ゲーム配信や攻略動画で頻繁に登場する「ADS」という言葉ですが、実際には「何を指しているのか」「どの場面で使うのか」が分からないままプレイしている方も少なくありません。
ADSの意味を理解できないままでは、撃ち合いで不利になりやすく、エイム練習や感度調整の方向性も定まりにくくなってしまいます。
本記事では、FPSやTPSにおけるADSの基本的な意味から、腰撃ちとの使い分け、操作設定、距離別の判断基準、さらには上達するための練習方法まで体系的に整理して解説いたします。
初心者の方でも「ADSをどう扱えば良いか」が明確に分かるよう、要点を丁寧にまとめております。
この記事を読み終える頃には、ADSを正しく理解し、自信を持って撃ち合いに臨めるようになるはずです。それでは、ADSの基礎から順に確認していきましょう。
ADSとは?ゲームでの意味をわかりやすく解説
本章では、ゲーム用語としてよく使われる「ADS」の基本的な意味を整理します。はじめてFPSやTPSを触る方でも理解できるよう、概念から順にご説明いたします。
ADSの正式名称「Aim Down Sight(s)」と読み方
ゲームで使われる「ADS」は、Aim Down Sight もしくは Aim Down Sights の略称です。
日本語では一般的に「エイムダウンサイト」と読み、「銃の照準器(サイト・スコープ)を覗き込んで狙うこと」を指す言葉です。
FPSやTPSで、マウスの右クリックやコントローラーの左トリガーを押した際に、画面が少し拡大し、銃のサイトを覗いた状態になる動作が、まさにADSです。
FPS/TPSにおけるADSの基本イメージ
ADSを行うと、多くのゲームでは次のような変化が発生します。
画面中央にサイト・スコープが表示され、視界がややズームされる
弾の散らばりが減り、狙った場所に当たりやすくなる
銃の反動(リコイル)の動きが分かりやすくなり、制御しやすくなる
その代わり、視野が狭くなったり、移動速度が落ちるゲームが多く、「よく当たるが少し動きづらい状態」とイメージしていただくと分かりやすいです。
ADSが使われる主なゲームジャンル・タイトル例
ADSは、主に次のようなジャンル・タイトルで共通して登場する概念です。
バトルロイヤル系:Apex Legends、PUBG など
ミリタリー系FPS:Call of Duty シリーズ など
タクティカルFPS:VALORANT など
TPS:シューター寄りのタイトル全般
ゲームごとに細かな仕様は異なりますが、「サイトを覗いて精度を高める行為」という意味はほぼ共通しています。
ADSと腰撃ち(ヒップファイア)の違い
ここでは、ADSとよく比較される「腰撃ち(ヒップファイア)」との違いを整理し、使い分けの考え方を解説します。
ADSのメリット(精度・リコイル・視認性)
ADSの主なメリットは以下の通りです。
命中精度の向上
多くのゲームでは、ADS中は弾の集弾性が高まり、狙った位置に弾が当たりやすくなります。特に中距離以上では、ADSを使わないとまともに命中しないことも多いです。リコイルコントロールのしやすさ
サイトの中で弾の跳ね上がりが視認しやすくなるため、マウスやスティックを使って反動を抑える動きが行いやすくなります。敵の視認性向上
ズームされることにより、遠くの敵や、頭だけを出しているような小さな的も見つけやすくなります。
ADSのデメリット(視野・移動速度・反応速度)
一方で、ADSには次のようなデメリットも存在します。
視野が狭まり、横や後ろの敵に気付きにくくなる
ADS中は移動速度が低下するゲームが多く、被弾しやすくなる
ADSに移行するまでの「構える時間」があるため、近距離戦では出遅れやすい
このように、ADSは強力な一方で弱点もあるため、「常にADSしていれば良い」というものではなく、状況によって使い分けることが重要です。
腰撃ちが有利になるシチュエーション
腰撃ち(ヒップファイア)は、サイトを覗かずに撃つ方法です。精度は落ちますが、以下のような利点があります。
構え動作が不要なため、即座に射撃できる
視野を広く保てるため、周囲の状況を把握しやすい
キャラクターの動きを大きく制限せずに撃てる
特に、至近距離の撃ち合いでは、ADSよりも腰撃ちの方が有利になるケースが多く見られます。
ADSはいつ使う?状況別の使い分け例
ここでは、距離やシチュエーションごとに、ADSと腰撃ちをどのように使い分けるべきかを解説します。
近距離戦:基本は腰撃ち、例外的にADSが有効な場面
数メートル程度の距離で正面から撃ち合う近距離戦では、ADSをする間に相手に撃たれてしまうリスクが高く、腰撃ちを主体にするのが基本です。
ただし、次のような例外も存在します。
敵が自分に気付いておらず、先制攻撃が確実に取れる場合
近距離でもヘッドショットを狙える自信がある場合
反動の大きい武器を使っており、腰撃ちではほぼ当たらない場合
このような状況では、一瞬だけADSして確実に当てる判断も有効です。
中距離戦:ADSが基本となる典型パターン
建物の窓同士の撃ち合い、遮蔽物越しの撃ち合いなど、中距離(目安として10〜30メートル前後)では、ADSが基本になります。
頭出しポジションの敵を狙う
中距離を移動している敵を追いながら撃つ
1対1の中距離撃ち合い
このような場面では、腰撃ちでは弾が散りやすく、ダメージレースで不利になりやすいため、ADSを主体とした立ち回りが重要です。
遠距離・スナイパー戦:ADSが必須となるケース
遠距離戦やスナイパーライフルを扱う場面では、ADSはほぼ必須と考えて差し支えありません。
