本記事では、管理・音楽・読み上げ・チケット・統計など主要ジャンルのbotを用途別・サーバー規模別に体系的に整理しました。
初心者でも失敗しないbot選びの基準から、MEE6・Ticket Tool・Statbot・Jockie Musicなど定番botの特徴、導入手順、トラブル対処、権限設計の注意点まで、必要な情報を一つにまとめています。
「まずどのbotから入れれば良いか知りたい」「自分のサーバーに最適な構成を作りたい」「安全に運用するポイントを理解したい」——そんな方に向けて、この記事1本で“迷いなくbotを選べる状態”になることを目指して構成しております。サーバー運営の最適化に、ぜひお役立てください。
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まずはサーバーの目的・規模・運営体制を言語化する
用途×規模別の構成表を参考に、「最小構成」を決める
例:MEE6+音楽bot1つ+リマインダーbot1つ
サーバーの成長や運営負荷に応じて、Ticket Tool・Statbotなどを追加導入する
導入時には、権限設定と運用ルールを必ず確認・共有する
トラブルが起きたときは、チェックリストに沿って原因を切り分ける
Discord botのエコシステムや各サービスの仕様は、今後も頻繁に変化していきます。重要なbotを導入する際は、必ず公式サイト・公式ドキュメント・サポートサーバーの案内を確認し、最新の情報に基づいて設定・運用を行ってください。
Discordのbotとは?基本と主な種類
Discordのbot(ボット)とは、Discordサーバー上で自動的に動作するプログラムです。メッセージの管理、音楽再生、読み上げ、問い合わせ対応、統計取得など、人間が手作業で行うと負荷が高い作業を代わりに実行します。
主なジャンルは次のとおりです。
サーバー管理・モデレーション系(NGワード削除、招待管理、レベリングなど)
音楽・BGM系(ボイスチャンネルで音楽を再生)
読み上げ系(テキストチャンネルの内容を音声で読み上げ)
チケット・サポート系(問い合わせ・不具合報告の受付)
統計・分析系(メッセージ数やVC利用時間の可視化)
リマインダー・タスク管理系(予定の自動通知 など)
botを導入することで、運営作業の自動化・標準化が進み、コミュニティ運営に必要な手間を大きく削減できます。一方で、権限や設定を誤ると、想定外のメッセージ削除や情報漏えいにつながる可能性もあるため、基本的な概念を理解したうえで導入することが重要です。
Discord botを選ぶ前に整理しておきたい3つのポイント
bot選定に入る前に、次の3点を整理しておくと失敗が減ります。
サーバーの目的と運営スタイル
ゲーム友達とのボイスチャットが中心なのか
Web3・NFTやオンラインサロンのようなコミュニティ運営が目的なのか
企業・学校など半クローズドな業務連絡用途なのか
サーバー規模と成長スピード
〜50人、50〜300人、300人〜など、現状と想定規模
すぐに数百人規模になる予定があるかどうか
運営体制とセキュリティポリシー
運営メンバーは何人いるか
招待リンク・権限・ログの管理を誰が行うか
業務利用の場合、情報セキュリティ上のルールがあるか
これらを言語化しておくと、「とりあえず人気のbotを全部入れる」状態を避けられ、必要なものだけを計画的に導入できます。
用途別・サーバー規模別で見るおすすめDiscord bot全体像
まず全体像をつかむために、「用途×サーバー規模」で構成例を整理します。
| 用途 / 規模 | 〜50人 | 50〜300人 | 300人〜 |
|---|---|---|---|
| 管理・モデレーション | MEE6(基本機能のみ) | MEE6+ログ系機能/一部専用bot | MEE6+専用管理bot+ログ専用bot |
| 音楽・BGM | Jockie Music | Jockie Music(運営向け専用チャンネル用意) | 複数インスタンス運用・音楽bot2種構成 |
| 読み上げ | 簡易読み上げbot1つ | 読み上げbot+運営用読み上げチャンネル | 高品質読み上げbot複数+配信用設定 |
| チケット・サポート | 必要に応じてTicket Tool | Ticket Toolで問い合わせ窓口を一本化 | Ticket Tool+問い合わせカテゴリ細分化 |
| 統計・分析 | 不要〜簡易カウンター | Statbotまたはチャンネルカウンター系bot | Statbot+カウンターbot+外部ダッシュボード活用 |
