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お金を貸した相手が音信不通…警察は動く?正しい対処とNG行為

「友人にお金を貸したまま連絡がつかない」「ネットで知り合った相手に送金したら音信不通になった」「警察に行けば何とかしてくれるのだろうか」。こうした不安や怒りを抱え、Yahoo!知恵袋などで似たような相談を探し続けている方は少なくありません。
信じてお金を貸した相手と突然連絡が取れなくなると、「裏切られた」という気持ちと「このまま泣き寝入りなのか」という焦りで、冷静に考えることが難しくなってしまいます。

しかし、感情のままに「会社に乗り込む」「SNSで晒す」といった行動を取ると、今度は自分が加害者として警察や法的トラブルの対象になってしまうおそれもあります。
本記事では、「お金を貸した相手が音信不通になったとき」に知っておきたい基本知識を整理しながら、警察が動くケースと動かないケースの違い、現実的なお金の回収ステップ、そして絶対に避けるべきNG行為まで、順を追って分かりやすく解説いたします。
今まさに不安の中にいらっしゃる方が、少しでも冷静に次の一歩を選べるようになることを目指しています。

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この記事のまとめ

お金を貸した相手と連絡が取れなくなると、「警察に被害届を出せば解決するのでは」「詐欺として捕まえてほしい」と考えたくなるのは自然なことです。
ただし、個人間の金銭トラブルの多くは民事上の問題とされ、警察が積極的に介入する場面は限られています。
一方で、証拠を整理し、丁寧な催促や内容証明郵便、必要に応じた弁護士相談・少額訴訟など、民事の枠組みの中で取り得る選択肢は決して少なくありません。

大切なのは、「感情に任せて相手を追い詰めること」ではなく、「合法的で現実的な範囲で、どこまで対応するか」を自分なりに決めることです。
勤務先への執拗な連絡やSNSでの晒し行為などは、相手の行為とは別に、あなた自身が名誉毀損や業務妨害などに問われるリスクがあります。
今回の出来事はつらい経験かもしれませんが、証拠の残し方やお金の貸し方を見直すきっかけにもなります。

目次

「お金を貸した相手が音信不通」焦って行動する前に整理したい3つのポイント

次の3点を一度整理しておくと、このあとの方針が決めやすくなります。

  1. 証拠はどれくらいあるか

    • 振込明細・通帳の記録

    • 借用書・念書・契約書

    • LINE・メールなどで「貸してほしい」「返す」「返済期日は◯日」などと書かれたやり取り

  2. 金額の大きさ

    • 数万円なのか、数十万円〜それ以上なのか

    • 裁判費用や労力に見合うかどうかの判断材料になります。

  3. 相手の状況がどこまで分かるか

    • 住所・勤務先・家族の連絡先などを把握しているか

    • ネット上のハンドルネームしか知らないのか

これらを整理したうえで、「警察」「弁護士」「少額訴訟などの手続き」「ある程度で諦める」という選択肢を比較していくことになります。


警察は動いてくれる?金銭トラブルと「民事不介入」の基本

お金を返さないだけでは基本的に「民事トラブル」になる理由

個人間のお金の貸し借りは、法律上「金銭消費貸借契約」という契約で、約束どおり返してもらえない場合は、基本的に民法に基づく債務不履行の問題=民事トラブルとされています。

警察は原則として民事事件に介入しない、という「民事不介入」の考え方があります。そのため、

  • 「貸したお金を返してくれない」

  • 「期限を過ぎても返済がない」

といった事情だけでは、警察が積極的に動いてくれることは多くありません。

詐欺罪として警察が動く可能性があるケース・ないケース

「返す気がないのにお金を借りたなら詐欺だ」とよく言われますが、詐欺罪が成立するかどうかは非常にハードルが高いとされています。

  • 詐欺罪が問題になり得るケースの例

    • 最初から返すつもりがなかったことをうかがわせる事情がある
      (最初から連絡先や勤務先を偽っていた、同じ手口を繰り返している など)

    • 架空の投資話や、明らかな嘘の理由(存在しない治療費など)でお金を出させた

  • 詐欺罪になりにくいケースの例

    • 当初は返すつもりがあったが、途中から返せなくなった

    • 収入が途絶えた・浪費してしまった など、単に返済能力がなくなっただけと思われる場合

警察に相談すること自体はできますが、事件として捜査が進むかどうかは別問題であり、「被害届を出せばお金が戻る」とは限りません。

被害届や相談に行く前に準備しておきたい情報

警察に相談する場合でも、次のような情報が整理されていると話がしやすくなります。

  • 相手の氏名・住所・連絡先・勤務先など

  • 貸した日時・金額・返済期日

  • お金を渡した経緯(振込記録・現金手渡しなど)

