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スクリムとは?ゲーム・eスポーツでの意味をやさしく解説【通常マッチとの違いも】

ゲーム配信や大会を視聴していると、選手やストリーマーが当たり前のように口にする「スクリム」という言葉。なんとなく“本番前の練習”というイメージはあっても、具体的に何を指し、通常のマッチと何が違うのかまでは説明しづらい方も多いのではないでしょうか。
スクリムは、プロチームだけでなく上位プレイヤーやコミュニティでも広く行われており、eスポーツにおける実力向上の要ともいえる重要な概念です。本記事では、「スクリム」の正確な意味から、由来、通常マッチとの違い、タイトル別の特徴、初心者が知っておきたいポイントまで体系的に解説いたします。
意味だけでなく“なぜスクリムが重視されるのか”まで理解することで、ゲームも大会視聴も一段と深く楽しめるようになります。ぜひ本記事を通じて、スクリムの全体像をつかんでください。

スクリムとは?ゲームでの基本的な意味

一言で言うと「大会を想定した練習試合」

ゲームやeスポーツの文脈で使われる「スクリム(scrim)」とは、大会や本番の試合を想定して行うチーム同士の練習試合を指す言葉です。

一般的には、次のような特徴があります。

  • プロチーム、ストリーマー、上位ランク帯のプレイヤー同士で行われることが多い

  • 日時・参加チーム・ルールを事前に決めて対戦する

  • 実際の大会と同じ、または近い設定で複数試合を連続して行う

一言でまとめると、

スクリム = 本番をイメージした真剣な練習試合

と理解していただくと分かりやすいです。

なぜ「スクリム」という言葉が使われるのか(語源と英語表現)

「スクリム」は、英語の scrimmage(スクリメージ) という単語から来ているとされます。
scrimmage には、スポーツにおける「練習試合」「小競り合い」といった意味があります。

  • scrimmage:本来の英単語(練習試合)

  • scrim:そこから派生した略語として、ゲームやeスポーツの場面で使用

なお、英語には「scrim」という別の単語もあり、舞台や撮影で使う「薄い幕」「光を拡散する布」といった意味も持ちます。
そのため、

  • ゲーム・eスポーツ界隈 → scrim = 練習試合

  • 一般的な英語 → scrim = 布・幕 など別の意味

という使われ方の違いがあります。
ゲームの話をする際には「scrim」で問題ありませんが、英語学習の文脈では「practice match(練習試合)」と説明するとより伝わりやすいです。


通常マッチと何が違う?スクリムの特徴

目的の違い:ポイントではなく「戦術と連携」の確認

通常のランクマッチやカジュアルマッチの主な目的は、

  • ランクポイント(LP、RPなど)を上げる

  • 勝利数やキル数を増やす

  • 気軽に友人と遊ぶ

といったものです。

一方で、スクリムの主目的は、「大会を想定した戦術とチーム連携の確認・改善」です。

  • 特定の作戦(序盤の動き、ポジション取り、終盤の構成など)を試す

  • チーム内でのコミュニケーションや報告の質を高める

  • 他チームの戦い方に慣れ、対策のヒントを得る

このように、スクリムでは試合の勝ち負けそのものよりも、プレイを通じて得られる学びや改善点が重視されます。
極端に言えば、「勝ったかどうか」以上に「なぜその結果になったのか」を分析する場がスクリムです。

参加メンバーとルール設定の違い

スクリムは、事前に決められたメンバー・チーム構成で行われる点も大きな特徴です。

  • 参加チームやメンバーを募集し、一覧化する

  • ルール(マップ、モード、使用禁止キャラクター・武器など)を事前に共有する

  • 可能な限り大会と同じ設定を採用する

通常マッチでは、マッチング相手はランダムで、ルールもゲーム側の標準設定です。
それに対しスクリムは、「大会本番をできるだけ再現する」という考え方でルールや環境が整えられます。

試合の進め方と振り返り(ブロック形式など)

