Steamでゲームを削除しようとしたのに「アンインストール中」のまま終わらない、あるいはアンインストールが完了したはずなのにセーブデータやフォルダが残っていて不安になる――この2つは、セットで起こりやすい代表的なトラブルです。
特にSteamは、ゲーム本体のファイルと、セーブデータ・設定・キャッシュが別の場所に保存されることが多く、見た目の挙動が分かりづらいのが難点です。
本記事では、以下のことを丁寧に深掘りいたします。
アンインストールが終わらない原因を「切り分け」し、上から順に解消する手順
アンインストール後に残るファイルの種類と、消してよいもの・慎重に扱うべきものの判断基準
セーブデータが残る理由、保存場所の探し方、完全に消したい場合の安全な手順
Steamクラウドが原因でセーブが復活する場合の考え方と、失敗しにくい進め方
再発防止(容量整理を繰り返しても詰まらない運用)
※本記事は主にWindows 10/11を想定し、macOS/Linuxは要点を補足します。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
Steamでアンインストールが終わらないときに最初に確認すること
アンインストールが止まった状態で焦ってフォルダを削除すると、状況が悪化することがあります。ここでは「最初の3分」で確認すべきポイントを整理します。先に結論だけ申し上げますと、最重要は ①セーブを残すか消すかの意思決定、次に ②プロセスの残留、最後に ③ストレージ環境の確認です。
セーブデータを残すか消すかを先に決める
同じ「アンインストール」でも、目的が違うと最適解が変わります。まずは、次のどちらかを明確にしてください。
A:容量を空けたい/ゲーム本体だけ消したい(セーブは残したい)
→ 原則として、Steam上で通常のアンインストールを行い、残ったフォルダは“必要な範囲だけ”整理します。セーブや設定は残る前提で進めます。B:最初からやり直したい/セーブも設定も完全に消したい
→ ローカルセーブの削除に加え、Steamクラウドが有効なら「復活」する可能性があるため、順序立てて対処します。
この判断を曖昧にすると、次のような事故が起きます。
「容量を空けたいだけ」なのに、セーブや設定を消してしまい復旧できない
「完全に消したい」のに、クラウドから元に戻り、消えたつもりが消えていない
残存ファイルの削除範囲が過剰になり、Steam自体の動作まで不安定になる
迷う場合の安全策は「まずはA(セーブを残す)」で進め、必要に応じてBへ移行することです。Bは後戻りが難しいため、最初からBに振り切るのはおすすめしません。
Steamとゲームのプロセスが残っていないか確認する
アンインストールが終わらない原因で最も多いのが、Steamやゲームが裏で動作し続け、ファイルが削除できない状態です。Steamの画面では止まっているように見えても、Windows上は“何かが掴んでいる”ことが少なくありません。
確認手順(Windows 10/11)
Ctrl+Shift+Escを押し、タスクマネージャーを起動します。「プロセス」タブで以下を探します。
Steam
Steam Client Bootstrapper
対象ゲーム名(例:game.exe、launcher.exe など)
関連ランチャー(例:UnityCrashHandler、EasyAntiCheat、各社ランチャー等)
該当があれば選択し、「タスクの終了」を実行します。
その後、Steamを起動し直し、アンインストールを再実行します。
追加の確認ポイント
Steamを閉じたつもりでも、タスクトレイ(右下の隠しアイコン)に残っていることがあります。
ゲームによっては、終了してもバックグラウンドで更新やクラッシュレポートが残ることがあります。
セキュリティソフトやバックアップソフトがファイルにアクセスして、削除が遅延する場合もあります。
ここでプロセスが残っていた場合、以降の手順を丁寧に行っても改善しないことがあるため、必ず最初に潰すのが合理的です。
空き容量とインストール先ドライブを確認する
「削除するのに空き容量?」と思われるかもしれませんが、アンインストールは単純に消すだけではなく、ログ記録や一時ファイルの生成、整合性確認などが発生し、状況によっては空き容量不足がボトルネックになります。また、ライブラリが外付けや別ドライブにある場合、接続不良が「終わらない」原因になり得ます。
最低限のチェック
対象ゲームが入っているドライブ(例:D:)の空き容量が極端に少くないか
外付けドライブなら接続が安定しているか(ケーブル・ハブ経由など)
NASやネットワークドライブに置いていないか(遅延や切断が起きやすい)
そのドライブで他のファイル操作が遅くないか(エクスプローラーが固まる等)
典型的な詰まり方
ドライブの応答が遅く、Steam上は「アンインストール中」のまま進捗が動かない
既にドライブが外れており、削除対象に到達できない
