Steamでゲームを遊ぶたびに、「このゲームだけ決定ボタンが逆」「AとBの配置がしっくりこない」「前に直したはずなのに、別のゲームを起動したら元に戻った気がする」と感じたことはないでしょうか。コントローラー設定はゲームごとに最適解が違う一方で、Steam側の設定画面は導線が複数あり、どこを触れば“そのゲームだけ”変更できるのかが分かりにくいのが実情です。
本記事では、Steamでコントローラー設定をゲームごとに切り替えるための基本手順を、迷いにくい導線で整理して解説します。さらに、レイアウトが反映されない・コントローラーを認識しない・二重入力になるといった、つまずきやすいトラブルも症状別に切り分けて対処できるようにまとめました。テンプレートやコミュニティレイアウトの活用方法、Steam Inputの有効・無効をゲーム別に切り替える判断基準まで押さえれば、毎回設定に振り回されることなく、ゲームごとに快適な操作感で遊べるようになります。
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Steamでゲームごとにコントローラー設定を変えられる仕組み
Steam Inputとゲーム内設定の違い
Steamでコントローラー設定をゲームごとに変更できる理由は、Steam側に「入力を一度受け取り、ゲームへ渡す前に変換・調整できる仕組み」が用意されているためです。これが一般にSteam Inputと呼ばれる機能群です。Steam Inputを介すると、Xboxコントローラー、PlayStation系コントローラー、汎用ゲームパッドなど、機種差のある入力をSteamが整理し、ゲームに対して一定の形式で渡しやすくなります。
ただし重要なのは、コントローラーの設定には大きく分けて「ゲーム内設定」と「Steam側設定」の2階層が存在し、どちらが効くかはゲームや設定内容によって異なる点です。
ゲーム内設定
多くのゲームは、オプションからキーコンフィグや感度調整、ボタン配置変更などを備えています。ゲーム内設定の強みは、開発側が想定した範囲で動くため、表示や挙動の整合性が取りやすいことです。反面、ゲームごとにUIが異なり、設定項目の場所や名称もバラバラで、複数ゲームを遊ぶほど管理が煩雑になります。Steam側設定(Steam Inputのレイアウト)
Steam側でボタン割り当てや入力の変換を行う方法です。強みは、ゲームごとにレイアウトを保存でき、テンプレートやコミュニティレイアウトを利用して素早く整えられる点です。一方で、ゲームが独自の入力方式を採用している場合や、Steam Inputとの相性が良くない場合は、認識不良や二重入力などの問題が起こることがあります。
このため、本記事では「ゲームごとの設定変更手順」だけでなく、「Steam Inputをゲーム別に有効化・無効化する判断」や「反映されない場合の切り分け」まで含めて解説します。最短で設定できるだけでなく、詰まったときに戻れることが、ゲームごとの運用では特に重要です。
ゲームごとに変わる項目と変わらない項目
次に、ゲームごとに変更できる項目と、変更してもゲーム別になりにくい項目を整理します。ここを理解しておくと、設定が反映されないときに「そもそもゲーム別に持てない設定を触っているのではないか」という誤解を避けられます。
ゲームごとに変わりやすい項目
ボタン割り当て(AとBの入れ替え、決定とキャンセルの入れ替えなど)
トリガーやバンパーの役割変更(射撃をR2、ダッシュをL1など)
特定ボタンにキーボード入力を割り当てる(ゲームがキーボード操作も受け付ける場合)
スティッククリックの無効化や別機能割り当て(誤爆対策)
ジャイロ、タッチ系入力(対応デバイス・対応ゲームの場合)
1つのボタンに複数入力を持たせるような高度割り当て(ただし注意点あり)
ゲームごとに変わりにくい、または影響範囲が広い項目
デスクトップ操作用のコントローラー設定(ゲーム外の操作に影響)
Steam全体に対する一般設定(コントローラー認識方式や一般的な入力設定など)
OS側のドライバ・キャリブレーション(ゲームではなくPC全体に影響)
