白い糸を引くようなネバネバした目やにが急に増えると、「これって結膜炎?」「失明したりしない?」と不安になる方が多いです。
実際、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトでも、「白い糸みたいな目やには病院に行くべき?」という相談が数多く投稿されています。
本記事では、知恵袋でよく見られる質問パターンを踏まえながら、白い糸状・ネバネバした目やにの主な原因や考えられる病気、今すぐできる対処法、眼科を受診すべきサインを分かりやすく解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を行うものではありません。気になる症状がある場合は必ず眼科を受診してください。
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白い糸を引くような目やには、アレルギー性結膜炎でよくみられる一方で、ドライアイやコンタクトトラブル、感染症などさまざまな原因があり得ます。
色・粘り気・量・片目か両目か・痛みや視力低下の有無などを整理することで、受診時の説明がしやすくなります。
強い痛み、視力低下、黄色〜緑色の膿のような目やに、まぶたの腫れ、発熱などを伴う場合は、早めの眼科受診が肝心です。
「そこまで重症ではなさそう」と感じる場合でも、症状が続いたり繰り返す場合は、一度眼科で相談して原因を確認しておくと安心です。
そもそも「目やに」とは何か
最初に、目やに自体の役割を簡単に整理しておきます。
目やには、涙や目の表面の細胞の老廃物、入り込んだホコリ・細菌などが混ざったものです。
眠っている間にたまった分が、朝起きたときに目頭やまつ毛に付いているのは、誰にでも起こる生理的な現象です。
ポイントは、「量・色・粘り気・症状の有無」で危険度が変わるということです。
白く少量で、痛みやかゆみ・充血がほとんどない場合は、必ずしも重い病気とは限りません。
一方で、急に量が増えたり、ベタベタ・糸を引くように変化したり、充血や痛みを伴う場合は注意が必要です。
白い糸状・ネバネバした目やにでよくある原因
白い糸状の目やには、いくつかの病気や状態で見られます。代表的なものを整理します。
1. アレルギー性結膜炎
白い糸状の目やにで最もよく言及されるのが、アレルギー性結膜炎です。
花粉、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などのアレルゲンに対するアレルギー反応で、結膜(白目やまぶたの裏側の膜)が炎症を起こしている状態です。
症状の特徴
強い目のかゆみ
白目の充血
白くネバネバ、糸を引くような目やに
涙が増える、ゴロゴロする など
症状が長期間続き、重症化したものは「春季カタル」と呼ばれ、小学生男子に多いとされています。角膜まで炎症が及ぶこともあり、強い痛みを伴う場合は早急な受診が必要です。
2. 細菌性・ウイルス性結膜炎(いわゆる「はやり目」など)
感染が原因で結膜に炎症が起きるタイプです。白い糸状というより、黄色〜緑色でドロッとした目やにになることも多くなりますが、初期には白っぽく粘り気のある目やにが出る場合もあります。
細菌性結膜炎
黄色〜黄緑色の膿のような目やに
朝、まぶたがくっついて開けにくい
白目の充血、ゴロゴロ感
ウイルス性結膜炎(流行性角結膜炎など)
大量の目やにと強い充血
まぶたの腫れ
のどの痛みや発熱を伴うこともある
感染力が強いタイプもあり、タオルの共用などで家族にうつる可能性もあるため、疑わしい場合は早めの受診が推奨されます。
3. ドライアイ・コンタクトレンズのトラブル
パソコン作業やスマートフォン、コンタクトレンズの長時間使用などで目が乾き、表面が傷つきやすくなると、防御反応として分泌物が増え、ネバネバした糸状の目やにが出ることがあります。
コンタクトレンズが汚れている
使用期限を過ぎている
つけたまま眠ってしまう
ケア用品が合っていない
こうした場合、レンズの刺激により結膜が炎症を起こし、充血や異物感、白い糸状の目やににつながることがあります。
4. 涙道(るいどう)の異常やその他の病気
涙が鼻の方へ流れていく通り道(涙道)が生まれつき狭い・詰まっている場合や、炎症で狭くなっている場合、涙がうまく流れずに目の表面にとどまり、白っぽい目やにが出やすくなります。特に乳幼児では、先天性鼻涙管閉塞などが原因として挙げられます。
その他、逆さまつげやドライアイ、まれな病気が関わることもあるため、「いつも片目だけ同じような目やにが出る」「赤ちゃんの目やにが多い」といった場合も眼科で相談すると安心です。
色・粘り気・経過で分かるセルフチェック
目やにセルフチェック表
以下はあくまで一般的な目安ですが、ご自分の状態を整理するのに役立ちます。
| 項目 | 状態の例 | 想定される可能性の一例 |
|---|---|---|
| 色 | 透明〜白で少量 | 軽い刺激、ドライアイ、軽いアレルギーなど |