ファイルシステムのエラーで削除処理が滞る
この段階で「ドライブが怪しい」と思った場合は、急いで削除を連打せず、Steamを完全終了したうえでPC再起動を挟むと、状況が整理されることが多いです。
Steamのアンインストール停止を解消する基本手順
ここからは、実際の解消手順です。原則として、軽い操作 → 整合性の整理 → 残存フォルダの手当ての順で進めます。いきなり手動削除に進むのは最後の手段にしてください。
Steamを完全終了して再起動する
Steamは常駐しやすく、画面を閉じても裏で動作することがあります。アンインストール停止時は、まず「完全終了」を行います。
手順
タスクトレイ(画面右下)でSteamアイコンを右クリックします。
「Steamを終了」をクリックします。
タスクマネージャーでSteam関連プロセスが消えていることを確認します。
Steamを起動し直し、対象ゲームのアンインストールを再度実行します。
それでも終わらない場合
PCを再起動してから同じ操作を行います。
再起動後は、まずSteamを起動し、余計なアプリを立ち上げない状態でアンインストールします(ファイルロックの可能性を減らします)。
ポイント:再起動は遠回りに見えて、ファイルロックや一時的な不整合を一気に解消できるため、効果が高い操作です。
ダウンロードキャッシュを削除する
アンインストール停止・更新不調・ダウンロード周りの不具合が絡んでいる場合、ダウンロードキャッシュの削除で改善することがあります。キャッシュが破損していると、Steam側の処理がループするような挙動になることがあるためです。
手順(一般的な導線)
Steam左上の「Steam」メニューから「設定」を開きます。
「ダウンロード」関連の項目を開きます。
「ダウンロードキャッシュを削除」を実行します。
Steamが再ログインを求めたら、ログインし直します。
対象ゲームのアンインストールを再実行します。
注意点
キャッシュ削除後に、ダウンロードの初動が遅く感じることがあります(キャッシュ再生成のため)。
これによりセーブデータが消えることは通常ありませんが、念のため重要なゲームはバックアップを取ってから行うと安心です。
ライブラリフォルダの不整合を疑う
ここまでで改善しない場合、Steam側の「インストール状態」と、実際のフォルダ状態が噛み合っていない可能性があります。例えば、Steam上は「インストール済み」だがフォルダが壊れている、または逆にフォルダはあるがSteamが管理できていない、といった状態です。
まず確認すること
対象ゲームが入っているライブラリの場所(インストール先ドライブ)が正しく認識されているか
Steamのストレージ管理画面で、ゲームの容量表示が不自然でないか
ライブラリフォルダにアクセスできるか(エクスプローラーで固まらないか)
不整合が疑われるときの方針
Steamの管理画面からの操作で解決できない場合は、残存フォルダを「安全に」整理し、状態を揃えます。
ただし、手動削除は範囲を誤ると、他ゲームやSteam全体に影響します。次章の手順に従って、消してよい範囲を見極めてください。
Steamの残存フォルダを安全に整理する方法
この章は「アンインストールは終わった(または止まっている)が、フォルダが残っていて困る」方向けの中心パートです。結論として、Steam周辺の残存データは大きく以下に分かれます。
ゲーム本体の残骸(steamapps\common配下など)
ワークショップ等の追加コンテンツ(workshop)
キャッシュ系(shadercache 等)
ユーザー個別データ(userdata:セーブや設定が混在しやすい)
「消してよい/慎重に」を整理したうえで、段階的に削除します。
steamapps common が残る理由と削除判断
Steamの多くのゲーム本体は、以下のような場所に入っています(インストール先によって変わります)。
例:
D:\SteamLibrary\steamapps\common\ゲーム名例:
C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\ゲーム名
アンインストール後もこのフォルダが残る理由は、主に次のいずれかです。
アンインストール処理中にエラーや中断があり、削除が完遂できなかった
ゲームが生成した追加ファイル(ログ、設定、MOD等)があり、削除対象から外れた
別プロセスがフォルダを掴んでいて削除できなかった
アンチチートやランチャーなど、ゲーム以外のコンポーネントが残った
削除判断の基準
容量を空けたい:基本的には「対象ゲーム名フォルダ」は削除候補です。
再インストール予定:削除しても再インストールで戻せるため、問題になりにくいです。
セーブを残したい:ゲームによっては、このフォルダ内に設定やセーブが混在することがあるため、削除前にバックアップが安全です。
おすすめの進め方
まずSteamを終了(プロセスも終了)します。