本記事の主眼は「ゲームごとに変更できる範囲」を確実に押さえ、Steam側の機能を使ってゲーム別レイアウトを作り、必要に応じてSteam Inputの有効無効を切り替えられるようにすることです。次章で、具体的な操作手順へ進みます。
Steamでゲームごとのコントローラー設定を変更する手順
事前準備として確認すること
設定作業に入る前に、まずは最低限の確認を行います。ここを省略すると、後から「設定の問題ではなく接続や認識の問題だった」と気づいて手戻りが増えます。
コントローラーがPCに正しく接続されているか確認します
有線接続なら、USBポートを変える、ケーブルを変えるなどで切り分けが可能です。無線接続の場合は、バッテリー残量、Bluetooth接続の安定性、受信機の位置などが影響します。特に無線は、机の上の配置や周辺機器の電波干渉で体感が変わることがあります。Steamがコントローラーを認識しているか確認します
Steam側でコントローラーの入力テストができる状態かが重要です。Steamが入力を見ていない場合、ゲーム別レイアウト以前の問題になります。入力テストの導線はSteamのUI更新で名称が変わることがありますが、「設定」「コントローラー」「デバイス」周辺に集約される傾向があります。対象ゲームがSteam上で管理されているか確認します
ライブラリに存在するSteamゲームであれば基本的に問題ありません。外部ゲームを「非Steamゲーム」として登録している場合も、一定範囲でコントローラー設定が効くことがありますが、ゲームによっては挙動が異なります。本記事は主にSteamライブラリ上のゲームを想定します。設定を戻せる状態にしておきます
後で元に戻せることが心理的な安心になります。まず「デフォルト設定を使用する」へ戻せること、レイアウトを複製して退避できることを把握してから触り始めるのが安全です。
以上を確認したら、次にゲームごとのレイアウト編集画面を開きます。Steamは導線が複数あるため、見つけやすい方法を併記します。
ゲームごとのレイアウト編集を開く方法
Steamの画面は環境やバージョン、Big Pictureの利用状況、Steam Deckの利用状況などで見え方が変わります。そのため、本記事では「見つけやすさ」を優先して、代表的な導線を複数提示します。いずれか一つで到達できれば十分です。
導線A:ライブラリからゲームを右クリックする方法
Steamの「ライブラリ」を開きます。
設定したいゲームを右クリックします。
「管理」配下や関連項目の中に「コントローラ設定」「コントローラレイアウト」「コントローラー設定」などが表示されます。
それを開くと、ゲーム別のレイアウト画面に到達します。
この導線の強みは、ゲームごとの設定へ最短で入れる点です。UIの名称が変わっても、右クリックメニューから「管理」周辺を探すことで見つけやすい傾向があります。
導線B:プロパティから入る方法
ライブラリで対象ゲームを右クリックします。
「プロパティ」を開きます。
左メニューから「コントローラ」を探します。
この画面では、Steam Inputの扱い(有効・無効・デフォルトなど)を切り替えられます。さらに、レイアウト編集へ進む導線が置かれていることもあります。
この導線の強みは、「そもそもSteam Inputを使うべきか」を先に判断できる点です。レイアウト編集に入る前に、ゲーム別にSteam Inputを有効化するのか、無効化するのかを確定できると、反映されない問題を回避しやすくなります。
導線C:ゲーム起動中にオーバーレイから辿る方法(環境による)
ゲーム起動中にSteamオーバーレイを出し、コントローラー関連の設定へ移動できる場合があります。ただし、環境によっては項目が出ないこともあるため、基本は導線AまたはBを推奨します。
ここまででレイアウト編集画面へ到達できたら、次は実際に割り当てを変更し、保存してゲーム別に適用させます。
ボタン割り当てを変更して保存する方法
レイアウト編集画面では、多くの場合、コントローラーの図やボタン一覧が表示され、各ボタンに対して割り当て先を変更できます。ここでは、最もよくある「決定・キャンセルの入れ替え」を例に、一般化した手順で説明します。
