Discordで友人と通話しながらゲームやYouTubeを楽しんでいると、
「ゲーム音がうるさい」「YouTubeの音が丸聞こえだよ」と指摘されて困ったご経験はありませんでしょうか。
本記事では、以下のような疑問をお持ちの方を対象にしています。
通話中に自分のPCの音(YouTube・ゲーム・BGMなど)が相手に入ってしまう
ヘッドセットを使っているのに、なぜかPC音が混ざってしまう
逆に、BGMや動画の音をあえてDiscordの通話に乗せたい
配信や録画で「入れたい音」「入れたくない音」をきちんと分けたい
原因は大きく分けて「ハードウェア(機材・配線)」と「ソフトウェア(Windows / Mac / Discord / 配信ソフト)」の2系統に整理できます。
本記事を読みながら、チェックリストに沿って一つずつ確認していただくことで、
PC音が勝手に通話に入ってしまう現象を止める
必要に応じて、あえてPC音を共有する設定も選べるようになる
ところまでを目指します。
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Discord通話にYouTube・ゲーム音が入る原因は、
ステレオミキサーやオーディオドライバ設定
Discordの入力デバイス設定
マイク感度・ノイズ抑制・ヘッドセットの構造
のいずれか、または複合であることがほとんどです。
まずはWindows(またはMac)側の録音デバイスとステレオミキサー設定を確認し、
次にDiscord側の入力・出力デバイスや感度設定を見直すことで、多くの問題は解消できます。配信や録画を行う場合は、OBSやVoicemeeter等の設定も含めて、「どの音をどこに送るか」を整理することが重要です。
あえてPC音を入れたい場合でも、ステレオミキサーや仮想オーディオツールを使う際の著作権・マナー・セキュリティに十分注意してください。
DiscordでPC音が“入る/入らない”仕組みの基礎知識
Discordの「入力デバイス」と「出力デバイス」とは
Discordの音声設定では、主に次の2つの項目が重要です。
入力デバイス:あなたの声やPCの音をDiscordに送る“入口”
出力デバイス:相手の声や通話音声をあなたが聞く“出口”
通常、入力デバイスには「マイク」や「ヘッドセットマイク」を選びます。
しかし、ここが「ステレオミキサー」や「スピーカー」などに設定されていると、PCで鳴っているすべての音が通話に入ってしまいます。
マイクが拾う音と、ステレオミキサーが拾う音の違い
マイク:空気の振動=実際の音(あなたの声、スピーカーから漏れた音)を拾います。
ステレオミキサー:PC内部の音声信号(YouTube・ゲーム・BGMなど)を直接まとめて拾います。
そのため、
ヘッドセットを使っていても音量が大きすぎたり、マイクが近すぎると「物理的に」音を拾ってしまう
ステレオミキサーが有効で、Discordの入力デバイスに選ばれていると「内部信号として」音が入ってしまう
という2パターンが存在します。
ヘッドセット・スピーカーの構造と音漏れの基本
ヘッドセットの種類によっても、音がマイクに入りやすいかどうかが変わります。
オープン型(開放型):外に音が漏れやすく、マイクが拾いやすい
密閉型:外への音漏れが少なく、マイクに乗りにくい
また、マイクが口ではなくイヤーカップ側に近づいていると、ヘッドホンから漏れたゲーム音やYouTube音を拾いやすくなります。
症状別チェックリスト|まずは自分の状況を整理する
ケース1:YouTubeやBGMだけでなく、PCの全音が相手に聞こえる
ブラウザ、ゲーム、通知音など、PCのあらゆる音がそのまま通話相手に聞こえる
マイクをミュートしてもPC音だけが相手に届く
この場合は、ステレオミキサーやオーディオドライバのルーティング設定が原因である可能性が高いパターンです。
ケース2:ゲーム音だけが大きく入る/操作音がカチカチ聞こえる
キーボードの打鍵音やマウスクリック音が相手に大きく聞こえる
ゲームの銃声や効果音だけが目立つ
この場合は、マイク感度が高すぎる・ノイズ抑制が弱い・マイク位置が悪いといった要因が疑われます。
ケース3:ヘッドセットで通話しているのに、なぜか音が入る
イヤホンやヘッドセットを使っているのに、ゲーム音が通話に乗る
ヘッドセットをミュートにしてもPC音だけが相手に聞こえる
この場合は、
ステレオミキサーが有効になっている
Realtekなどのドライバ設定で、ジャックが内部ミックス扱いになっている
といったPC側の特殊設定が影響していることがあります。
ケース4:配信・録画もしていて、配信側の音と通話側の音がごちゃごちゃ