steamapps\commonを開き、対象ゲームのフォルダだけを確認します。フォルダ容量が大きい場合は、削除前にフォルダ丸ごと別場所に移して様子を見るのも有効です。
例:
common\ゲーム名をデスクトップ\退避\ゲーム名に移動
Steamを起動し、ライブラリ表示が正常か確認します。
問題がなければ退避フォルダを削除します。
この「退避→確認→削除」を挟むだけで、誤削除のリスクが大きく下がります。
workshop と shadercache とログの整理ポイント
workshop(ワークショップコンテンツ)
ワークショップ(Steam Workshop)対応ゲームは、MODや追加コンテンツが溜まり、ゲーム本体を消しても残ることがあります。容量が急に増えている場合、ここが原因のことが多いです。
目安:MODを大量に入れていた場合、数GB〜数十GBになることがあります。
注意:削除するとMODが消えます。再度導入し直すことになります。
削除の考え方
対象ゲームを今後遊ばない:削除候補
また遊ぶ可能性がある:退避して様子見も可能(再ダウンロードが面倒なため)
shadercache(シェーダーキャッシュ)
shadercacheは、描画をスムーズにするためのキャッシュです。ゲームを切り替えて遊ぶほど溜まりやすく、SSD容量を圧迫する原因になります。
削除可否の目安
一般に削除しても再生成されます。
ただし、削除後の初回起動は“キャッシュ再生成”で読み込みが重くなることがあります。
logs(ログ)
ログは通常そこまで肥大化しませんが、クラッシュを繰り返している場合などは増えることがあります。容量が微妙に苦しい場合の整理対象になります。
削除対象フォルダ早見表
以下は、Windowsでよく見られる対象の“考え方”をまとめた表です。実際の場所はインストール先により異なります。
| 対象 | 代表的な場所(例) | 主な中身 | 削除可否の目安 | 事前対応 |
|---|---|---|---|---|
| ゲーム本体 | steamapps\common\ゲーム名 | 実行ファイル・データ | 容量目的なら削除候補 | 退避→確認が安全 |
| ワークショップ | steamapps\workshop\content | MOD等 | 不要なら削除候補 | MOD再導入の手間を理解 |
| シェーダーキャッシュ | steamapps\shadercache | キャッシュ | 原則削除可能(再生成) | 初回起動が重い可能性 |
| userdata | userdata\数字\ | セーブ・設定が混在 | 慎重(目的次第) | バックアップ推奨 |
| ゲーム固有の保存領域 | Documents / AppData 等 | セーブ・設定 | 目的次第 | 消す前に必ず退避 |
最重要:userdata は安易に削除しないでください。ゲームによってはセーブの本体がここにあるため、取り返しがつかないケースがあります。
Steamのセーブデータが残る理由と保存場所
この章では「なぜアンインストールしたのにセーブが残るのか」を仕組みとして理解し、保存場所を自力で見つけられるようにします。仕組みが分かると、トラブル時の判断が格段に楽になります。
ローカル保存とクラウド保存の違い
セーブデータが残る理由はシンプルで、アンインストールが対象にしているのが主に「ゲーム本体」であり、セーブや設定は別領域に置かれる設計が多いからです。これにより、ゲームを消してもプレイ履歴(セーブ)が残り、再インストール時に続きから遊べるメリットがあります。
一方で、Steamクラウド対応の場合はさらに複雑になります。
ローカル保存:PC内に保存される。削除すれば消える(バックアップがなければ戻せない)
クラウド保存:Steamの同期により、別PCでも同じセーブを利用できる。ローカルを消しても同期で戻る場合がある
そのため、「完全に消したい」ときは、ローカルだけでなくクラウドの挙動も考慮し、順序立てて進める必要があります(手順は後述します)。
Windowsの代表的な保存場所
Windowsでセーブデータが置かれやすい場所は、主に次のとおりです。ゲームにより異なるため、複数候補を確認します。
よくある場所(候補)
C:\Users\(ユーザー名)\Documents\My Games\ゲーム名C:\Users\(ユーザー名)\Saved Games\ゲーム名C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\ゲーム名C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\ゲーム名C:\Users\(ユーザー名)\AppData\LocalLow\ゲーム名(Steamフォルダ)\userdata\(数字)\(ゲームID)付近
AppDataを開くコツ
AppDataは隠しフォルダのため、以下が簡単です。
