大事な電話に限って、「通話できませんでした」の一言で切れてしまう——そんな“今すぐ直したい”瞬間、ありますよね。
原因は端末の不具合だけではなく、VoLTEやWi-Fi通話の不整合、迷惑電話フィルタ、非通知設定、5G/4Gの切替失敗、さらには請求や回線側の制限まで実にさまざま。
この記事では、iPhone/Android共通で30秒から始められる応急処置から、確実に原因を切り分ける手順、端末別の具体的操作までを一直線に案内します。上から順に試すだけで「どこが悪いのか」「いま何をすべきか」がハッキリわかるはず。ビジネスの連絡も家族のコールも、取り逃さない状態に戻しましょう。
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「通話できませんでした」の原因と対処
機内モード ON→10秒→OFF
効く理由:セルラー/VoLTE/Wi-Fi通話の無線モジュールを再初期化。基地局再アタッチが行われ、輻輳や一時的な認証失敗を解消しやすい。
ポイント:ONにしたら10秒待つ(即OFFは効果が薄い)。
端末を再起動
効く理由:電話アプリや通話サービス(IMS)、モデムプロセスの不整合をクリア。
圏内・通信状態を確認
手順:アンテナ本数/4G・5G表記/“×”や“!”の有無を確認 → 屋外・窓際・別の場所で再試行。
補足:5Gの境界では不安定化あり。一時的に4G固定が安定する場合あり(後述)。
DND(おやすみ)・集中モード・機能制限をOFF
効く理由:着信拒否扱いや通知遮断で“通話不可”に見える挙動を回避。
電話アプリの権限(電話・マイク)をON
効く理由:権限拒否だと発信や通話接続はできても音声が無音になりがち。
VoLTE/Wi-Fi通話の切り替え
効く理由:相手・エリア・キャリア設定の“非対応/不整合”を回避。
試し方:VoLTE ON/OFF、Wi-Fi通話 ON/OFF で挙動を比較。
迷惑電話フィルタ・通話録音アプリを一時停止
効く理由:着信前フィルタや録音の割り込みで接続が落ちることがある。
SIM/eSIMの再読み込み
手順:回線OFF→ON、デュアルSIMは未使用回線をOFF、eSIMは再追加/有効化し直す(手順は後述)。
転送・発信規制・非通知設定を確認
非通知拒否や国際発信規制、転送ONが原因で「通話できませんでした」に至るケース。
OS/キャリア設定/電話アプリを更新
効く理由:モデム・IMSの安定性改善がアップデートに入ることがある。
ここまでで直らない場合:回線障害・請求関連・SIM不良などの可能性が高く、次章の“上級編の切り分け”へ。
よくある原因(共通)と仕組み
回線輻輳・基地局の一時障害:イベント会場・帰宅時間帯などで起きやすい。
無線設定の不整合:VoLTE非対応エリアでVoLTE固定、5G/4G切替の瞬断など。
DND・集中モード・転送:着信を抑制、または即留守電に回してしまう。
フィルタ/録音アプリの競合:通話開始時に権限競合→切断。
Bluetooth誤接続:音声が別デバイスへ。発信は成功するが“無音→切断”。
SIM/eSIMの認証エラー:再アタッチやプロファイル再読み込みで解決することが多い。
発信番号の扱い:非通知(184)付与・通知(186)付与の誤りで相手側が拒否。
料金滞納/データ残量ゼロ:契約によっては音声にも制限が及ぶ場合。
症状別:原因→対処の早見表
| 症状 | よくある原因 | まず試す対処 |
|---|---|---|
| タップ直後に「通話できませんでした」 | 回線輻輳、VoLTE不整合、アプリ競合 | 機内モード再入→VoLTE切替→フィルタ停止 |
| 呼び出し音が鳴らない | DND/転送ON、相手側の電源OFF・圏外 | DND/転送OFF→別番号に発信→SMS到達を確認 |
| 発信はつながるが無音 | Bluetooth誤接続、マイク権限× | BluetoothOFF→スピーカーボタン→権限ON |
| 国際発信だけ不可 | 国際発信規制、プラン非対応 | マイページで規制確認→オプション有効化 |
| 特定番号だけ失敗 | 相手にブロック、非通知拒否、桁誤り | 発信者番号通知ON→別番号でテスト |
| Wi-Fi接続時はOK / モバイル時× | 電波弱い、セルラー設定不整合 | 4G固定→ネットワーク再選択→別の場所で再試行 |
| 5G表示で不安定 | 5G/4G境界のハンドオーバ失敗 | 優先ネットワークを4G/LTEへ一時固定 |
iPhone:具体的な操作手順
1. 基本の見直し
機内モード:コントロールセンター → ✈️ → 10秒後OFF
再起動:音量上→下→サイド長押し→スライドで電源OFF → 30秒待ってON
集中モード(おやすみ):設定 → 集中モード → すべてOFF/“通話を許可”の範囲を見直し
2. 通話関連設定
VoLTE/5G/4Gの切替
設定 → モバイル通信 → 通話オプション → 音声通話とデータ(5G On/Auto ↔ 4G、VoLTE ON)
→ 不安定な場合は4G/VoLTEに一時固定。Wi-Fi通話
設定 → モバイル通信 → Wi-Fi通話 → ON/OFFを比較
→ ルーターが不安定ならOFF、電波が弱い室内ならONが有利なことも。発信者番号・非通知
設定 → 電話 → 発信者番号通知をON
→ 非通知拒否の相手には186+電話番号でテスト。着信拒否・ブロック