スコープ付き武器は、ADSしなければ本来の性能を発揮できない
遠距離の敵へのヘッドショットは、ズームなしではほとんど狙えない
この距離帯では、「ADSをいかに安定して使えるか」が命中率に直結します。
ADSの操作設定とおすすめの考え方
ここでは、ADSのボタン設定や感度設定について、初めての方でも調整しやすい考え方をお伝えします。
ボタン配置(ホールドか切り替えか)
ADSの操作方法には、大きく分けて次の2種類があります。
ホールド方式:ボタンを押している間だけADS状態になる
切り替え方式:一度押すとADSになり、もう一度押すと解除される
一般的には、ホールド方式を採用するプレイヤーが多い傾向にあります。
押している間だけ構えるため、近距離で咄嗟に解除したい場合でも直感的に操作しやすいためです。
一方で、長時間スコープを覗き続けることが多いスナイパープレイや、指が疲れやすい方は、切り替え方式の方が楽な場合もあります。
最終的には、よく使う武器・距離感・手の疲れやすさなどを踏まえて選択してください。
ADS感度の決め方と目安
ADS感度の具体的な数値はゲームごとに異なりますが、以下のようなステップで決めると調整しやすくなります。
通常感度よりやや低めから始める
例:通常感度が5の場合、ADS感度は3〜4程度からスタートする。中距離で敵の“頭一個分”の動きに照準を追従できるか確認する
敵が横に動いた際に、照準が行き過ぎたり足りなかったりしないかを確認します。一気に変更せず、1〜2段階ずつ微調整する
大きく変更すると感覚が狂いやすいため、少しずつ調整することが重要です。
プロプレイヤーと同じ数値を設定すれば必ずしも自分に合うとは限りません。
自分のプレイスタイルや手の動かし方に合った感度を見つけることが大切です。
タイトルごとの違いをどう吸収するか
Apex、CoD、VALORANTなど、タイトルが変わると「同じ数値なのに感覚が違う」ということがよく起こります。これは、
キャラクターの移動速度
視野角(FOV)
武器の反動やダメージ
フレームレートや入力遅延
などの違いによるものです。
そのため、数値そのものにこだわるのではなく、「どのくらいの速さで動くと狙いやすいか」という体感を基準に、都度調整することをおすすめします。
ADSを上達させる練習方法
ここでは、ADSの精度を高めるための具体的な練習方法をご紹介します。
射撃訓練場での基本練習メニュー
ADS操作に慣れるためには、射撃訓練場で次のようなメニューを繰り返すことが効果的です。
静止した的に対してADSで連射する練習
反動のパターンを確認しながら、照準が大きくずれないよう意識します。
左右に動くボットをADSで追い続ける練習
照準を敵の頭〜上半身付近にキープできるかを確認します。
腰撃ちからADSへ素早く切り替える練習
近距離で腰撃ちからADSに移る動作を反復し、切り替えのタイミングを身体で覚えます。
毎日数分でも続けることで、「ADS中のエイム」が安定しやすくなります。
実戦で意識したいチェックポイント
実戦でADSを使う際には、次の点を意識していただくと効果的です。
ADSする前に、まず敵のおおよその位置へ照準を合わせてから構える
ADS中は完全に静止するのではなく、小さく動きながら被弾を減らす
撃ち終わったらADSを解除し、一度周囲の状況を確認する
こうした細かな意識の差が、そのまま生存率や撃ち合いの勝率に影響いたします。
ありがちな失敗パターンと修正のコツ
よく見られる失敗例と、その対処法は次の通りです。
常にADSしていて接近戦で負けてしまう
→ 自分なりに「この距離より近い場合は腰撃ち」といった目安のラインを決めておくと判断が安定します。ADS中に照準が大きくブレて当たらない
→ ADS感度が高すぎる可能性があります。1段階ずつ下げて再調整してください。ADSに入るタイミングが遅く、先撃ちされる
→ 敵がいそうな角や通路に入る前に、あらかじめADSしておく「置きADS」を活用すると改善しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
「ADSしない方がいい」と言われるのはどんな場面ですか?
代表的なのは、超近距離の撃ち合いです。
ドアの裏や曲がり角でいきなり敵と鉢合わせるような場面では、ADSする時間が命取りになることがあります。このような状況では、腰撃ちで素早く射撃した方が有利です。
また、周囲に複数の敵がいる可能性が高い場所で、常にADSしていると視野が極端に狭くなり危険です。状況によっては、視野を優先しADSを控える判断も必要です。
ゲームごとにADSの感覚が違って混乱します
タイトルによって、キャラクターの速度や視野角、反動などが異なるため、同じ感度でも「速さ」が変わって感じられます。
このため、数値を固定する発想ではなく、「自分が狙いやすいかどうか」を軸にゲームごとに調整し直すことが重要です。
新しいタイトルを始めた際には、まず射撃訓練場などで10〜15分程度エイム調整の時間を取り、そのゲームに合わせたADS感度を探ってください。
まずは何から意識すれば良いですか?
ADSに慣れていない段階では、次の3点に絞って取り組むことをおすすめいたします。
中距離以上では基本的にADSを使う
ADSする前に、敵のおおよその位置へ照準を合わせてから構える
毎日5分でも良いので、射撃訓練場でADSの追いエイム練習を行う
この3つを継続することで、ADSの精度や判断が安定し、撃ち合いの結果が徐々に改善されていきます。