多くのチームは、スクリムを「ブロック」と呼ばれる単位で実施します。

  • 1ブロックあたり3〜5試合程度を連続で実施

  • 各試合の間に短い振り返り(ミニミーティング)を行う

  • その日の最後に、全体の振り返りミーティングを実施

振り返りでは、例えば次のようなポイントが議論されます。

  • 序盤の移動ルートや降下地点は適切だったか

  • 他チームとの交戦タイミングは適切だったか

  • 終盤の立ち位置やフォーカスの合わせ方に問題はなかったか

  • 報告不足やコミュニケーションのミスはどこで起きたか

このように、「スクリム → 振り返り → 修正 → 次のスクリム」というサイクルを繰り返すことで、チーム全体の完成度を高めていきます。


タイトル別に見るスクリムのイメージ

Apex Legendsのスクリム

『Apex Legends』においてスクリムと言えば、カスタムマッチを利用した練習大会のような場を指すことが多いです。

  • プロチームや競技志向の強いプレイヤーが参加

  • 指定された時間に、共通のロビーコードで同じカスタムロビーに集まる

  • 実際の大会と同じルール・マップローテーションで複数試合を実施

Apexでは、大会前に「本番前の仕上がり確認」という位置付けでスクリムが行われることが多く、配信でも「今日は大会前のスクリムです」などと紹介されます。
視聴者にとっては、本番での活躍を予想したり、チームの状態を確認したりする良い機会になっています。

Fortniteなどバトロワ系タイトルのスクリム

『Fortnite』をはじめとするバトルロイヤルゲームでも、スクリムは盛んに行われています。

  • 一定以上の実力を持つプレイヤーが、DiscordコミュニティやSNSを通じて参加

  • 高レベル帯ならではの「終盤まで人数が多く残る展開」を再現しやすい

  • 通常マッチでは得にくい、終盤の混戦や立ち回りを集中的に練習できる

練習試合ではあるものの、賞金や特典が付くスクリムも存在し、本番さながらの緊張感で行われるケースもあります。

LoL・VALORANTなどチーム対戦タイトルのスクリム

『League of Legends(LoL)』や『VALORANT』など、5対5のチーム対戦タイトルでは、スクリムは日常的な練習手段です。

  • チーム同士で日程を調整し、1日に複数試合(Bo3, Bo5相当など)を実施

  • コーチやアナリストが同席し、試合ごとに細かくレビュー

  • 新しい構成や戦略を本番投入前にテストする場として活用

上位リーグのチームほど、スクリムの質や量がそのままシーズン成績に直結すると考えられており、極めて重要な時間として位置付けられています。


スクリムを行う目的とメリット

本番環境に近い状況での練習ができる

スクリムの最大のメリットは、本番に限りなく近い環境で練習できることです。

  • 同レベル帯の強いチームが集まる

  • 大会と同じ、あるいはそれに近いルール・設定を使用する

  • 実際に大会で当たる可能性のあるチームと対戦できる場合もある

通常マッチでは、実力差が大きい相手と当たったり、真剣度がまちまちだったりしますが、スクリムでは「本気で勝ちにくるチーム同士」の対戦が続くため、本番で求められる集中力を鍛えることができます。

チームの課題が浮き彫りになり、改善サイクルを回せる

スクリムは、チームの課題を可視化する役割も果たします。

  • 毎回似たミスをしている場面がどこか

  • 終盤での判断ミスや連携不足が起こりやすいタイミング

  • 役割分担が曖昧で、重要な情報が共有されていない場面

このような問題は、ランクマッチでは気づきにくいことがあります。
しかし、スクリムで同じ相手や同じレベル帯のチームと何度も戦うことで、チームとしてのクセや弱点が見えやすくなります。