Windowsキー +Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。"%appdata%"と入力してOK(Roamingへ移動)1つ上に戻ると
Localが見つかります。
保存場所を早く見つける検索方法
エクスプローラーの検索欄で、ゲーム名や会社名を入力して探す
*.sav*.datsaveprofileといった単語で探すゲームの設定画面に「セーブ保存先」が出る場合もあるため、ゲーム内メニューも確認する
ただし、闇雲に検索すると別ゲームのデータを誤って触る恐れがあるため、削除前は必ずバックアップを取ってください。
macOSとLinuxの代表的な保存場所
macOS
~/Library/Application Support/~/Library/Containers/(サンドボックス系)~/Documents/付近
macOSは「Library」が見えにくいことがあるため、Finderの「移動」メニューでOptionキーを押すと「ライブラリ」が表示される場合があります。
Linux
~/.local/share/~/.config/Steamの互換レイヤー(Proton)を使う場合、Windows風のパスがユーザー領域に作られることがあります。
Linuxは導入形態(公式パッケージ、Flatpak等)でパスが変わりやすいため、ゲーム名での個別確認が現実的です。
Steamのセーブデータを完全に消したいときの手順
ここは誤操作が起きやすく、復旧できない可能性がある章です。必ず「バックアップ → クラウド対策 → ローカル削除 → 起動確認」の順で進めてください。なお、ゲームによってはセーブが複数箇所に分散している場合もあるため、焦らず段階的に実施することが重要です。
事前バックアップの取り方
バックアップは難しく考えなくて構いません。要は「消す前の状態を別場所にコピーしておく」ことです。
手順
対象ゲームのセーブ保存場所を特定します(前章の候補を確認)。
セーブが入っていそうなフォルダを見つけたら、フォルダごとコピーします。
コピー先は、以下のように分かりやすい場所がおすすめです。
デスクトップ\Steamセーブ退避\ゲーム名_YYYYMMDD外付けドライブ(可能なら)
コピーが完了したら、退避先のフォルダが開けること(中身が見えること)を確認します。
バックアップのチェックリスト
退避先に「ゲーム名」と「日付」が入っている
フォルダの中に複数のファイルが存在する(空ではない)
可能であれば圧縮(zip)して保管する(誤削除防止になる)
このバックアップがあれば、削除に失敗しても復元できる可能性が残ります。
Steamクラウドの復活を防ぐ順序
Steamクラウド対応ゲームでは、ローカルだけを削除しても、次回起動や同期でセーブが戻ることがあります。これを避けるには、クラウドを扱う順番が重要です。
安全側の流れ(推奨)
対象ゲームのSteamクラウド同期を無効化します。
ゲームごとのプロパティ設定や、Steam設定から変更できる場合があります。
Steamを終了し、タスクマネージャーでもSteam関連が消えていることを確認します。
ローカルのセーブデータを削除します(バックアップ済みであることが前提です)。
Steamを起動し、対象ゲームを起動して「セーブが初期化されているか」を確認します。
必要に応じてクラウド同期を再開します。
このとき「ローカル」と「クラウド」のどちらを優先するかの選択が出る場合があります。意図どおりになる選択肢を慎重に選んでください。
失敗しやすいパターン
クラウドをOFFにせずローカルだけ削除し、起動した瞬間に復活する
OFFにしたが、別PCや別環境で起動して同期が戻る
「どちらを優先するか」の選択を誤り、クラウドの古いデータが復元される
ポイント:完全消去を狙う場合は、「削除したつもり」ではなく、必ず“起動して初期化を確認”まで行ってください。確認しないと、クラウド側の状態が残ったまま進んでしまいます。
ゲーム別に初期化手順が異なる場合の見つけ方
ゲームによっては、ファイル削除以外に次のような初期化手段が用意されています。
ゲーム内メニューで「セーブ削除」「データ初期化」ができる
ランチャーに「設定リセット」がある
セーブが複数スロットで、個別に消す必要がある
ユーザーデータが複数箇所(DocumentsとAppDataの両方など)にある
探し方のコツ
検索キーワード例
「ゲーム名 セーブデータ 削除」
「ゲーム名 データ 初期化」
「ゲーム名 reset save」
「ゲーム名 delete save file」
Steamコミュニティのガイド機能(Guides)や、フォーラムでの報告が参考になることがあります。
日本語情報が少ない場合は英語で探したほうが早いことが多いです。
ただし、外部情報はゲームバージョンやOSで手順が変わる場合があるため、最終的には「バックアップがある状態」で試し、起動確認まで行うのが確実です。
Steamのトラブルを減らす運用と再発防止
