オンライン対戦中、チャット欄やVCでふと飛び交う「それBMだよ」「この人BMひどいな」という一言。なんとなく“良くない行為”というイメージはあっても、具体的にどこからがアウトで、何をするとBMとみなされてしまうのか、はっきり説明できる方は意外と多くないのではないでしょうか。
「死体撃ち」や「屈伸」「エモート連打」など、ゲーム内のちょっとした振る舞いは、本人にとっては軽いノリや冗談のつもりでも、受け取る側には強いストレスや不快感として残ることがあります。しかも最近では、悪質なBMが通報やペナルティ、場合によってはアカウント停止の対象になるケースも増えています。
本記事では、ゲームで使われるBM(Bad Manner/バッドマナー)の意味をわかりやすく整理しつつ、FPS・TCG・MOBA・格闘ゲームなどジャンル別の具体例、なぜ問題視されるのか、そしてBMをされたとき・自分がしないためにどう振る舞えばよいかまで、一通り解説いたします。この記事を読み終える頃には、「これはBMなのか?」「どこまでがセーフなのか?」というモヤモヤがすっきりし、安心してオンライン対戦を楽しむための判断基準が身につくはずです。
BM(ビーエム)はゲームで何の略?基本の意味を一言で解説
オンラインゲームやFPS配信のコメント欄などで見かける「BM(ビーエム)」は、Bad Manner(バッドマナー)の略称です。直訳すると「マナーが悪い」「行儀が悪い」という意味で、ゲーム内における嫌がらせ行為や、相手を不快にさせる振る舞いをまとめて指す言葉として使われています。
BM=Bad Manner(バッドマナー)の略
対戦ゲームでは、「今のはBMだった」「あのプレイヤーはBMがひどい」といった形で使われます。このときのBMは、ほとんどの場合、相手への敬意や配慮を欠いた行動や態度を意味します。
代表的には、次のような行為がBMとして挙げられます。
相手を倒したあとに、必要もなく挑発的な行動を繰り返す
勝敗がほぼ決まっている状況で、わざと時間を引き延ばす
チャットやボイスチャットで暴言や皮肉を投げかける
いずれもゲームの勝ち負けに直接必要な行動ではなく、「相手を不快にさせること」自体が目的となっている点が特徴です。
どんな場面で「BM」という言葉が使われるのか
BMという言葉は、ジャンルを問わず対戦要素のあるゲーム全般で使われます。たとえば、次のような文脈です。
FPS・TPSで、ラウンド勝利後の死体撃ちや屈伸行為について話すとき
デジタルTCGで、明らかに勝ちが決まっている場面での不自然な長考について議論するとき
MOBAや格闘ゲームで、挑発モーションを繰り返すプレイヤーについて言及するとき
また、ゲーム外でも、配信コメントやSNS上での振る舞いについて「この人はBMが多い」「コメント欄がBMだらけになっている」といった形で使われる場合もあります。
ジャンル別に見るBM行為の具体例
ここからは、ゲームジャンルごとに代表的なBM行為を整理します。ご自身や周囲のプレイを振り返る際の参考としてご確認ください。
FPS・TPSでよくあるBM行為(死体撃ち・屈伸・エモート連打など)
FPS・TPSでは、特に次のような行動がBMとみなされることが多いです。
死体撃ち
倒した相手キャラクターに対し、勝敗に関係なく弾を撃ち続ける行為です。ゲーム上の有利を取るためではなく、「見せつけ」や「挑発」の意味合いが強いと受け取られます。屈伸(ティーバッグ)
倒した相手キャラクターの上で、しゃがみ/立ちを高速で繰り返す行為です。古くから煽り行為の一種として、さまざまなタイトルで嫌われています。不要なエモート・ボイスラインの連打
勝利演出の範囲で1〜2回使う程度であれば問題視されないことが多いものの、相手の前で繰り返し行うと、明確なBMとして扱われやすくなります。明らかに勝っているのに、意図的に時間を引き延ばす
すぐにラウンドを終わらせられる場面にもかかわらず、相手を何度も復活させて倒すなど、必要以上に対戦時間を引き延ばす行為もBMと受け取られやすい行動です。
TCG・デジタルカードゲームにおけるBM(長考・不要なコンボ・切断など)
デジタルTCGやオンラインカードゲームにおいては、次のような行為がBMとして挙げられます。
意図的な長考
明らかに選択肢が限られている場面にもかかわらず、毎ターン時間ギリギリまで使い続ける行為です。相手を待たせること自体が目的だと感じられる場合、BMと判断されやすくなります。リーサル前の不要なコンボ連打