そのうえで、

  • どの場面の判断を改善すべきか

  • 次回のスクリムまでに個人として練習すべきこと

  • コールや情報共有のルールをどう整理するか

といった具体的な改善策を立てやすくなる点が大きなメリットです。

配信コンテンツとしても人気が高い理由

スクリムは、視聴者にとっても非常に面白いコンテンツです。

  • 大会前の「前哨戦」として、チームの調子や仕上がりを確認できる

  • 普段は同じチームの選手同士でも、スクリムでは敵としてぶつかる組み合わせが見られる

  • 新戦術や新構成が試され、本番では見られない動きが見られることもある

そのため、多くのプロ選手やストリーマーがスクリム配信を行っており、視聴者は「大会の舞台裏」をのぞくような感覚で楽しんでいます。


初心者・視聴者が知っておきたいスクリムの基礎知識

「大会」との違い・誤解されやすいポイント

スクリムはよく「大会」と混同されますが、性質は異なります。
整理すると次のようになります。

項目大会(公式)スクリム(練習試合)
主催ゲーム運営・大会運営団体などチーム・コミュニティ・大会関係者など
目的公式な順位・実績を決める大会を想定した練習・検証
ルール公式レギュレーションに準拠基本は大会準拠だが、一部変更されることもある
賞金・賞品ありの場合が多いなし〜少額のケースが多い(例外あり)
雰囲気本番特有の一発勝負の緊張感真剣だが、あくまで練習としての位置付け

このように、スクリムは「大会そのもの」ではなく、

大会をより良い形で迎えるための本格的な準備の場

と捉えていただくと、イメージしやすくなります。

自分もスクリムに参加できる?レベル感と探し方の例

「自分もスクリムに参加してみたい」と考える方も多いと思いますが、多くのスクリムには一定の参加条件があります。

よくある条件の例:

  • 上位ランク帯(例:Apexならダイヤ〜マスター帯以上)であること

  • ある程度固定のメンバーでチームを組んでいること

  • ルールやマナーを守り、途中離脱をしないこと

ただし、最近は次のような「エントリー向けスクリム」も増えています。

  • 初心者〜中級者向けのカスタムスクリム

  • コミュニティ主催の勉強会形式スクリム

  • eスポーツカフェ・スクールが開催する練習会

探し方の例としては、

  • Twitter(X)やDiscordで「タイトル名+スクリム」「カスタム」などで検索

  • ゲームタイトルのコミュニティサーバーに参加して告知を確認

  • eスポーツ関連施設やスクールのイベント情報をチェック

などが挙げられます。
いきなり参加するのが不安な場合は、「観戦枠」で様子を見ることから始めるのも良い方法です。

スクリムを一言で説明するためのフレーズ集

最後に、「スクリムって何?」と聞かれたときに使える説明例をいくつかご紹介します。

  • 「大会を想定して、決まったチーム同士でやる練習試合のことだよ」

  • 「本番ルールで行う、ガチのカスタムマッチみたいなものです」

  • 「ランクポイントより、戦術と連携の練習を重視した真剣な練習試合ですね」

  • 「プロや上位勢が集まって、本番環境に近い形で対戦する場のことです」

相手のゲーム理解度に合わせて、「大会」「練習試合」「カスタムマッチ」といった身近な言葉を組み合わせると、より伝わりやすくなります。


まとめ:スクリムを知るとゲーム・配信がもっと楽しくなる

スクリムは、

  • 意味:本番を想定したチーム同士の練習試合

  • 目的:戦術や連携を確認・改善し、チームとして強くなること

  • 特徴:事前にメンバー・ルールを決め、大会に近い環境で複数試合を行う

といった要素を持つ、ゲーム・eスポーツにおける重要な文化です。

この概念を理解しておくと、

  • プロ大会やスクリム配信を見るときに、各チームの「狙い」や「課題」が見えやすくなる

  • 自分でチームを組んで練習する際にも、ランクマッチ以外の選択肢としてスクリムを検討できる

といったメリットがあります。

まずは、

「スクリム=大会を想定した真剣な練習試合」

という一文を押さえていただければ十分です。
そのうえで、興味が湧いてきた場合は、普段プレイしているタイトルのスクリム配信を視聴したり、コミュニティを調べてみてください。