現在のレイアウトを確認します
いきなり変更するのではなく、まずは現在の割り当てがどうなっているか確認します。後で「どこを変えたか分からない」状態を避けるためです。特に、コミュニティレイアウトなどを適用している場合、標準とは異なる割り当てになっていることがあります。変更したいボタンを選択します
例として、AボタンとBボタンの役割を入れ替えたい場合、Aボタン側を選び、割り当て先をB相当の機能へ変更します。次にBボタン側も同様に変更します。
このとき、単純に「AにBを割り当て、BにAを割り当てる」という相互入れ替えにすると混乱が少なくなります。ゲーム内で使う入力の形を意識します
Steam側で「キーボード入力」を割り当てられる場合がありますが、ゲームがコントローラー入力とキーボード入力を同時に受けると、表示が切り替わったり二重入力の原因になったりすることがあります。可能であれば、コントローラー入力として完結する割り当てを基本にし、キーボード割り当ては必要最小限にします。保存します
最重要ポイントです。保存をしないと、ゲーム終了時に戻る、次回起動時に反映されないといった問題が起こります。保存時には、レイアウト名を付けられる場合があります。
命名は「ゲーム名+目的」で簡潔にすると管理しやすくなります。
例:ゲーム名:決定入替
ゲーム名:誤爆防止
ゲーム名:ジャイロ有り
ゲームを起動して動作確認します
設定変更の効果は、メニュー操作だけでなく、実際のプレイ操作でも確認します。メニューでは効いているのに、ゲームプレイ中だけ別挙動ということも起こり得るためです。
なお、レイアウトは「そのゲーム専用」として保存される想定ですが、誤ってデスクトップ用や全体設定の方を変えると、ゲーム外の操作にも影響します。変更対象がゲーム別レイアウトになっているか、画面の文言や適用先表示を確認しながら進めてください。
次に、レイアウトを作っても反映されない場合に備えて、「Steam入力をゲームごとに有効無効へ切り替える方法」を押さえます。
Steam入力をゲームごとに有効無効へ切り替える方法
Steam Inputは便利ですが、万能ではありません。ゲーム側が独自の入力処理をしている場合や、ネイティブ対応が強いタイトルでは、Steam Inputが介在することで不具合が出るケースがあります。そこで、ゲームごとにSteam入力を有効・無効に切り替える運用が重要になります。
基本の考え方は次のとおりです。
Steam入力を有効にするべきケース
Steam側でボタン配置を統一したい
ジャイロなど、Steam側の機能を活用したい
テンプレートやコミュニティレイアウトを使って素早く整えたい
そのゲームがSteam Inputとの相性が良い、またはSteam Input前提の調整をしたい
Steam入力を無効にするべきケース
Steam Inputを有効にするとゲームがコントローラーを認識しない
二重入力や表示の頻繁な切替が発生する
ゲーム内設定で十分なキーコンフィグができ、Steam側の介入が不要
公式が特定方式での利用を推奨している
実際の操作手順は次の流れです。
ライブラリで対象ゲームを右クリックし「プロパティ」を開きます。
左メニューから「コントローラ」を開きます。
ここでSteam入力の扱いを選択します。一般的に「有効」「無効」「デフォルト」などの選択肢が用意されています。
切り替えたら、ゲームを一度終了し、再度起動して挙動を確認します。
切り替え時の注意点として、ゲームが起動中のままでは状態が安定しない場合があるため、切り替え後は再起動を推奨します。また、切り替えによって「レイアウト編集画面でできること」自体が変わることがあります。レイアウトが編集できない、空に見える、保存しても効かないといった場合は、この有効無効が原因になっている可能性が高いです。
以上で、ゲーム別設定の基本手順は押さえられました。次章では、さらに効率よく設定するための機能を解説します。
Steamコントローラー設定でよく使う機能
テンプレートと推奨レイアウトの使い分け
