ゲームにおける「チーミング」とは、本来は敵同士であるはずのプレイヤーが、チームを組めないモードで暗黙に協力し合い、人数的な有利を作り出す行為のことです。多くのオンラインゲームやバトルロイヤルゲームでは、利用規約で禁止されている不正行為とみなされています。
一方で、ビジネスの世界では「チーミング」はまったく逆の、ポジティブな意味で使われることもあります。本記事ではまず、ゲームでのチーミングの意味・禁止理由・グレーゾーンの例を整理し、そのうえでビジネス用語としてのチーミングとの違いも解説いたします。
チーミングの基本的な意味と由来
チーミングという言葉の成り立ち
「チーミング(teaming)」は、英語の「team(チーム)」に進行形を表す「-ing」が付いた言葉で、直訳すると「チームを組むこと」「チームとして動くこと」という意味になります。
つまり、言葉そのものには本来「不正」「違反」といった意味は含まれていません。しかしオンラインゲームの文脈では、ゲーム内のルールや仕様と矛盾する形でチームを組む行為として、ネガティブな意味で使われるようになりました。
ゲームでのチーミングの定義
ゲームにおけるチーミングは、主に次のような状況を指します。
ソロモードや「本来は個人戦で戦うべき」ルールの試合で
ボイスチャットや外部ツールを使って敵同士が連携する
互いを攻撃せず、第三者だけを集中攻撃する
このように、運営が想定していない形で協力し合い、公平性を損なう行為がチーミングとされています。
なお、「デュオ」「スクワッド」「フルパーティ」など、最初からチームを組むことが前提のモードで味方と協力するのは、当然ですが通常のプレイであり、チーミングには該当しません。
代表的な対象ゲームの例
チーミングは特定のタイトルだけの話ではなく、さまざまなオンライン対戦ゲームで問題になります。たとえば次のようなタイトルです。
バトルロイヤル系
Apex Legends、Fortnite、PUBG など
FPS / TPS のランクマッチ
サバイバルゲームや一部の IO 系ゲーム など
とくに、「最後の1人(または1チーム)まで生き残る」ルールのゲームでは、人数有利を作り出すチーミングの影響が非常に大きく、不正行為として強く問題視されやすい傾向があります。
なぜチーミングはゲームで禁止行為とされるのか
ゲームバランスと公平性の崩壊
チーミングが嫌われ、禁止される最大の理由は、ゲームバランスと公平性を大きく損なうためです。
本来、ソロモードであれば「1人 対 1人」の前提で成り立っているはずのゲームにおいて、裏で複数人が協力すると、次のような不公平が生じます。
真面目にプレイしている人
想定していない人数不利の状況に追い込まれる
実力ではなく「相手がチーミングをしていたか」で勝敗が決まってしまう
チーミングを行う側
少ないリスクで簡単にランクや戦績を上げられてしまう
報酬や称号を不正に獲得する結果となる
このような状態が続くと、多くのプレイヤーが理不尽さを感じ、ゲーム自体への信頼が失われていきます。そのため運営側は、公平性を守る目的でチーミングを厳しく取り締まる必要があります。
規約違反・BANなどのペナルティ
多くのオンラインゲームでは、利用規約や行動規範の中で、チーミングが明確に禁止行為として定義されています。
処分の例としては、次のようなものがあります。
初回の違反
警告、短期間のアカウント停止 など
悪質または繰り返しの違反
長期間のアカウント停止、永久BAN など
とくに、ランクマッチや公式大会のような「競技性の高いモード」では、不正行為に対する処分が重くなりやすい傾向があります。
重要な点は、悪意があったかどうかだけでなく、「外から見てどう見えるか」も判断に影響することです。軽い気持ちでチーミングに近い行動をとると、意図せず規約違反とみなされるリスクがあります。
これってチーミング?グレーゾーン行為の具体例