すでに一撃で勝てる状況で、勝敗に関係のないカードを次々に出し、時間をかけてからとどめを刺す行為も、煽りと受け取られやすい行動です。負け確定局面での意図的な切断
敗北が避けられない場面で、敗北演出を見たくないという理由から通信切断を行う行為も、強いBMとみなされます。エモートの皮肉的な連打
「ありがとう」「ごめん」など、一見丁寧な表現のエモートでも、明らかに皮肉として連続使用すると、相手からBMと判断される可能性があります。
MOBA・格闘ゲーム・その他タイトルでのBM例
MOBAや格闘ゲーム、その他のオンライン対戦タイトルでも、BMはさまざまな形で現れます。
味方へのハラスメントチャット・ピン連打
味方のミスを執拗に責めるチャットや、マップ上のピンを嫌がらせ目的で鳴らし続ける行為は、チーム全体の雰囲気を悪化させる典型的なBMです。意図的なフィードや試合放棄
わざと敵に倒され続けて優位を与えたり、序盤から明確な理由なく放置する行為は、勝敗そのものを投げていると見なされ、強い非難の対象となります。格闘ゲームでの挑発モーション連発
ラウンド終了後、挑発モーションを繰り返し出し続ける行為も、相手によっては強いBMと受け取られます。
なぜBMが問題なのか?コミュニティと自分への悪影響
BMは「ちょっとしたノリ」「冗談」として片付けられることもありますが、放置するとゲームコミュニティ全体に悪影響を及ぼします。
相手プレイヤーのモチベーションを削る
BMは、相手の楽しさややる気を奪う行為です。1回だけであれば笑って済ませられる場合もあるものの、連続してBMに遭遇すると、
「このゲームは民度が低い」
「オンライン対戦自体から距離を置きたい」
と感じるプレイヤーも少なくありません。特に、ゲームを始めたばかりのユーザーほど、BMによる心理的ダメージが大きくなりがちです。
ライトユーザー離れとゲーム人口への影響
ライトユーザーや初心者がBMに嫌気がさして離脱すると、ゲーム人口の減少やマッチング環境の悪化につながります。人口が減ることで、
マッチング時間が長くなる
同じプレイヤー同士で当たりやすくなり、トラブルが再発しやすくなる
新規プレイヤーが定着しづらくなる
といった悪循環が生まれます。結果として、コミュニティ全体の雰囲気やタイトルの寿命にも影響を及ぼします。
タイトルによってはペナルティやBANの対象になる可能性も
多くのオンラインゲームでは、利用規約や行動規範の中で、暴言や嫌がらせ行為などの有害行動が禁止されています。運営によっては、
一定期間のチャット制限
マッチメイキングの制限
アカウントの一時停止や永久BAN
といったペナルティが科されることがあります。
「少しからかっているだけ」「冗談のつもり」と本人が考えていても、通報が重なれば厳しい処分につながる可能性があることを理解しておく必要があります。
BMとよく混同される用語との違い
BMに近い場面で使われる用語との違いを整理しておくと、状況の理解がしやすくなります。
「煽り」「Toxic」「トロール」との関係
煽り
相手を挑発する行為全般を指す日本語表現です。BMの代表的な一種ですが、軽い冗談レベルのものから、明確な嫌がらせまで幅広く含まれます。Toxic(トキシック)
「有害な」「毒のある」という意味で、ゲーム内外で雰囲気を悪くするプレイヤーや行為を指します。暴言や執拗なハラスメントなど、悪質で継続的なBM行為を特に指すことが多い言葉です。トロール
わざと試合を壊すような行動をするプレイヤーを指す用語です。意図的なフィードや意味のない行動の連発など、試合の勝敗自体を放棄したプレイスタイルが該当します。
BMは、これらを広く含む「マナーの悪い振る舞い」の総称として使われることが多いと考えると整理しやすくなります。
冗談や身内ネタとの線引きはどこにあるか
難しいのは、身内同士の冗談やノリとしての行動と、第三者から見たときのBMの境界です。たとえば、
仲の良いフレンド同士で、合意の上で軽い煽り合いをしている
ボイスチャット内で、冗談交じりに「今のはBMだったね」と笑い合っている
といったケースもあります。
ただし、外からはその関係性が分からないため、第三者が見たときには単なるBMにしか見えない場合もあります。
そのため、
相手が不快に感じていないか
不特定多数が見聞きしたとき、どう受け取られるか
を基準にし、少しでも迷う場合は控えることが無難です。特に配信やランクマッチのように多くの人が関わる場面では注意が必要です。
BMをされたとき・見かけたときの具体的な対処法
BMは完全に避けることが難しいため、重要なのは「巻き込まれたときにどう動くか」です。