Steamのコントローラー設定では、ゼロから割り当てを作る必要はありません。多くの場合、次のような出発点が用意されています。
推奨レイアウト
対象ゲームに対して標準的に使いやすい状態を目指したものです。ゲームによっては開発側の意図に近い形で用意されることがあり、まず試す価値があります。初めて設定するゲームでは、推奨から入り、必要な部分だけを微調整するのが最も失敗しにくい流れです。テンプレート
FPS向け、アクション向け、メニュー操作重視など、用途別の雛形です。推奨が用意されていないゲーム、または推奨が合わないゲームでは、テンプレートから始めると早く整います。自作レイアウト
自分の操作癖や身体的な負担を考慮し、誤操作を避けるなどの目的で作り込みます。例えば、スティッククリックの誤爆が多い場合は、クリック機能を別ボタンへ移し、クリック自体を無効化するなどが有効です。
使い分けの基本方針は、次の順で考えると迷いません。
推奨があるなら推奨を試す
推奨がない、合わないならテンプレートを試す
最後に自作で詰める
この順にすると、「何が基準状態か」が常に分かるため、トラブルが起きても戻しやすくなります。
コミュニティレイアウトの探し方と安全な選び方
コミュニティレイアウトは、他のユーザーが作成・公開したレイアウトです。優れたレイアウトを使うと、設定時間を大幅に短縮できますが、選び方を間違えると「意図しない挙動」「難解な割り当て」「操作表示の違和感」に繋がることがあります。安全に選ぶために、次の観点で確認してください。
評価や利用数が多いものから試す
まずは多くのユーザーが使っているレイアウトを選ぶと、極端な癖が少ない傾向があります。説明が丁寧なものを選ぶ
どのボタンに何を割り当てたか、どういう目的のレイアウトかが説明されていると、導入後の混乱が減ります。標準に近いものから段階的に変更する
いきなり大きく変えると、何が原因で合わないのか分からなくなります。最初は「決定入替だけ」「誤爆対策だけ」のように変更点が少ないレイアウトが安全です。オンライン対戦では特に注意する
コミュニティレイアウトの中には、操作を自動化するような割り当て、連打に近い挙動を含むものが存在する可能性があります。ゲームのルールや運営の判断によっては不正扱いとなる懸念があるため、オンライン対戦では特に慎重に運用してください。
コミュニティレイアウトは「ショートカット」として非常に便利ですが、最終的には自分が内容を理解し、必要なら調整できる状態を目指すと安定します。
スティックのデッドゾーンやジャイロの調整
コントローラー設定で満足度に直結しやすいのが、スティックのデッドゾーンやジャイロ関連の調整です。特にスティックは、個体差や経年劣化でわずかな入力が入り続ける、いわゆるドリフトのような症状が出ることがあります。デッドゾーン調整は、そうした微小入力を無視する範囲を設けるため、誤操作の軽減に役立ちます。
デッドゾーン調整の考え方は次のとおりです。
小さすぎると、わずかな触れや劣化で視点が動く
大きすぎると、入力の立ち上がりが鈍くなり、繊細な操作がしにくい
まずは少しだけ増やし、ゲーム内で視点やキャラクターが勝手に動かないかを確認し、必要最小限の範囲で調整するのが基本です。
ジャイロ調整は、対応デバイス・対応ゲームであれば、エイム補助や視点操作の補助として非常に有効です。一方で、ジャイロは慣れが必要で、感度が高すぎると疲れやすくなります。最初は低めの感度で始め、「必要なときだけジャイロが効く」設定に寄せると導入がスムーズです。
以上が、ゲーム別レイアウトを快適にする主要機能です。次章では、最も問い合わせが多い「反映されない」問題を、症状別に整理して対処します。
Steamコントローラー設定が反映されない時の原因と対処
レイアウトが空で編集できない時
レイアウト画面を開いたのに、ボタン割り当てが空白に見える、編集対象が表示されない、テンプレートしか選べないように見える、といった症状は珍しくありません。この場合、原因は大きく以下に分かれます。
Steam Inputが無効になっており、Steam側でレイアウト編集ができない状態になっている
対象ゲームの入力方式が特殊で、表示が簡略化されている