明らかにアウトなチーミング行為
以下のような行動は、多くのゲームで明確にチーミングとみなされる可能性が高い行為です。
ソロモードでフレンドと外部ボイスチャットをつなぎ、敵同士なのに連携して戦う
本来は敵同士のプレイヤー同士が、互いをまったく攻撃せず、第三者だけを集中攻撃する
ダウンさせた敵をキルせずに何度も起こし、「的」として利用する
複数のチームが特定のプレイヤー(配信者、上位ランクのプレイヤーなど)だけを狙って組織的に攻撃する
これらはどれも、運営が想定していない「集団リンチ」のような状況を作る行為であり、通報されれば重いペナルティの対象になり得ます。
判断が分かれやすいグレーなケース
一方で、プレイヤーの間でも「これはチーミングなのか?」と意見が分かれやすいケースも存在します。例としては次のようなものです。
屈伸やエモートによる簡単な意思疎通
「今は戦う気がない」「フレンドリーだ」というアピールに見える動き
武器や装備を持たない敵をあえて見逃す
初動で丸腰のプレイヤーを撃たずに逃がす など
複数部隊が同じ強プレイヤーや配信者を狙う
それぞれ独立して狙っているのか、暗黙に協力しているのかが判断しづらい
これらは、状況や頻度、プレイヤー同士の関係性によって評価が変わり得る行動であり、一律に「必ずチーミング」とは言い切れません。
安全側に倒すための考え方
グレーな行為が多いからこそ、プレイヤーとしては**「誤解されない」「疑われない」こと**を意識しておくと安心です。基本的な考え方は次の3点です。
敵同士とは、原則として協力しない
敵にアイテムを渡す、明らかに戦闘を避けて並走する、といった行為は控える
「これはさすがに怪しいかも」と感じた行動はやめておく
自分が第三者の視点でリプレイを見たとき、「チーミングだ」と思うかどうかを基準にする
ソロでフレンドと同じ試合に入ったときは特に慎重に
偶然マッチングした場合でも、近づき過ぎない・連携しないなど、誤解を招かない配慮をする
実例でイメージする:シチュエーション別チーミング判定
シーン1:フレンドと同じマッチに入った場合
状況例
ソロランクでプレイしていたところ、偶然フレンドと同じマッチに入った
セーフな行動
あくまで「敵同士」として通常どおり戦う
見かけたら普通に撃ち合う、むしろ積極的に勝負するくらいのほうが誤解を避けられます
アウト、またはリスクが高い行動
敵同士なのに互いを一切攻撃せず、ほかのプレイヤーだけを狙う
ボイスチャットで敵の位置情報を共有し合う
「フレンドだから仲良くしたい」という気持ちは理解できますが、ソロモードでの馴れ合いはチーミングとみなされるリスクが高いため、避けるのが無難です。
シーン2:チーターに遭遇したとき
状況例
明らかに不自然なエイム、ワープ、壁抜けなどをしているチーターが試合にいる
ありがちな行動
周囲のプレイヤー同士が「チーターを倒すために」一時的に協力する
このパターンについては、コミュニティによって評価が分かれることがあります。しかし、運営がそれを公式に容認しているとは限りません。基本的には、
チーターを見つけたら、クリップやリプレイで証拠を残す
通報機能やサポートを通じて報告する
無理に倒しに行かず、場合によってはゲームから離脱する
といった、運営が想定している方法で対応するのが安全です。
シーン3:配信者・有名プレイヤーがいるとき
配信を視聴しながら同じマッチに入り、位置情報を把握して狙い撃ちする「ゴースティング」に、チーミングが組み合わさるケースもあります。
悪質な例
複数のプレイヤーが配信を見ながら、配信者の位置を共有する
敵同士なのに互いを攻撃せず、配信者だけを集中攻撃する
これは、ゴースティング+チーミングという非常に悪質な荒らし行為にあたり、配信プラットフォームやゲーム運営の双方から厳しい処分を受ける可能性があります。
ビジネスで使う「チーミング」との意味の違い
