オンラインFPSを遊んでいると、ボイスチャットやテキストで飛び交う「芋」「芋る」「芋砂」という言葉。
なんとなく悪口っぽい雰囲気は感じるものの、「具体的にどういう意味なのか」「自分も芋だと思われていないか」と不安に感じたことはないでしょうか。
本記事では、「芋」「芋る」の言葉の由来から、FPSにおける具体的な行動パターン、守りプレイとの違い、なぜ嫌われやすいのかといった背景までを丁寧に整理します。
さらに、芋プレイへの対処法や、味方に不満を持ったときの伝え方、自分が芋と言われないための立ち回りのコツも解説します。
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FPSで「芋」「芋る」とは?基本の意味と由来
「イモる」の元々の意味と日常会話での使われ方
「イモる」という言葉は、もともとゲーム用語ではなく俗語として使われてきた表現です。
日常会話では、次のような意味合いがあります。
怖気づいて行動できなくなる
緊張して実力を出せない
おどおどしてしまう、消極的になる
たとえば「プレゼン本番でイモって全然話せなかった」のように、ここ一番で守りに入りすぎてしまう様子を表す言い方です。
また、「イモい服装」「イモっぽい」などと言う場合は、「垢抜けない」「田舎っぽい」といった、ややからかいを含んだニュアンスで使われることもあります。
FPSにおける「芋」「芋る」の定義
FPS(ファーストパーソン・シューター)やTPSなどオンラインシューティングゲームで「芋」「芋る」と言うとき、多くの場合は次のような行動を指します。
マップの一箇所からほとんど動かず、敵が来るのを待ち続ける
自分が撃たれにくい安全なポジションにこもり続ける
前線に参加せず、味方に比べて極端に後ろで戦い続ける
つまり、「過度に守りに寄りすぎた待ちプレイ」「消極的すぎる待ち伏せ」といったイメージです。
ゲームによって細かなニュアンスは異なりますが、「動かなさすぎ」「チームに貢献していないように見える待ちプレイ」が「芋」と呼ばれやすいポイントです。
芋砂・芋スナとは?スナイパーと芋の関係
「芋砂(いもスナ)」「芋スナ」という言葉もよく使われます。これは、
「芋(芋る)」+「スナイパー(スナ)」
を組み合わせたスラングです。
典型的な芋砂のイメージは、次のようなものです。
強ポジ(見晴らしが良く、一方的に射線を通しやすい場所)に登る
そこからほとんど動かずにスナイパーライフルで遠距離射撃だけを続ける
味方が前線で撃ち合っていても、位置を変えず安全な場所に居続ける
スナイパー自体は「後方からカバーする役割」ですので、待って撃つこと自体は役割の一部です。
しかし「試合の目的に絡まない」「味方のカバーをしない」「自分だけ安全」という状況になると、否定的な意味で「芋砂」と呼ばれやすくなります。
キャンプ・角待ちとの違いと重なり
「芋」とよく似た言葉に、次のような用語があります。
キャンプ(camp)
有利なポジションに留まり、敵を待ち伏せするプレイ全般
角待ち
曲がり角・扉の裏・細い通路の奥など、通り道の「角」で敵を待ち伏せするプレイ
実際には、
「芋」「キャンプ」「角待ち」がほぼ同じ意味で使われることも多い
文脈によっては、完全に言い換え可能な場合もある
というのが現状です。
ただし、ニュアンスとしてはおおまかに次のように整理できます。
「芋」:
動かない・臆病・チームに貢献していないという否定的イメージが強い
「キャンプ」:
戦術としての待ち伏せ全般。必ずしも悪い意味とは限らない
「角待ち」:
場所(角・曲がり角・扉の裏など)が具体的な待ち伏せ
このような違いを知っておくと、会話の意図を理解しやすくなります。
具体的にどんな行動が「芋」扱いされるのか
よくある芋プレイの例(位置取り・動き方)
実際の試合で「芋っている」「あの人芋だな」と言われやすいのは、たとえば次のような場面です。
リスポーン地点に近い建物や高所にこもり、試合終了までそこからほぼ動かない
味方が前線で撃ち合っているのに、自分だけマップの端から遠距離射撃だけしている
爆弾設置・エリア確保などのルールで、目的地に近づかずに安全地帯から撃つだけ