コントローラーの種類と表示が一致していない(別デバイスとして扱われている)
対処としては、次の順で確認すると効率的です。
対象ゲームのプロパティでSteam入力の扱いを確認します
ここで「無効」になっていると、レイアウト編集の内容が制限される場合があります。まずは「デフォルト」または「有効」に切り替えてみてください。テンプレートや推奨レイアウトを一度適用してから編集します
空の状態から編集できるUIもありますが、基本的には何らかのレイアウトを基準として編集した方が安定します。特に初回は推奨やテンプレートから始めると、画面表示も整います。Steamを再起動し、画面を開き直します
Steamクライアントは更新が頻繁で、表示が不安定になることがあります。再起動で解決するケースも多いため、軽視しない方がよいポイントです。
「空に見える」問題は、設定ミスというより導線や状態の問題である場合が多いため、焦らず状態を整えることが重要です。
コントローラーを認識しない時
ゲームがコントローラーを認識しない場合、最初にやるべきことは「Steamがコントローラー入力を受け取れているか」と「ゲームがどの入力方式を期待しているか」を分けて考えることです。これができると、無駄な設定変更を減らせます。
対処手順は次のとおりです。
Steam側で入力が見えているか確認します
Steamのコントローラー関連設定で入力テストができる状態かを確認します。ここで反応がないなら、接続やデバイス側の問題が優先です。有線、無線、別ポート、別ケーブル、別PCなどで切り分けます。Steam Inputの有効無効をゲーム別に切り替えて確認します
Steam Inputを有効にすると認識しなくなるゲームもあれば、逆に有効にしないと適切に動かないゲームもあります。プロパティの「コントローラ」から切り替え、都度ゲームを再起動して確認してください。ゲーム内設定で入力デバイスを切り替えられるか確認します
ゲームによっては、キーボードマウスとコントローラーのどちらを使うか選べることがあります。自動判別が上手くいかない場合は、ゲーム内で明示的に切り替えると改善することがあります。無線の場合は有線で試します
特にBluetoothは、相性や混雑で不安定になることがあります。まずは有線で確実に認識させ、そこから無線へ戻して安定性を確認すると、原因が切り分けやすくなります。
認識しない問題は、設定を深掘りする前に「入力が届いているか」「入力方式の相性がどうか」を短い手順で確認することが最短ルートです。
二重入力やボタンが勝手に変わる時
二重入力は、体感として非常に分かりにくく、かつストレスが大きい問題です。症状としては次のように現れます。
1回押したのに2回反応する
メニューのカーソルが飛ぶ、視点が勝手に動く
ゲーム内のボタン表示が頻繁に切り替わる(Xbox表記とキーボード表記が交互に出るなど)
ボタン配置が勝手に変わったように感じる
原因の多くは「同じ入力が複数ルートでゲームに入っている」ことです。代表例は以下です。
Steam Inputでコントローラー入力を渡しつつ、外部ツールでも入力変換している
Steam側でキーボード入力を割り当てた結果、コントローラー入力とキーボード入力が同時に入る
ゲーム内がネイティブ対応しているのに、Steam Inputでも変換している
複数コントローラーが接続されており、別デバイスが入力している
対処としては、次の順で整理すると効果的です。
外部ツールを一旦すべて停止します
まず「Steamだけ」の状態に戻します。外部ツールが原因なら、これだけで解決します。外部ツールを使う必要がある場合は、後で再導入し、どの組み合わせで問題が出るかを検証します。Steam側でキーボード割り当てを多用していないか確認します
コントローラー入力で完結できるなら、コントローラー入力として割り当てる方が安定します。キーボード割り当ては、どうしても必要なボタンに限定してください。Steam Inputの有効無効をゲーム別に切り替えます
ネイティブ対応が強いゲームは、Steam Inputを無効にした方が安定する場合があります。逆に、Steam Inputを有効にすることで入力が統一され、表示が安定するゲームもあります。複数デバイス接続を減らします