ビジネス文脈でのチーミングとは
ビジネスや組織開発の文脈で使われる「チーミング」は、ゲームとはまったく異なる意味を持ちます。主なイメージは次のとおりです。
固定メンバーにこだわらず、必要に応じて柔軟に集まり協働するプロセス
心理的安全性を確保しつつ、試行錯誤と学習を繰り返して成果を高めていく働き方
変化の激しい環境で、組織が素早く対応するためのチームワークの実践方法
つまり、「チームとしてどう動くか」というプロセス全体を表す、ポジティブな概念です。
ゲームのチーミングとの対比
ゲームとビジネスでのチーミングは、同じ単語でありながら意味がほぼ正反対です。
共通点
いずれも「複数人が協力する」という点は共通
決定的な違い
ゲーム文脈
ルールに反して敵同士が協力する「違反行為」「迷惑行為」
公平性や楽しさを壊す行動
ビジネス文脈
ルールの範囲内で協力し、成果を最大化するための「望ましい姿」
学習・改善を促す働き方
このように、**「ゲームのチーミング=悪いこと」「ビジネスのチーミング=良いこと」**という、正反対のイメージになっている点に注意が必要です。
用語を使うときの注意点
社内で「チーミング」を紹介する際などに、ゲームに詳しいメンバーが混乱しないよう、次のような説明を添えると親切です。
「ここで言うチーミングは、オンラインゲームでの違反行為とは別物です」
「ビジネスのチーミングは、柔軟なチームワークのあり方を指す、ポジティブな概念です」
このように前置きしておくことで、ゲームのネガティブなイメージと切り分けて理解してもらいやすくなります。
チーミングを避けて健全にゲームを楽しむためのポイント
プレイヤーが意識しておきたい3つのルール
チーミングを避け、健全にゲームを楽しむために、次の3点を意識しておくと安心です。
敵同士とは原則として協力しない
アイテムの受け渡しやあからさまな馴れ合いは控える
「第三者からどう見えるか」を常に意識する
自分の行動がリプレイで残ったとき、「チーミングに見えるかどうか」を基準に判断する
迷ったときは公式ガイドラインを確認する
タイトルごとの利用規約・ルール説明・行動規範を読み、禁止行為の範囲を把握しておく
フレンドと遊ぶときのチェックリスト
フレンドと楽しく遊びつつ、チーミングを疑われないために、次の点を事前に確認しておくと良いでしょう。
ソロモードでフレンドと同じ試合に入る「スナイプ行為」は、基本的に控える
偶然同じ試合になった場合は、
通常どおり敵として戦う
近くにいても互いを完全に無視しない(逆に怪しく見えるケースがあります)
ボイスチャットで敵同士の位置情報を共有するような行為は行わない
このような配慮をしておけば、不必要なトラブルを避けやすくなります。
トラブルに巻き込まれたときの対処法
もしチーミングに巻き込まれた、あるいは誤解されて通報されたと感じた場合は、次のような対処を検討してください。
試合のリプレイやクリップを保存し、状況を説明できる証拠として残しておく
感情的になって暴言を吐いたりせず、冷静に試合を終える
必要に応じて、サポート窓口や問い合わせフォームから相談する
何より大切なのは、自分自身がルールを守り、公平なプレイを続けることです。
まとめ:チーミングの意味をおさえて、公平に楽しくプレイしよう
ゲームにおける「チーミング」とは、本来は敵同士であるプレイヤーが、チームを組めないモードで暗黙に協力し、有利を得る不正行為を指し、多くのタイトルで明確に禁止されています。
ソロモードでの馴れ合いや、第三者だけを協力して攻撃する行為は、通報やBANの対象になり得るため、避けることが重要です。
一方、ビジネスの世界で使われる「チーミング」は、柔軟に協働しながら成果を高めるための、ポジティブなチームワークの概念です。
これからもオンラインゲームを長く楽しむために、チーミングの意味と禁止される理由を正しく理解し、グレーな行動は控えることを意識してください。