OBS・配信ソフトを使い始めてからおかしくなった
通話相手には不要なBGMや配信音が混ざる
視聴者側にはゲーム音と通話音がうまく届かない
この場合は、配信ソフトや仮想オーディオツールによる音声ルーティングが原因のことが多く、少し高度な設定見直しが必要です。
【基本編】PC側の設定で“音が入る”問題を止める手順(Windows)
ここからは、最も利用者が多いWindows環境を前提に、PC側の設定を見直す手順を解説します。
ステップ1:Windowsの録音デバイスを確認(マイク/ステレオミキサー)
画面右下のスピーカーアイコンを右クリックします。
「サウンド設定を開く」または「サウンド」を選択します。
「サウンドコントロールパネル」→「録音」タブを開きます。
以下を確認します。
「マイク」「ヘッドセットマイク」など、自分が使っているマイクが有効か
「ステレオミキサー」が有効になっていないか
この時点で、ステレオミキサーが既定のデバイスになっていれば要注意です。
ステップ2:ステレオミキサーを無効化する
「録音」タブで「ステレオミキサー」を右クリックします。
「無効」を選択します。
「既定のデバイス」が自分のマイク・ヘッドセットマイクになっていることを確認します。
これにより、「PC全体の音をまとめて拾う」ルートを遮断できます。
ステップ3:Realtek Audio Consoleなどマザーボード設定の見直し
Realtek製オーディオドライバが入っているPCでは、「すべての入力ジャックを独立した入力デバイスとして分離」といった項目をオンにすることで、
マイクとPC内部音が混ざる問題が解消されるケースがあります。
Windowsの検索欄から「Realtek Audio Console」などを検索し起動します。
「デバイス詳細設定」「ジャック設定」などの項目を開きます。
「すべての入力ジャックを独立した入力デバイスとして分離します」等の設定を有効にします。
適用後、Discordで再度通話テストを行います。
ステップ4:マイクレベル・ブースト・サイドトーンの調整
「録音」タブで使用中のマイクをダブルクリックします。
「レベル」タブから、マイクの音量・マイクブーストを適切な値(例:70〜90%、ブーストは必要最小限)に調整します。
「聴く」タブに「このデバイスを聴く」のチェックがあれば通常はオフにします(自分の声が二重に聞こえる原因になります)。
ゲーミングヘッドセットなどに「サイドトーン」「モニタリング」機能がある場合は、一度オフにして音の回り込みを確認します。
【基本編】Discord側の設定で“音が入る”問題を止める手順
入力デバイス・出力デバイスの確認と固定
Discord左下の歯車アイコン(ユーザー設定)をクリックします。
「音声・ビデオ」を開きます。
以下を確認・設定します。
入力デバイス:使用中のマイクまたはヘッドセットマイクを指定(「Default」ではなく、具体的なデバイスを選ぶことを推奨)
出力デバイス:使用中のヘッドセット・スピーカーを指定
「入力デバイス」が「ステレオミキサー」や想定外のデバイスになっていないか必ず確認してください。
入力感度・自動調整・ノイズ抑制(Krisp)の設定目安
「入力感度」の「自動で入力感度を決定します」を一度オフにします。
YouTubeなどを再生しながら、自分の声だけがバーを超える位置になるようにスライダーを調整します。
「ノイズ抑制」の項目で、標準のノイズ抑制またはKrispをオンにします。
これにより、キーボード・マウス音や小さな環境音が入りにくくなります。
エコー除去・ノイズ抑制機能の使い方と注意点
エコー除去:スピーカーから出た音がマイクに入る「ハウリング」を軽減します。
ノイズ抑制:キーボード音・ファンの音などのノイズを軽減します。
ただし、これらを強くかけすぎると、
声が途切れる
小さな声が拾われない
といった副作用が出る場合があります。
通話相手と相談しながら、「声の聞きやすさ」と「ノイズの少なさ」のバランスをとることが重要です。
テスト通話・通話相手と確認する方法
Discordには「マイクテスト(自分の声を録音して再生)」機能があります。
「音声・ビデオ」設定画面で「マイクテスト」を開始します。
実際にYouTubeやゲームを鳴らしながら話してみます。
再生される音声を聞き、「自分の声」「PC音」がどう混ざっているかを確認します。
加えて、実際の通話で相手に以下を確認してもらうと確実です。
「ゲーム音はまだ大きいか」
「YouTube音は聞こえなくなったか」
「声が途切れていないか」
【環境別】Mac・スマホ・ゲーム機での対処ポイント
Macでの入力/出力設定の確認ポイント