敵の来るルートがほぼ一方向しかない場所で、その角だけをずっと見続ける
共通しているのは、
「自分がやられないこと」を最優先にしている
「試合の目的」や「味方の負担」をあまり考えていないように見える
という点です。
普通の守りプレイとの境界線
一方で、「守る=全部芋」ではありません。
チームにとって必要な守り行動も多数存在します。
たとえば、
敵のラッシュが予想されるルートを事前に見張る
拠点や爆弾周辺を守るために、一定範囲を固める
人数不利になった終盤で、無理に前へ出ない選択を取る
これらはチームのための守りであり、通常は芋とは呼ばれません。
境界線の目安は、次のように考えると分かりやすいです。
守りプレイ
チームの勝利条件(拠点防衛・人数管理など)に貢献している
状況に応じてポジションや視点を変え、味方と連携を取ろうとしている
芋プレイ
自分だけ死なないこと・キルレを守ることが主目的になっている
試合展開が変わっても、ほぼ同じ場所から動かない
ゲームモード別(目標ルール/殲滅戦)での評価の違い
「芋」がどれくらい嫌がられるかは、ゲームモードによっても変わります。
目標ルール(爆弾設置、エリア占拠、旗取りなど)
目的地に絡まない芋は、強く不満を持たれやすいです
「エリアに入らず遠くから撃つだけ」「設置も解除もせず見ているだけ」などは、味方の負担が大きくなります
殲滅戦・チームデスマッチ
キルをしっかり取れている守り寄りのプレイであれば、戦術として許容される場合もあります
ただし、動きが少なすぎると「試合がダラダラして面白くない」と感じるプレイヤーも多くなります
同じ行動でも、「どのルールか」「チームが何を求めているか」によって評価が変わる点は意識しておく必要があります。
ランクマッチとカジュアルでの温度差
ランクマッチとカジュアルマッチでも、「芋」に対する感じ方は異なります。
ランクマッチ
勝敗やランクポイントがかかるため、慎重な守りが評価される場面も多いです
チームに貢献している範囲であれば、「リスクを抑えた立ち回り」として受け入れられやすいです
カジュアルマッチ
「気軽に撃ち合いを楽しみたい」「テンポよく試合を回したい」という意識が強いプレイヤーも多いです
そのため、同じような守りプレイでも「動かなすぎてつまらない=芋」と感じられやすい傾向があります
どちらにも参加する場合は、「今は何を重視している部屋なのか」を意識して立ち回りを調整すると、トラブルが減りやすくなります。
「芋」が嫌われる主な理由
チームゲームとしての不利益(人数有利・エリア放棄など)
多くのFPSはチーム戦であり、勝つためには次のような要素が重要です。
前線の人数を揃える
重要なエリアを確保・維持する
情報を共有し、連携して動く
芋プレイが増えると、
前線の人数が足りず、撃ち合いで数的不利になりやすい
誰もエリアに入らないため、目標が取れない
敵の位置情報が共有されず、味方が一方的にやられやすくなる
といった形で、チーム全体の勝率を下げる要因になりがちです。
味方視点でのストレス要因
味方から見たとき、芋プレイヤーに対して感じやすいストレスは次のとおりです。
自分だけ前線でリスクを負っている感覚になる
スコアボードで芋プレイヤーだけデスが少なく、キルレだけは良く見える
にもかかわらず、芋プレイヤー本人が味方の動きを批判することがある
このような状況が重なると、「自分だけ安全圏から文句だけ言っている」と受け取られ、強い不満につながってしまいます。
敵視点・観戦者視点での不満
敵や観戦者の立場から見ても、極端な芋プレイは次のような理由で嫌がられがちです。
試合の展開が遅くなり、ダラダラした展開に感じられる
芋ポジションを一つずつ探して潰す作業が増え、ストレスを感じる人もいる
観戦や配信では、動きが少ないシーンが長く続き、見応えに欠ける
当然ながら、戦術としての待ち伏せや守りが悪いわけではありません。
問題になりやすいのは、「試合全体が停滞するほど極端な芋」になってしまった場合です。
ルール違反ではないがマナーとして嫌がられるライン
大前提として、「芋プレイ」はほとんどのゲームで規約違反ではありません。