まずは距離を取る・ミュートする
最優先で考えるべきは、自分の心身を守ることです。
チャットやボイスチャットをミュートする
チャットログやプレイヤー名の表示をオフにする機能があれば活用する
ロビーから抜けて別のマッチへ移動する
といった方法で、相手との接点を減らすだけでも負担は大きく軽くなります。
その場で言い返したり、煽り返したりすると、状況がエスカレートしてさらにストレスが増大しがちです。
証拠を残して通報するべきケース
次のように、明らかに一線を超えたBM行為については、運営への通報が推奨されます。
人種・性別・宗教・出身などへの差別的発言
現実世界での危害をほのめかす脅迫
特定のプレイヤーへの執拗なハラスメントや粘着行為
このような行為を見聞きした場合は、可能であれば、
リプレイデータ
スクリーンショット
チャットログ
などの証拠を保存し、ゲーム内の通報機能やサポート窓口を通じて報告するとよいです。
自分のメンタルを守るための考え方
BMを受け続けると、「自分に原因があるのでは」「自分が下手だから狙われるのでは」と感じてしまうことがあります。しかし、相手がマナーを守らないことと、ご自身の実力や人間性は別問題です。
一度ゲームから離れて休憩を取る
信頼できるフレンドと一緒にプレイする
気分転換として別のモードや別タイトルをプレイする
など、自分が安心してプレイできる環境を再構築することも大切です。
自分がBMと言われないために今日からできること
BMの被害を避けることと同時に、自分がBMをしてしまわないよう意識することも重要です。
勝っても負けても「ほどよい」振る舞いを意識する
勝ったとき:
過剰な挑発行為やエモートの連打は控え、次の試合に落ち着いて進むよう心がけます。負けたとき:
「味方のせい」「環境のせい」と決めつけてチャットで攻撃しないようにします。
こうした基本を守るだけでも、周囲からBMと見なされるリスクは大きく低下します。
配信・SNSでの言動も含めてマナーを考える
配信者や動画投稿者、SNSでゲームの話題を取り扱う方は、次の点にも注意する必要があります。
配信中に、対戦相手や味方を必要以上に笑いものにしない
切り抜き動画などで、特定プレイヤーの失敗だけを強調して晒さない
コメント欄の過度な煽り行為や誹謗中傷を放置しない
オンラインゲームにおけるマナーは、ゲーム内の振る舞いだけでなく、周辺コミュニティ全体の空気づくりとも密接に関係しています。
チームメイト・視聴者・運営へのリスペクトを忘れない
BMを避けるための最もシンプルな基準は、
「自分が同じことをされたらどう感じるか」
「この行動を運営や開発者が見たらどう思うか」
を一度立ち止まって考える習慣を持つことです。
相手や関係者に対するリスペクトを前提とした行動を意識すれば、自然とBMから距離を置いたプレイスタイルになっていきます。
ゲーム以外でのBMの意味との違いも軽く整理
医療・スラングなど他分野のBMの意味
BMという略語は、ゲーム以外の分野でも使われています。英語圏では、医療や日常の略語として「Bowel Movement(排便)」を指す表現として用いられることもあります。このように、文脈によって意味は大きく変わります。
ただし、日本語のゲームコミュニティや配信・SNSの文脈で「BM」と言えば、ほぼ例外なくBad Manner(バッドマナー)の意味で使われていると考えて問題ありません。
検索・会話で意味を取り違えないための注意点
BMの意味を調べたい場合は、
「bm ゲーム 意味」
「bm バッドマナー」
など、ゲーム関連のキーワードと組み合わせて検索すると、目的の情報にたどり着きやすくなります。英語の掲示板や海外SNSを読む際には、前後の文脈を確認し、その場でのBMがどの意味で使われているか判断することが大切です。
まとめ:BMを正しく理解して、気持ちよくオンライン対戦を楽しもう
本記事では、
BMがBad Manner(バッドマナー)の略であること
FPS・TCG・MOBA・格闘ゲームなど、ジャンル別の具体的なBM行為の例
なぜBMがコミュニティやプレイヤー自身にとって問題となるのか
BMを受けたときの対処法と、自分がBMと言われないための心構え
ゲーム以外のBMとの意味の違い
について整理して解説しました。
オンラインゲームは、多くのプレイヤーが同じ場を共有して楽しむエンターテインメントです。一人ひとりが相手への配慮と基本的なマナーを意識することで、ゲーム体験はより快適で、長く楽しめるものになります。