Macの場合も、基本的な考え方はWindowsと同じです。
「システム設定」→「サウンド」→「入力」を開きます。
使用中のマイク(外付けマイク/ヘッドセットマイク)が選択されているかを確認します。
「出力」でヘッドホンやスピーカーを指定し、出力音量を必要最小限に調整します。
Discord側でも、入力・出力デバイスがMacの設定と一致しているか確認します。
仮想オーディオデバイス(BlackHoleなど)を導入している場合は、それが原因でPC音が通話に混ざっていることもありますので、一度無効化して挙動を確認すると切り分けがしやすくなります。
スマホ版Discordでゲーム音・動画音が入る場合の注意点
スマホでは、以下のようなケースでゲーム音や動画音が相手に伝わることがあります。
スマホの内蔵スピーカーで音を出しながら、内蔵マイクで通話している
通話音量・メディア音量のバランスが適切でない
対策としては、
可能であればマイク付きイヤホン・ヘッドセットを利用する
通話中に音量ボタンを押し、「通話音量」と「メディア音量」が別になっている場合は、メディア音量を低めにする
ゲームや動画の音量を必要最低限まで下げる
といった方法が有効です。
PS5などゲーム機+Discord併用時の配線と設定のコツ(概要)
PS5などのゲーム機でゲームをしつつ、スマホやPCでDiscord通話を行う場合、
音がどの機器から出て、どのマイクに入っているのか
を整理することが重要です。
ゲーム機の音はゲーム機側のヘッドセットからのみ出す
Discord通話はスマホやPC側のイヤホン・マイクで行う
可能であればミキサーやオーディオインターフェースで音を分配する
といった構成を取ることで、「ゲーム音がDiscordに入りすぎる」問題を抑えやすくなります。
ヘッドセット・マイクが原因の場合の見極めと対策
物理的な音漏れ・マイク位置で起こるケース
設定を見直しても問題が解消しない場合、純粋にヘッドホンの音量が大きすぎる・音漏れしやすい構造である可能性があります。
ヘッドホン音量を少し下げる
マイク位置を口元に寄せ、イヤーカップからの距離を取る
マイクの指向性(単一指向性かどうか)を確認する
といった工夫で改善する例も多くあります。
オープン型/密閉型ヘッドセットの違いと選び方
オープン型:臨場感が高い一方で、外への音漏れが大きく、マイクに乗りやすい
密閉型:外部への音漏れが少なく、通話相手にゲーム音が聞こえにくい
Discord通話や配信を重視する場合は、密閉型ヘッドセットを選ぶ方がトラブルを起こしにくい傾向があります。
機材を変えるべきかの判断基準とコスパ重視の改善案
機材交換を検討すべきポイントは次の通りです。
設定を見直しても、常にゲーム音やYouTube音が大きく入ってしまう
マイクノイズやハムノイズがひどく、ノイズ抑制だけでは対処しきれない
物理的にケーブルやコネクタが不安定で、接触不良が多い
ただし、いきなり高価な機材に飛びつくのではなく、
マイクとヘッドホンを分ける(ヘッドホン + 単一指向性マイク)
ケーブルやUSBポートを変えてみる
シールドがしっかりしたケーブルを選ぶ
といった比較的低コストな対策から検討することをおすすめいたします。
【応用編】あえてYouTube・ゲーム音をDiscordに“入れたい”場合
ステレオミキサーを使ってPC音を共有する方法
YouTubeの音やBGMをあえてDiscord通話に乗せたい場合、
ステレオミキサーを有効にして入力デバイスとして選ぶことで実現できます。
概略は以下の通りです。
Windowsの「録音」タブで「ステレオミキサー」を有効化する
Discordの入力デバイスを「ステレオミキサー」に変更する
出力デバイスを、相手の声と自分のPC音を聞きたいデバイスに設定する
この場合、PCで鳴っているすべての音が相手に届くため、
不要な通知音や私的な音声が混ざる
著作権的に配信・共有が問題となる音が入る
といったリスクを十分に理解しておく必要があります。
仮想オーディオケーブル・Voicemeeterなどの活用イメージ
より柔軟に音声をコントロールしたい場合は、
仮想オーディオケーブル
Voicemeeter などの仮想ミキサーソフト
を利用する方法もあります。
基本的な考え方は、
ゲーム音・Discord・BGMなどを別々の“バス”に流す
Discordには「声 + 必要な音」だけを送る
配信ソフトには「声 + ゲーム音 + BGM」などを送る
といった形で、「どの音をどこに送るか」を明示的に設定していくことです。
配信・録画で「入れる音/入れない音」を分ける基本パターン
代表的なパターンとしては、
配信:ゲーム音 + 自分の声 + 通話相手の声