  • 借用書やLINEなどのやり取り(スクリーンショット・印刷など)

そのうえで「これは民事事件なので、弁護士に相談してください」と案内されることも少なくありません。


警察より先にやるべきこと:証拠集めと連絡のしかた

「貸した」と認めてもらうために有効な証拠・微妙な証拠

有力な証拠になりやすいもの

  • 銀行振込明細・通帳の記録(「◯◯さんへの貸付金」とメモがあるとより良い)

  • 借用書・念書・金銭消費貸借契約書

  • LINEやメールでのやり取りで、相手が

    • 「お金を貸してほしい」と依頼している

    • 「◯日までに返す」と返済を約束している

    • 「返せてなくてごめん」「返す」といった返済意思を認めている

証拠として弱くなりがちなもの

  • 現金手渡しのみで、第三者の立会いも書面もない

  • 「立て替えておいて」「後で払う」など曖昧な表現だけのやり取り

証拠の有無は、後で民事手続き(少額訴訟など)に進むかどうかの判断にも直結します。

LINE・メールでの催促文例(角を立てずに請求する)

相手が音信不通になり始めたとき、最初から強い言葉で責めると、さらに連絡が途絶えてしまうこともあります。初期段階では、次のような丁寧な文面から始めるのが無難です。

例)初回の催促メッセージ
「◯◯さん
先日は◯月◯日に◯万円をお貸ししており、返済期日を◯月◯日とお約束していました。
その後ご連絡がなく心配しています。
ご事情がある場合は、分割なども含めて相談したいので、◯日までに一度ご連絡いただけますか。」

例)期日後の再度の催促
「前回のメッセージの通り、◯月◯日までのご連絡をお願いしていましたが、まだお返事がありません。
このままご連絡がいただけない場合は、内容証明郵便の送付や法的な手続きも検討せざるを得ません。
できれば話し合いで解決したいと考えていますので、◯日までにご連絡をお願いします。」

脅迫的な表現(「会社に言いふらす」「家族にばらす」など)は、逆にこちらが違法行為と評価される可能性があるため避けてください。

内容証明郵便で催告するときのポイントと注意点

連絡をしても反応がない場合、内容証明郵便で正式に返済を求める方法があります。内容証明は「いつ・どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が証明してくれる制度で、後の裁判等で「返済を請求した事実」の証拠になります。

  • 記載すべき主な項目

    • いつ・いくら貸したのか

    • 約束していた返済期日

    • いつまでに・どのような方法で返済してほしいか

    • 期日までに返済がない場合は、法的措置を検討する旨

  • 注意点

    • 感情的な文言や、事実でないことは書かない

    • 相手の住所が不明な場合は送ることが難しい

    • 自分で作ることもできますが、不安な場合は弁護士や司法書士に相談すると安心です

内容証明での催告には、時効を一時的に止める(完成猶予)効果もあると解説されることが多く、長期間返済がない場合には早めに検討する価値があります。


それでも返ってこないときの法的手段と現実的な回収可能性

弁護士に相談した場合にできること(交渉・訴訟・差押えなど)

証拠が一定程度そろっており、金額も小さくない場合は、弁護士に相談することが現実的な選択肢になります。

弁護士が関わることで、次のような対応が期待できます。

  • 法的根拠に基づいた内容証明や催告書の作成

  • 相手方との交渉(分割払い・和解条件の調整など)

  • 少額訴訟や通常訴訟の提起

  • 勝訴判決を得た後の財産調査・差押え手続き

ただし、弁護士費用が発生するため、「貸した金額」と「回収できる見込み」を天秤にかける必要があります。数万円程度の場合、費用倒れになる可能性もあることは理解しておいた方がよいでしょう。

少額訴訟・支払督促の仕組みとメリット・デメリット

一定額以下(60万円までが目安)の請求であれば、少額訴訟という簡易な裁判手続きが利用できる場合があります。また、裁判所を通じて「支払督促」を申し立てる方法もあります。