運営に禁止されている行為ではなく、ペナルティが課されるわけでもありません。
ただし、
チームゲームのバランスを崩しやすい
他のプレイヤーの楽しさを損ないやすい
という理由から、「やり過ぎるとマナー的に嫌がられやすい行動」として認識されているのが実情です。
そのため、「完全に悪」「絶対にやってはいけない」と決めつける必要はありませんが、「周囲の楽しさも考えて控えめにする」という意識は持っておくと安心です。
上手な芋戦法と、そうでない芋プレイ
チームに貢献する「守りポジション」の取り方
同じ「待つ」行動でも、チームに貢献しているかどうかで評価は大きく変わります。
守りポジションを取る際は、次の点を意識するとよいです。
自分が担当するエリアやルートを、チーム内である程度共有しておく
1箇所を固定で見続けるのではなく、定期的に周囲を確認し、情報を集める
敵が見えたら、すぐに味方に位置・人数・進行方向を伝える
こうした動きができている場合、「安全な場所にいる人」ではなく「チームを支える守り役」として見られやすくなります。
情報共有やカバーを意識した待ち方
待つプレイをするときは、「キルを取る」だけでなく「情報とカバーを提供する」という意識を持つことが重要です。
たとえば、
「右側通路は自分が見ています」と最初に伝える
「2人右に流れました」「1人引きました」など、見えた情報を小まめに報告する
味方の銃声が聞こえたら、すぐにカバーできる位置に少し前進する
このように、味方の行動に合わせて自分の待ち方を調整していくと、同じ守りプレイでもチームの評価は大きく変わります。
一時的に「芋る」ことが有効な場面の例
逆に、「一時的な芋」が有効な局面もあります。代表的な例は次のとおりです。
味方が大きく削られ、体勢を立て直す必要があるとき
ラウンド終盤で人数有利を取っており、無理に前に出る必要がないとき
爆弾設置後やエリア確保後に、敵のカウンターを待ち構えるとき
こうした状況では、「無闇に前に出ず、一度ラインを下げる」「敵の動きを待つ」という選択が正解になることも多いです。
ポイントは、「状況が変わったら自分の立ち位置も変える」という柔軟さです。
「キルレだけを守る芋」にならないための考え方
芋プレイが嫌われがちな根本には、「キルレだけを守っているように見える」という問題があります。
これを避けるために、次の考え方を意識してください。
スコアボードのK/Dだけではなく、ラウンド勝利数・目標への関与を重視する
時にはリスクを取って前へ出ることも、チームのための仕事だと捉える
自分が生き残っても、味方が全滅していれば有利にはなっていないと理解する
この意識があるだけでも、「ただの芋」ではなく「勝ちを意識した守りプレイヤー」に近づくことができます。
芋プレイへの対処法とコミュニケーション
敵に芋が多いときの立ち回り・対策
敵チームに芋プレイヤーが多い場合は、単に怒るのではなく、「どう攻略するか」に切り替えるとプレイが楽になります。
具体的には、次のような対策が有効です。
グレネード・スモーク・フラッシュ・設置スキルなどで芋ポジションを炙り出す
一方向からだけ詰めるのではなく、複数ルートから同時にプレッシャーをかける
敵が顔を出してくるタイミングをずらし、撃ち合う瞬間を限定する
よく使われる芋ポジションをチームで共有し、ラウンド序盤に警戒する
「芋だから卑怯」と考えるより、「こういうスタイルの敵にどう勝つか」と捉え直すことで、冷静な対策が取りやすくなります。
味方に芋が多いときにできること
味方に芋プレイヤーが多いとき、感情的に責めても状況は改善しにくいです。
代わりに、次のような対応を検討してください。
自分が前線の役割を引き受け、芋気味の味方を「後方火力」として利用する
「前線人数が少ないので、もう一人一緒に前出てもらえると助かります」と、提案ベースで声をかける
どうしても合わないスタイルの部屋であれば、無理に合わせるよりロビーを変える
味方のプレイスタイルは基本的に変えられないと割り切り、「その中で自分ができること」を考える方が精神的にも楽です。
「芋」と言わずに動きを促す声かけの例