| リマインダー等 | Reminder系bot | Reminder系bot+タスク管理bot | 複数のリマインダー・タスク管理botを厳選運用 |
あくまで一例ですが、「最小構成」「標準構成」のイメージを持つことで、入れ過ぎ・不足のバランスを取りやすくなります。
サーバー管理・モデレーション系のおすすめbot
MEE6:レベリングから自動モデレーションまでこなす定番多機能bot
MEE6は、Discordで最も普及している多機能botの1つで、以下のような機能を統合的に提供します。
自動モデレーション(NGワードフィルタ、スパム検知 など)
レベリング機能(発言量に応じてレベル・ロール付与)
ウェルカムメッセージ・離脱メッセージ
Twitch / YouTubeなどの配信・動画投稿通知
カスタムコマンド
一部統計・ログ機能 など
無料版と有料版の違い(概要)
無料版
基本的なモデレーション・レベリング・ウェルカムメッセージなどの多くを利用可能です。
有料版(サブスクリプション)
レベリング報酬の細かい設定、より高度な自動モデレーション、統計の拡張、複数サーバーでの高度な機能などが解放されます。
具体的な料金・機能は変更されることがあるため、利用前に必ず公式サイトのプラン説明を確認してください。
向いているサーバー
小〜中規模のゲーム・コミュニティサーバー
Web3コミュニティでの基本的なモデレーション・レベリング用途
「まず1つ多機能botを入れておきたい」というケース
注意点
権限設定を誤ると、意図しないメッセージ削除やロール変更が発生する可能性があります。
複数の管理botと同時にモデレーション機能を使うと、競合や二重対応が発生することがあるため、役割分担を決めて運用することを推奨いたします。
その他の定番管理bot(Carl-bot / Sapphire など)を選ぶときの目安
MEE6以外にも、ロールの自動付与、リアクションロール、細かなログ取得などに特化した管理botが多数存在します。
選定の際は、以下の観点を確認するとよいでしょう。
どの機能をMEE6で担い、どの機能を専用botに任せるか
リアクションロールやメッセージログをどの程度細かく取得したいか
日本語の解説記事やサポートコミュニティが存在するか
権限設計が分かりやすく、管理しやすいか
大規模サーバーでは、「モデレーションをMEE6」「細かいログ・リアクションロールを別bot」といった分業構成がよく採用されます。
音楽・BGM用のおすすめDiscord音楽bot
Jockie Music:複数ソース対応の高機能音楽bot
Jockie Musicは、複数の音楽ストリーミングサービスに対応した高機能な音楽botです。
主な特徴
Spotify / Apple Music / Deezer / SoundCloud など、多数の音楽ソースから再生可能
1つのサーバーで複数のJockie Musicインスタンスを動かし、別々のVCで同時に音楽を流せる設計
豊富な音楽コマンド(再生・停止・スキップ・キュー管理など)
活用シーン
ゲームVCでBGMを流す
コワーキング・作業通話のBGM
コミュニティイベントでのBGM再生
注意点
音楽bot全般に言えることですが、外部サービスの利用規約(特に商用利用・配信時の扱い)は必ず確認してください。
配信や動画化を行う場合、音源の権利処理や利用許諾は運営側の責任となります。
他の代表的な音楽botと選び方のポイント
音楽botを選ぶ際には、次の点を基準にすると判断しやすくなります。
対応している音源プラットフォーム(YouTubeのみか、Spotifyなどにも対応するか)
音質・遅延の少なさ
コマンドの分かりやすさ(スラッシュコマンドへの対応状況など)
無料プランでの同時接続数や制限
日本語の解説記事・サポートの有無
「とりあえずBGMが流れればよい」という小規模サーバーであれば、1種類の音楽botで十分なことが多く、「イベント用に複数VCで別々の音楽を流したい」といったニーズがある場合に、高機能なJockie Musicなどを検討するイメージです。
チケット・問い合わせ対応に便利なサポート系bot
Ticket Tool:お問い合わせ管理の定番チケットbot
Ticket Toolは、Discordサーバー上に「問い合わせフォーム」を実現できるチケットbotです。
主な機能
ボタンやリアクションから「チケット」を作成し、専用チャンネルを自動生成