使っていないコントローラーや仮想デバイスが接続されていると、想定外の入力が混ざることがあります。トラブルシュート中は、接続するデバイスを必要最小限にします。
二重入力は「設定が悪い」というより「構成が複雑になっている」ことが根本原因である場合が多いです。最小構成に戻し、どこで問題が復活するかを順に見ていくことが最短です。
ゲーム側がSteam Inputを想定していない時の方針
ゲームによっては、Steam Inputを想定せず、独自の入力処理や独自のキーコンフィグを前提に作られていることがあります。この場合、Steam Input側で凝った設定をしようとすると、逆に動作が不安定になる可能性があります。
そのようなときの方針は明確です。
第一選択として、Steam Inputを無効にしてゲーム内設定に寄せます
ゲーム内キーコンフィグが充実しているなら、それを使う方が安全で、表示や挙動の整合性も取りやすくなります。どうしてもSteam側で調整したいなら、最小限の変更に留めます
例えば決定とキャンセルの入れ替えだけ、誤爆対策だけ、といった範囲に限定し、二重入力の兆候が出ないかを都度確認します。コミュニティレイアウトは慎重に導入します
高度な割り当てが含まれるほど、相性問題を引き起こしやすくなります。まずは標準に近いものを選び、必要なら自分で単純化してください。
この章の内容を押さえておけば、「反映されない」「おかしい」状況でも落ち着いて原因を分けて考えられるようになります。次章では、運用上の注意点を整理します。
Steamコントローラー設定を安全に運用する注意点
連射やマクロに関する注意点
Steamのコントローラー設定は柔軟で、ボタンの割り当てだけでなく、入力の組み合わせや高度な挙動を作れる場合があります。しかし、オンライン対戦やランキング要素があるゲームでは、入力の自動化が「不正行為」と判断される可能性があります。
ここで重要なのは、「できること」と「やってよいこと」が一致しない場合があるという点です。特に注意したいのは次のようなケースです。
連射に近い挙動を作る
特定操作を一つのボタンに集約し、実質的に操作負荷を大きく下げる
規約で明確に禁止されている操作補助を実現する
本記事は不正行為を推奨するものではありません。オンライン対戦で利用する場合は、各ゲームの利用規約、運営方針、コミュニティルールに従い、疑わしい設定は避けてください。安全側に倒すなら、単純なボタン入れ替えや誤爆防止など、アクセシビリティ寄りの調整に留めるのが無難です。
複数コントローラーや外部ツール併用時の注意点
コントローラー設定が不安定になる典型的な構成が、「複数の入力変換が重なっている状態」です。具体的には、Steam Input、外部ツール、OS側のドライバ機能、ゲーム内の独自補正などが同時に働くと、意図しない結果を招きます。
安定運用のための基本ルールは次のとおりです。
原則として、入力変換の主役を一つに決めます
Steam Inputを使うなら、外部ツールは極力使わない。外部ツールを使うなら、Steam Inputは無効にしてゲーム内設定に寄せる。こうした割り切りがトラブルを減らします。トラブルが出たら最小構成に戻します
トラブルシュート中は、コントローラーを一つだけ接続し、外部ツールを止め、Steamの設定もデフォルトへ戻して確認します。ここで安定するなら、どこかの追加要素が原因です。コントローラーが複数接続されていると優先順位が揺れることがあります
使っていないデバイスを接続したままだと、想定外にそちらが入力している場合があります。特に、仮想デバイスを作るツールを使っている場合は注意が必要です。
元に戻す方法とバックアップの考え方
設定を触る前に「戻し方」を理解しておくと、思い切って調整できるようになります。安全運用の要点は次の3つです。
デフォルトに戻す導線を把握します
対象ゲームのプロパティの「コントローラ」から、Steam Inputの扱いをデフォルトへ戻す。レイアウトも標準へ戻す。この2点が分かれば、ほとんどの問題は復旧できます。大きく変える前にレイアウトを複製して退避します