Discord通話:ゲーム音 + 自分の声(BGMはなし)
録画:ゲーム音 + 自分の声(通話相手の声は別トラック)
などが考えられます。
これらを実現するためには、
OBS側で「デスクトップ音声」「マイク」「仮想ケーブル」などの入力を分けて扱い、
Voicemeeter等で「どの音をどこに送るか」を整理することがポイントになります。
トラブルシューティング|それでも直らない場合のチェックリスト
アプリ競合・ドライバ不具合・Discord再インストール
以下のようなケースでは、アプリの競合やドライバの不具合も疑われます。
音声関連のアプリを複数インストールしている
オーディオドライバの更新直後から症状が出ている
Discordや配信ソフトが頻繁にクラッシュする
チェックポイント:
オーディオ関連ソフト(仮想ケーブル、他の通話アプリ)を一時的に終了して挙動を確認する
オーディオドライバを最新に更新、または安定版に戻す
Discordを一度アンインストールし、公式サイトから最新バージョンをインストールし直す
別PC・別端末で再現するかを確認する
別のPCやスマホで同じDiscordアカウントを使った場合に、同じ症状が出るか
別のDiscordアカウントでログインした場合に症状が変わるか
これにより、
アカウント設定・サーバー側の問題なのか
PC本体やOS・機材の問題なのか
を切り分けやすくなります。
サポートに相談する前にまとめておくべき情報
サポートや詳しい知人に相談する際は、以下を整理しておくとスムーズです。
OSのバージョン(Windows / Mac / スマホOS)
使用しているヘッドセット・マイクの型番
Discordのバージョン
どのタイミングから症状が出始めたか(ドライバ更新後、機材交換後など)
すでに試した対策(ステレオミキサー無効化、再インストール等)
著作権・マナー・セキュリティの注意点
YouTube音声を通話・配信で流す際の注意事項(権利面)
YouTubeなどの音源をそのままDiscord通話や配信で共有する場合、著作権上の問題が生じる可能性があります。
商用/非商用を問わず、著作権者が許可していない利用は控える
BGMとして利用したい場合は、利用規約で許可されたフリー音源・公式配布の楽曲を使用する
配信プラットフォームのガイドラインに従う
といった点を必ず確認してください。
通話相手・視聴者への配慮(音量・事前告知)
BGMや動画音を流す際は、必ず通話相手に一言断る
音量バランスを調整し、会話が聞き取りにくくならないようにする
配信画面や概要欄で、使用しているBGMや効果音の情報を明記する
こうした配慮が、トラブル防止と良好なコミュニケーションにつながります。
公の場・仕事利用でのルール確認
学校や職場など、公的な場でDiscordを利用する場合、
組織のITポリシー・情報セキュリティポリシー
社内規定や就業規則
に反しないかどうかも必ず確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1:ステレオミキサーを無効にしても直りません
A:次の点を追加でご確認ください。
Discordの「入力デバイス」が正しいマイクになっているか(Defaultのままになっていないか)
Realtek等のドライバ設定で、ジャックの分離設定が適切か
仮想オーディオデバイスが既定のデバイスになっていないか
これでも解決しない場合は、一度別のマイク・別のUSBポートで試し、機材・ポート側の問題を切り分けてください。
Q2:ヘッドセットを変えたら直りますか?
A:設定が原因のケースも多いため、まずは本記事の設定見直しを一通りお試しください。
それでも常にゲーム音・BGMが大きく入る場合は、密閉型ヘッドセット + 単一指向性マイクといった構成に変更すると改善が見込めるケースがあります。
Q3:配信用に複雑なツールを入れるべきか悩んでいます
A:まずは、
Windows/Macの基本設定
Discordの入力・出力設定
OBSなど配信ソフトの基本的な音声設定
だけでどこまで改善できるかを試してから、必要に応じてVoicemeeterや仮想ケーブルの導入を検討することをおすすめいたします。
仮想ミキサーは便利ですが、設定が増える分トラブル要因も増えます。
Q4:一時的にだけ音を入れたい時はどうすればよいですか?
A:常時ステレオミキサーをオンにするのではなく、
Discordの入力デバイスを一時的にステレオミキサーに切り替える
共有が終わったら元のマイクに戻す
といった運用が安全です。
ただし、切り替え忘れ防止のため、「共有中」「通常」などプロファイル名を決めておくと管理しやすくなります。