カテゴリや優先度ごとにチケットを整理
チケットのクローズ・ログ保管
ダッシュボードからの設定・権限管理
Web3 / NFTコミュニティ、オンラインサロン、ゲームのサポートサーバーなどで広く利用されています。
運用時のポイント
「どの問い合わせをチケットにするか」(例:BAN申請、不具合報告、ロール申請など)をあらかじめ決めておく
スタッフロールを作成し、Ticket Toolに閲覧権限を付与する
チケット内容の保管期間・扱いについて、運営側で方針を決めておく
運営体制に合わせたチケットbotの使い分け方
小規模サーバー
DM対応・チャンネル内対応だけでも回る場合は、まずルール整備を優先し、チケットbotは「問い合わせが増え始めたタイミング」で導入するのがおすすめです。中〜大規模サーバー
Ticket Toolなどを早めに導入し、問い合わせ経路を一本化することで、対応漏れや重複対応を防ぎやすくなります。ビジネス利用
チケットのログ保管・メンション・対応履歴の管理を重視し、スタッフロールの設計やカテゴリ設計をしっかり行うことが重要です。
統計・可視化・分析に役立つ統計系bot
Statbot:コミュニティの動きを「見える化」する分析bot
Statbotは、Discordコミュニティの成長やアクティブ率を分析するための統計botです。
取得できる主な指標
メンバー数推移
メッセージ数
ボイスチャット利用時間
ゲーム・アクティビティ情報
ステータス(オンライン/オフライン など)
これらをグラフやダッシュボードで確認することで、
どの時間帯にサーバーが活発か
どのチャンネルが使われているか
イベント実施後にアクティブ率がどう変化したか
といった点を把握できます。
導入の目安
メンバー数が100名を超え、サーバーの「健康状態」を定量的に把握したい場合
Web3コミュニティやオンラインサロンなどで、施策の効果を検証したい場合
チャンネルカウンター専用botとの比較ポイント
ServerStatsなど、チャンネル名としてメンバー数やオンライン人数を表示する専用botも存在します。
比較のポイントは次のとおりです。
カウンター系bot
「今の人数」などを即座に可視化する目的に向く
設定が比較的シンプル
Statbotのような分析bot
時系列データの蓄積・グラフ化が可能
指標が多く、ダッシュボードでじっくり分析できる
サーバーの成長段階に応じて、まずカウンター系から導入し、必要に応じてStatbotに移行・併用する、といった段階的な導入も有効です。
リマインダー・タスク・生活系botと読み上げbot
スケジュール・リマインダー系botの活用シーン
Reminder Botなどのリマインダー系botは、指定した日時にメッセージを自動投稿できるツールです。
活用例
ギルド戦やイベント開始10分前のリマインド
定例MTG・週次ミーティングのリマインド
締切・提出期限の通知
Googleカレンダーと組み合わせて、「Discord内の通知はbot、詳細はカレンダー」という形で運用すると、メンバーが情報を見落としにくくなります。
読み上げbotを選ぶときの注意点と代表例
読み上げbotは、テキストチャンネルの内容をボイスチャンネルで読み上げるbotです。日本語対応や音質、遅延の面でさまざまな選択肢があります。
選ぶ際のポイントは次のとおりです。
対応音声エンジン(ゆっくりボイス/合成音声など)
遅延の少なさ・安定性
読み上げのカスタマイズ性(ユーザー名読みの設定など)
無料枠の制限(使用時間や文字数など)
利用規約(配信での利用の可否など)
配信での利用を想定している場合は、音声の権利や利用条件について、各botの説明や公式ドキュメントを必ず確認することをおすすめいたします。
Discord botの導入手順と基本的な使い方
bot招待〜権限付与〜初期設定までのステップ
一般的なDiscord botの導入手順は、次のような流れです。
公式サイトまたはDiscordのアプリディレクトリを開く
MEE6, Ticket Tool, Statbot, Jockie Music など、それぞれの公式ページを開きます。「招待」ボタンを押す
「Add to Discord」「Invite」などのボタンから、botをサーバーへ招待します。追加したいサーバーを選択する
自分が「サーバー管理者」または必要な権限を持っているサーバーのみ選択可能です。要求される権限を確認する