いま動いている設定を上書きしないことが重要です。複製してから編集すれば、合わなければ元のレイアウトへ戻すだけで復旧できます。変更は段階的に行います
一度に十か所変えると、どこが原因で悪化したか分かりません。変更は1〜3点に絞り、ゲーム内で確認し、問題がなければ次へ進める流れが結果的に最短です。
以上で、安全に運用するための注意点を整理しました。最後に、よくある質問をまとめます。
Steamコントローラー設定に関するよくある質問
設定はゲームごとに自動で切り替わりますか
はい、基本的にゲーム別のレイアウトとして保存していれば、そのゲームを起動した際に自動で切り替わります。切り替わらない場合は、次の点を確認してください。
変更したレイアウトを「保存」できているか
対象ゲームのプロパティでSteam Inputが想定どおりになっているか
別のレイアウトが適用されていないか(コミュニティレイアウトの再適用など)
Steam再起動後に反映するか
特に、保存が不十分だと「その場では変わったが次回は戻る」という状態になりやすいです。保存と適用の表示を確認しながら進めてください。
1つの設定を複数ゲームに使い回せますか
可能です。運用としては、次のどちらかが現実的です。
テンプレートに近いレイアウトを作り、それを基準に各ゲームへ適用して微調整する
例えば、決定入替、誤爆防止、スティック感度寄りなど、共通方針を持ったレイアウトを基準にすると、ゲームごとの調整が短時間で済みます。コミュニティレイアウトをベースにし、共通化したい部分だけ自分で整える
ただしコミュニティレイアウトはゲーム固有の前提が含まれることがあるため、使い回しは慎重に行い、導入後に必ずテストしてください。
なお、ゲーム側の入力仕様が異なると、同じ割り当てでも体感が変わることがあります。完全に同一の操作感に統一するのは難しい場合があるため、「大枠は統一しつつ、ゲーム別に最小限だけ調整する」方針が最も安定します。
Steam Deckでも同じ設定にできますか
基本的な考え方は同じです。Steam Deckはコントローラーとしての入力要素が多く、レイアウト編集の重要性がより高い傾向があります。ゲーム別にレイアウトを持ち、保存して適用し、必要に応じてテンプレートやコミュニティレイアウトを活用する流れは共通です。
ただし、Steam Deckは操作導線がPCクライアントと異なる場合があります。そのため、見つけにくい場合は「対象ゲームの設定」「コントローラー」「レイアウト」周辺の項目を起点に探してください。導線の名称が違っても、ゲーム別レイアウトという概念は同様です。
ゲーム内設定とSteam設定はどちらが優先ですか
結論としては、ゲームによって異なります。一般的に、次のように考えると切り分けがしやすくなります。
ゲーム内設定が充実しており、Steam Inputを有効にすると不具合が出る場合は、ゲーム内設定を優先する運用が安定します。
Steam Inputのレイアウト編集がスムーズに効き、表示や挙動も安定するゲームでは、Steam側を中心に運用すると、ゲームごとの統一管理がしやすくなります。
迷ったら、まずはプロパティでSteam Inputをデフォルトに戻し、ゲーム内設定だけで問題が解決するかを確認し、その上でSteam側を導入する順が安全です。
コントローラー設定画面が見つかりません
見つからない場合は、次の順で探すと到達しやすくなります。
ライブラリで対象ゲームを右クリックし、「管理」周辺から「コントローラ設定」「コントローラレイアウト」を探します。
同じく右クリックから「プロパティ」を開き、左メニューの「コントローラ」を探します。
UIが異なる場合は、ゲームページの右側にある設定アイコンや、ゲーム起動後のオーバーレイからコントローラー関連の項目が出ないか確認します。
それでも見つからない場合は、Steamクライアントの表示モード(Big Picture利用中など)が影響している可能性があります。いったん通常表示に戻す、Steamを再起動するなど、状態を整えてから再度確認してください。