設定 → 電話 → 着信拒否した連絡先を確認(誤ブロック解除)。通話転送
設定 → 電話 → 通話転送 → OFF(誤操作ONに注意)。
3. 権限・アプリ・SIM
電話/マイク権限
設定 → プライバシーとセキュリティ → マイク/連絡先 → 電話アプリの許可を確認迷惑電話フィルタ
設定 → 電話 → 不明な発信者を消音/各フィルタアプリの設定を一時OFF。SIM/eSIMの再読み込み
設定 → モバイル通信 → 使用中の回線を一度OFF→ON
eSIMで不具合が疑われる場合:回線を削除→QR/キャリアAppで再追加(事前にWi-Fi必須)。ネットワーク設定リセット
設定 → 一般 → 転送またはリセット → リセット → ネットワーク設定をリセット
※ Wi-Fiの再設定が必要。最後の手段として実施。
Android:具体的な操作手順
1. 基本の見直し
機内モード:クイック設定 → ✈️ → 10秒後OFF
再起動:電源ボタン長押し → 再起動
サウンド/DND:設定 → 通知 → おやすみ時間/割り込み制限をOFF
2. 通話・ネットワーク
VoLTE(4G通話)
設定 → モバイルネットワーク → 4G/VoLTE通話をON(不安定ならOFF→ONで再初期化)Wi-Fi通話
設定 → 接続/通話設定 → Wi-Fi通話 ON/OFF比較優先ネットワーク
設定 → モバイルネットワーク → 5G/4G/3G → 一時的に4G/LTEに固定して挙動確認。既定の通話アプリ
設定 → アプリ → 既定のアプリ → 電話を標準に(メーカー電話とGoogle電話の二重起動を防止)。
3. 権限・ブロック・規制
電話/マイク権限
設定 → アプリ →(電話アプリ)→ 権限 → 電話/マイク許可発信規制・通話転送
電話アプリ → 右上メニュー → 設定 → 追加設定 → 発信規制/通話転送/通話拒否をOFF迷惑電話フィルタ/録音
フィルタ系・録音系アプリを一時OFF。改善すれば設定の見直し。
4. SIM/APN/リセット
SIMのON/OFF
設定 → ネットワークとインターネット → SIM → 回線を一度OFF→ONAPN初期化(必要時)
設定 → モバイルネットワーク → アクセスポイント名(APN) → 右上メニュー → 既定にリセットネットワーク設定のリセット
設定 → システム → リセットオプション → Wi-Fi、モバイル、Bluetoothをリセット
直しながら“原因を特定”するコツ
別の相手へ発信(家族や自分の別回線)
→ つながれば相手側の問題(圏外/ブロック/非通知拒否)。SMSやデータ通信はOKか
→ データOK・通話NG:VoLTE/IMS周りが濃厚。Wi-Fi通話はどうか
→ Wi-Fi通話OK・セルラーNG:電波/基地局の影響。SIMを他端末で試す/他SIMを自端末で試す(可能なら)
→ 端末起因か契約/回線起因かを切り分け。4G固定で改善するか
→ 改善するなら5G↔4Gハンドオーバがボトルネック。フィルタ/録音アプリOFFで改善するか
→ 改善したらアプリ競合が原因。
見落としがちな落とし穴
非通知のまま発信:相手側の「非通知拒否」で即切断。→ 発信者番号通知ON、または186+番号。
Bluetooth常時接続:車・イヤホンにつながっていて無音に。→ Bluetoothを一時OFF。
VPN常時ON:Wi-Fi通話が失敗するケース。→ 一時OFFで比較。
データ残量ゼロ/請求関連:プランにより音声にも制限がかかることあり。→ マイページで確認。
ペアレンタル・スクリーンタイム:発信が制限。→ 監督者設定を確認。
古い国番号・桁誤り:海外番号への発信で多い。→ 先頭の「+国番号」形式で再登録。
それでもダメなとき
ネットワーク選択:自動→手動→自動に戻す
狙い:近傍セルへ“つなぎ直し”。
iPhone:設定 → モバイル通信 → ネットワーク選択
Android:設定 → モバイルネットワーク → ネットワークを選択
優先ネットワークを4G/LTEへ一時固定(5G不安定対策)
APNを既定に戻す(Android)
キャリア設定アップデート(iPhone:設定 → 一般 → 情報)
ネットワーク設定のリセット(iPhone/Android、Wi-Fi再設定に注意)
別端末/別SIMで再現確認
端末側なら修理・初期化、回線側ならキャリア相談が近道。
公式の障害情報・契約状況の確認
時刻・場所・相手キャリア・表示されたメッセージを控えておくと、サポートが早い。
よくある質問(FAQ)
Q1. 相手が出られないだけ?どう見分ける?
A. 別の相手へ発信して比較。発信者番号通知ONにし、SMSが届くかも確認。
Q2. 通話は切れるのにデータ通信は快適。なぜ?
A. 通話はIMS/VoLTEという別レイヤーを使うため。データはOKでも通話だけ不具合が起きることがある。VoLTE/Wi-Fi通話の切替が有効。
Q3. アップデートの効果は?
A. モデムやIMSの安定性パッチが含まれることがあり、特にキャリア設定は効果的なことが多い。
Q4. 国際電話だけ失敗する
A. 国際発信規制やプラン未加入が典型。キャリアのマイページで規制有無とオプション加入状況を確認。
Q5. 迷惑電話対策アプリは必要?
A. 有用。ただし通話開始時に割り込む仕様のものは相性問題が起きやすい。一時OFFで切り分けを。