メッセージの閲覧・送信、ロール管理、メッセージ管理など、必要な権限が表示されます。不要な権限は付与しない、という方針で検討してください。認証を完了する
「認証」を押して、reCAPTCHAなどのチェックを完了すると、サーバーにbotが参加します。ロール・チャンネル設定を行う
bot専用ロールを作成し、必要なチャンネルへの権限を細かく設定します。ダッシュボード(Web管理画面)がある場合は初期設定を行う
MEE6やTicket ToolなどはWebダッシュボードでの設定が中心のため、必ず一度ログインして設定を確認してください。
よく使う基本コマンドと運用ルールの決め方
音楽bot
再生コマンド(例:
/play)、停止、スキップ、キュー表示など
管理bot
ミュート・キック・BANコマンド、警告カウント、レベリング確認など
読み上げbot
接続・切断コマンド、読み上げ開始・停止、対象チャンネルの指定など
チケットbot
チケット作成、クローズ、再オープンなど
運営メンバー間では、次のようなルールを決めておくとトラブルが減ります。
誰がどのbotの設定を変更してよいか
重大な権限(BANやロール管理)はどのロールに限定するか
botの追加・削除時には必ず事前に相談すること
よくあるトラブルとトラブルシューティング
botが反応しない・オフラインのときに確認すること
botがコマンドに応答しない場合、次のチェックリストを順に確認してください。
botがオンラインになっているか(ステータス表示)
対象チャンネルへの「メッセージの読み取り・送信」権限があるか
コマンドのプレフィックス(
!や/)が正しいか対象チャンネルがNSFW・スレッドなど特殊なチャンネルではないか
bot側・Discord側で障害やメンテナンスが発生していないか(公式ステータスやサポートサーバーを確認)
権限・チャンネル設定まわりで起きがちな問題
特定チャンネルだけ動かない
そのチャンネルに対してbotのロールが表示・送信権限を持っているか確認します。ロール管理がうまく動かない
botのロール位置が管理対象ロールより上にあるか確認してください(Discordはロール階層により管理可能範囲が決まります)。複数botによる競合
同じイベントに対して複数botが反応すると、メッセージ削除の競合や二重投稿が起こることがあります。どのbotが何を担当するかを明確にし、必要に応じて機能をオフにします。
安全性・権限設計・規約まわりの注意点
最低限押さえておきたい権限設計の考え方
Administrator権限は、極力付与しない(本当に必要な場合に絞る)
bot用ロールを作り、「メッセージ管理」「メンバーを追放」など強い権限は慎重に付与する
ログを保存するbotを導入する場合、ログへのアクセス権限を限定する
サーバーを外部のマネージドサービスやツールと連携する場合、APIキーやWebhook URLの管理に注意する
外部サービス連携・音楽再生時の注意点
音楽ストリーミングサービスの利用規約を確認し、配信で利用する場合の条件を把握する
サードパーティのダッシュボードサイトにDiscordアカウントでログインする際は、要求される権限を確認し、不要な権限は許可しない
仕様変更やサービス終了によりbotが突然使えなくなる可能性もあるため、代替候補を1〜2個は把握しておくと安心です
よくある質問(FAQ)
とりあえず1つだけ入れるなら、どのbotがおすすめですか?
管理・レベリング・通知など基本機能を一通り試したい場合は、多機能なMEE6が候補になります。ただし、権限設定は慎重に行い、不要な機能はオフにすることを推奨いたします。
スマホだけでも設定できますか?
多くのbotはスマホのブラウザからもダッシュボードにアクセス可能ですが、複雑な設定や複数タブの確認が必要な場合はPC環境の方が作業しやすいです。
日本語対応かどうかはどこで確認できますか?
公式サイト・公式ドキュメント・Discordアプリディレクトリの説明・日本語の解説記事などを確認するとよいでしょう。MEE6やTicket Tool、Statbot、Jockie Musicはいずれも日本語解説記事が複数存在しています。
botが増えすぎてしまいました。どう整理すればよいですか?
まず、「何の用途のために存在しているか」を棚卸しし、用途が重複しているbotから整理することをおすすめいたします。
同じ分類(音楽、管理など)で2つ以上入っている場合、どちらか一方に統合
1か月以上使っていないコマンドしかないbotは、一度オフまたは退出させる
権限が強いbotは特に運用ルールを再確認する