| 色 | 白〜乳白色で糸を引く | アレルギー性結膜炎、ドライアイ、コンタクトトラブルなど |
| 色 | 黄色〜緑色でドロドロ | 細菌性結膜炎など感染症の可能性 |
| 粘度 | サラサラした涙状 | ウイルス性結膜炎の初期、アレルギーの初期など |
| 粘度 | ネバネバ・糸を引く | アレルギー性結膜炎、慢性的な刺激など |
| 片目/両目 | 片目だけ急に悪化 | 感染症・異物・局所のトラブルなど |
| 片目/両目 | 両目で徐々に悪化 | アレルギー、ドライアイ、慢性の炎症など |
「様子見でもよい可能性があるケース」の目安
次のような場合は、すぐに救急受診が必要というケースは比較的少ないとされますが、症状が続く場合は眼科を受診してください。
白〜透明の目やにが少量
軽いかゆみ・ゴロゴロ感のみで、痛みや強い充血がない
数時間〜1日程度で症状が落ち着いてくる
「すぐに眼科受診をおすすめするサイン」
以下のような場合は、早めの眼科受診を強くおすすめします。
白い糸状の目やにが急に大量に出る
目やにの色が黄色〜緑色で、膿のようにドロドロしている
強い充血、目の痛み、まぶたの腫れ、光がまぶしい、視界がかすむ などの症状がある
発熱やのどの痛みを伴う
子どもや高齢者で、ぐったりしている・目を開けたがらない
数日様子を見ても良くならず、むしろ悪化している
こうした症状は、感染症や重症のアレルギー性結膜炎などの可能性もあるため、自己判断で様子見を続けないことが大切です。
今すぐできる対処法とNG行動
まずやること:清潔な拭き取りと手洗い
目やにが出たときは、次のように対処してください。
まず石けんで手をよく洗う
清潔なティッシュやガーゼ、コットンなどで、目やにをやさしく拭き取る
目やにを指でこすり落とさない(刺激で悪化する可能性)
目をこすらない
コンタクトレンズ使用時の注意点
コンタクトレンズを使用している方は、次のポイントに注意してください。
目やにが増えているときは、いったんコンタクトの使用を中止し、メガネに切り替える
使用期限を守り、レンズのケアを正しく行う
つけたまま寝ない
少しでも痛みや強い充血がある場合は、レンズ装用をやめて眼科へ
市販の目薬の使い方と注意点
まずは人工涙液(防腐剤の少ないもの)などで、目を保護する目的で使われることがあります。
かゆみが強い場合、市販のアレルギー用点眼薬がありますが、自己判断で長期間使用せず、改善しない場合は眼科で相談してください。
以前もらった処方薬の「残り」を、症状が違うのに自己判断で使用するのは避けましょう。
やってはいけないこと
目を強くこする
清潔でないハンカチやタオルで何度も拭く
家族でタオルを共用する(感染の可能性がある場合)
インターネット情報だけを頼りに、受診すべき状態を自己判断で放置する
子ども・高齢者・持病がある方の注意ポイント
子どもの白い目やにで注意したいこと
乳幼児の白い目やにが多い場合、涙道の狭さ・詰まり(先天性鼻涙管閉塞)などが原因のことがあります。
子どもは目を強くこすってしまいがちで、角膜を傷つけるリスクもあります。
片目だけいつも同じように目やにが多い、光をまぶしがる、黒目が白く濁っているなど、気になる所見がある場合は早めに眼科へ相談してください。
高齢者・基礎疾患がある方
高齢者では、涙道の狭窄や慢性結膜炎などで、慢性的に白っぽい目やにが出ることがあります。
糖尿病など基礎疾患のある方は、感染症が悪化しやすいため、目の症状も軽視せず受診を検討してください。
花粉症・アレルギー体質の方
毎年同じ時期に、かゆみ・充血・白い糸状の目やにが出る場合、アレルギー性結膜炎の可能性が高くなります。
花粉の多い時期の外出時は、眼鏡・サングラスの着用やマスクの併用で、アレルゲンの付着を減らす工夫も有効です。
アレルギー症状が強い・長引く場合は、自己判断で市販薬だけに頼らず、眼科でアレルギー検査や治療方針の相談をすると安心です。
眼科を受診したら何をする?診察の流れと伝えるべきこと
眼科に行くと、一般的には次のような流れになります。
問診
いつから症状があるか
片目か両目か
目やにの色・量・出るタイミング
痛み・かゆみ・視力低下の有無
コンタクトレンズの使用状況 など
診察・検査
スリットランプという顕微鏡で、結膜や角膜の状態を観察
必要に応じて、涙の通り道の検査や細菌検査など
治療方針の説明
感染症が疑われる場合:抗菌薬の点眼など
アレルギーが主な原因の場合:抗アレルギー薬・ステロイド点眼など(症状や重症度による)
ドライアイの場合:涙を補う点眼薬など
受診前にメモしておくと良いこと
症状が出た日・きっかけになりそうな出来事
「白い糸」「ネバネバ」「黄色い膿」など、目やにの様子を自分なりの言葉で
片目だけか、両目か
コンタクトレンズの種類・使用時間・最終交換日
他に困っている症状(かゆみ・痛み・光がまぶしい・視力低下・発熱など)
これらをメモして持参すると、診察がスムーズになり、より適切な説明や治療につながります。