  • メリット

    • 通常訴訟より手続きが簡単で、比較的短期間で結果が出やすい

    • 判決や支払督促が確定すれば、相手の財産に対する強制執行(差押え)に進むことも可能

  • デメリット

    • 相手の住所や氏名が分からないと利用できない場合が多い

    • 判決や支払督促を得ても、相手に財産や収入がなければ、実際のお金は回収できない

    • 手続きに一定の時間と手間がかかる

「裁判に勝てるか」と「勝っても回収できるか」は別問題である点に注意が必要です。

判決を取っても回収できないケースと、諦めを検討するライン

法律相談サイトなどでも、「裁判しても結局1円も回収できない場合もある」という指摘がよく見られます。

  • 相手に財産・収入がほとんどない

  • 相手が自己破産してしまった

  • 住所や勤務先が分からず、差押えのしようがない

こうしたケースでは、判決や和解調書を取れたとしても、実際の回収は難しいのが現実です。金額・相手の属性・自分の精神的負担なども含め、「どこまで追いかけるか」「どこで区切りを付けるか」を考えることも大切です。


絶対に避けたいNG行為:あなたが「加害者」にならないために

勤務先や家族への執拗な連絡が招くトラブル

相手が連絡に応じないと、「会社に電話してやる」「家族に言いふらしてやる」と考えたくなるかもしれません。しかし、勤務先へ何度も電話をかけたり、押しかけたりすると、会社の業務を妨害したと評価され、威力業務妨害にあたる可能性があります。

また、家族や同僚に「◯◯さんはお金を返さない人だ」と事実関係を誇張して話すと、名誉毀損が問題になるおそれもあります。

SNSや口コミサイトでの晒し・悪口と名誉毀損のリスク

X(旧Twitter)やInstagram、口コミサイトなどで、相手の実名や顔写真を出しつつ「お金を返さない」「詐欺師だ」などと投稿すると、名誉毀損・プライバシー侵害に該当するリスクがあります。

仮に相手がお金を返していない事実があったとしても、その表現の仕方や文脈によっては違法と評価され得ます。「相手が悪いのだから何をしてもいい」という考えは危険です。

怒りでエスカレートしやすい行動と、違法になるボーダーライン

次のような行為も、状況によっては違法と判断される可能性があります。

  • 深夜・早朝に何度も電話やメッセージを送りつける

  • 「返さないなら職場に押しかける」「家族にばらす」などと脅す

  • 自宅前で待ち伏せする・つきまといを繰り返す

これらは、脅迫・恐喝・ストーカー規制法違反などに発展するおそれがあります。怒りをぶつけたくなる気持ちは自然ですが、「お金を取り戻す」どころか、こちらが警察の対象になるリスクを高めてしまいます。


どこまで追いかけるか?費用対効果と今後の予防策

金額・証拠・相手の属性から考える「ここまでやる/ここで諦める」

どこまで行動すべきかは、次の3つを軸に考えると整理しやすくなります。

  1. 金額の大きさ

    • 数万円程度:裁判費用・時間・精神的負担を考えると、内容証明+αで区切りを付ける選択肢も現実的

    • 数十万円〜それ以上:弁護士相談や少額訴訟を本格的に検討する価値が高い

  2. 証拠の強さ

    • 振込記録+借用書+やり取りの履歴が揃っている → 法的手段を取りやすい

    • 口約束のみ → 回収難易度が高く、費用倒れの可能性が高い

  3. 相手の支払い能力・所在

    • 住所・勤務先が分かり、継続的な収入がありそう → 判決後の差押えも視野に入る

    • 所在不明・収入不安定 → 判決を取っても実際には回収できないリスクが高い

これらを踏まえ、「ここまでは冷静にやる、その先は精神的負担も考えて諦める」といったラインを自分なりに決めることが大切です。

今後同じ失敗をしないためのルール作り(借用書・送金メモなど)

今回の経験がつらいものであったとしても、今後の予防策につなげることはできます。

  • 個人にお金を貸すときは、簡単でもよいので借用書を作る

  • 振込の際は、振込名義やメモ欄に「貸付金」「立替金」などの名目を残す

  • 返済計画(期日・分割回数など)を、LINEやメールで文字にして残す

これだけでも、トラブルになった際の「証拠の強さ」が大きく変わります。

どうしても割り切れないときに相談できる窓口

「どうしても諦めきれない」「自分のケースで何がベストなのか判断できない」という場合は、次のような窓口の利用も検討してください。

  • 弁護士会の法律相談(有料・無料のものがあります)

  • 法テラスなどの公的な法律相談窓口

  • 自治体が実施している無料法律相談・消費生活相談