンペーン終了後は、グループ継続の有無を事前に説明しておく
今後のアップデート動向と、SNS担当者が押さえるべきポイント
Reels中心UI・「友達」タブとの関係
Metaは2025年以降、Reelsを中心としたUIや、友達のアクションやブレンドからのおすすめが見られるタブを導入するなど、「友達とのつながり」を強化する方向のアップデートを続けています。
ブレンドも、こうした流れの一部として位置づけられる機能です。
アルゴリズムによるおすすめ(興味ベース)
友達のアクション(ソーシャルシグナル)
ブレンドなどの共同視聴体験
これらが組み合わさることで、「友達が絡むリール体験」が今後さらに重視されていくと考えられます。
「テスト機能」に振り回されないために
Instagramは新機能やUI変更をテスト的に導入するケースが多く、地域やアカウントによって表示内容が異なることも珍しくありません。
SNS担当者としては、
「テスト中の仕様はすぐ変わる前提」として捉える
新機能ありきではなく、「既存施策の目的に合うかどうか」で採用を判断する
社内説明資料には、時点情報であること・仕様変更の可能性を必ず明記する
といったスタンスを取るのがおすすめです。