「芋るな」「芋ってるだろ」と直接言うと、どうしても攻撃的な表現になりがちです。
トラブルを避けるためには、次のような言い方が比較的穏やかです。
「前線の人数が足りないので、どなたかもう少し前寄り見てもらえますか?」
「B側誰も見ていないので、一緒に見てもらえると助かります」
「エリア踏める人が少ないので、自分と一緒に入ってくれる方いますか?」
このように、「あなたが悪い」のではなく「チームとしてこうしてほしい」という形で伝えることがポイントです。
自分が「芋」と言われたときの受け止め方
自分が「芋」と言われたときは、次の順番で考えてみると整理しやすくなります。
ルール違反をしていないか確認する
放置・チート・意図的な妨害などをしていないかをまず確認します。
チームの勝利条件に関われているか振り返る
エリアに一度も絡んでいない、毎回一番後ろにいる、など極端になっていないか見直します。
次のラウンドで少しだけ前寄りの位置を試す
一気にスタイルを変える必要はありませんが、「一歩だけ前へ出る」ことを試してみる価値はあります。
なお、明らかな暴言・人格否定の場合は、真に受けて気にしすぎる必要はありません。
ミュートや通報機能を活用しつつ、「参考になる部分だけ拾う」と割り切ることが大切です。
自分は芋?チェックリストとまとめ
芋と思われやすい行動チェックリスト
次のチェック項目のうち、当てはまるものが多いほど「芋」と見なされやすくなります。
1試合を通して、ほぼ同じ建物・同じ角から動かない
爆弾設置・エリア確保系のルールで、目的地にほとんど近づかない
スコアボードでデスは少ないが、目標スコア(エリア滞在時間など)が極端に少ない
味方から「前線人数が足りない」と指摘されても、ポジションを変えない
敵に裏を取られてもポジションを変えず、同じ方向だけ見続ける
複数当てはまる場合は、次の試合から少しずつ次のような変更を試してみてください。
ラウンド途中でポジションを1〜2回ほど変えてみる
味方と一緒に前へ出るタイミングを作る
目標ルールでは、1ラウンドに1回は目的地に絡む動きを入れてみる
これだけでも、周囲からの見え方は大きく変わります。
初心者がまず意識したい3つのポイント
FPS初心者の方は、細かいことを考えすぎるより、まず次の3点を意識していただくとよいです。
ルールの目的に絡む
「敵を倒すだけ」でなく、「エリアを取る」「爆弾を設置・解除する」といった目的を意識します。
味方の位置を見る
ミニマップなどで味方の位置を確認し、「自分だけ極端に後ろにいないか」を随時チェックします。
同じ場所に居続けない
1ラウンド中、最低1回はポジションを変えてみるよう意識します。
この3つを守るだけでも、「極端な芋」からはかなり離れることができます。
言葉に過敏になりすぎないための心構え
オンライン対戦では、感情的な発言やきつい言葉が飛ぶことがあります。
「芋」という言葉も、冷静な指摘ではなく、イライラを込めて使われるケースが少なくありません。
まずは、自分のプレイを冷静に振り返り、改善できそうな点があれば取り入れる
ただの暴言・煽りであれば、真正面から受けずミュートや通報で対処する
完璧な動きは誰でもできないので、「試合ごとに少しずつ良くなれば良い」と考える
このような心構えを持つことで、精神的な負担を減らしながら上達を目指しやすくなります。
まとめ:芋の意味を知って、気持ちよくFPSを楽しむ
本記事では、「FPS 芋 意味」というテーマをもとに、
「芋」「芋る」「芋砂」の基本的な意味と由来
実際にどのような行動が芋と呼ばれやすいのか
なぜ芋プレイが味方・敵・観戦者から嫌がられやすいのか
戦術として有効な守りと、行き過ぎた芋プレイとの違い
芋プレイへの対処法や、トラブルを避けるためのコミュニケーション
といったポイントを整理しました。
「芋」はルール違反ではありませんが、チームゲームである以上、周囲のプレイヤーの楽しさにも影響する行動です。
言葉の意味と背景を理解しつつ、
ルールの目的に絡む
味方との人数バランスを意識する
同じ場所に居続けない
といった基本を押さえることで、「芋」と呼ばれてしまう場面は大きく減らせます。