トラブルは一度解消しても、同じ運用を続けると再発します。ここでは、Steamの使い方を少し変えるだけで「アンインストールが終わらない」「容量が急に苦しくなる」を起こしにくくする方法をまとめます。
ライブラリ移動とストレージ機能の使い方
容量整理の目的が「消すこと」だけになっていると、頻繁にアンインストールを繰り返すことになり、トラブルに遭遇しやすくなります。可能であれば、次の運用が有効です。
OSドライブ(C:)を圧迫しないよう、ゲームはD:など別ドライブにまとめる
大作ゲームだけSSD、軽いゲームはHDDなど、ストレージの役割分担をする
「しばらく遊ばないが、また遊ぶかもしれない」ゲームは、削除ではなくライブラリ移動で対処する
こうした運用により、削除処理自体を減らせるため、結果的にトラブルが減ります。
定期的なキャッシュ整理の目安
キャッシュやワークショップが原因で容量が圧迫されると、削除の頻度が上がり、アンインストール問題に巻き込まれやすくなります。次の目安で点検すると、問題が大きくなる前に対処できます。
月1回程度:
shadercacheの肥大化を確認(容量が苦しい場合)MODを頻繁に入れる場合:
workshopの使用量を確認ダウンロードや更新が不安定なとき:ダウンロードキャッシュ削除を検討
大型アップデート後:一時的に容量が増えることがあるため、落ち着いてから整理する
重要:キャッシュ整理は「頻繁にやるほど良い」わけではありません。削除後に再生成が走るものもあるため、トラブル兆候や容量逼迫があるときに実施するのが効率的です。
ありがちな失敗と回避策
最後に、実際に多い失敗例と、その回避策をまとめます。
失敗1:userdataを勢いで削除してしまう
原因:残ったフォルダを“全部ゴミ”だと思ってしまう
回避策:userdataはセーブや設定が混在しやすい領域のため、削除前に必ずバックアップし、ゲーム単位で判断します。
失敗2:クラウド同期の理解が曖昧で、消したのに復活する
原因:ローカル削除だけで完結すると思い込む
回避策:「クラウドOFF → ローカル削除 → 起動確認 → 同期再開」の順を守ります。起動確認を省略しないことが重要です。
失敗3:アンインストール停止に焦って手動削除し、Steam側の管理が混乱する
原因:Steamが掴んでいる最中にフォルダを消してしまう、または削除範囲が広すぎる
回避策:手動削除は最後に回し、まずはSteam完全終了・再起動・キャッシュ削除から行います。手動削除する場合も、対象ゲームフォルダのみに限定し、退避を挟みます。
失敗4:バックアップを取ったつもりで、実は空フォルダだった
原因:保存場所の特定が誤っていた
回避策:バックアップ後にフォルダの中身が存在することを必ず確認し、可能ならzip化します。
よくある質問
アンインストールしても購入履歴は消えないか
基本的に、アンインストールはPCからゲーム本体を削除する操作であり、Steamアカウント側の購入権限やライブラリの所有情報が消えるわけではありません。再インストールすれば再度プレイできます。
ただし、他社ランチャー連携タイトルなどは、別途アカウント連携が必要な場合があるため、再導入時の表示に注意してください。
セーブデータだけ残してゲームだけ消せるか
多くのゲームは「ゲーム本体」と「セーブ」を別に置くため、通常のアンインストールでセーブが残ることが一般的です。
ただし、ゲームによってはゲームフォルダ内に設定やセーブが混在する場合があるため、「絶対に残したい」場合は、アンインストール前にセーブ候補フォルダをバックアップしておくと安全です。
残存フォルダを消して起動に影響はあるか
再インストールを前提とするなら、ゲーム本体フォルダ(steamapps\common配下など)を削除しても、基本的には再導入で戻ります。
一方で、MODや設定ファイル、ローカルセーブが混在している場合は、削除がプレイ環境に影響する可能性があります。影響を最小化するためにも、いきなり削除ではなく「退避→確認→削除」の順が安全です。
クラウドセーブが消えないときはどうするか
クラウド対応の場合、ローカルを消してもクラウドから復活することがあります。この場合は、クラウドを無効化した状態でローカルを初期化し、ゲーム起動で初期化状態を確認する流れが基本となります。
それでも思うように消えない場合は、ゲーム側の仕様(クラウドの扱い、セーブ形式、同期のタイミング)によって手順が変わる可能性があるため、ゲーム名で初期化手順を調べ、必ずバックアップを保持した状態で試行してください。
まとめ
Steamで「アンインストールが終わらない」「セーブデータが残る/復活する」問題は、原因が複数重なって見えづらい点が難しいところです。しかし、手順を整理すれば、過度に怖がる必要はありません。
最初に「セーブを残す/消す」を決め、誤操作を防ぐ
アンインストール停止は「プロセス残留 → Steam再起動 → キャッシュ削除 → 不整合疑い」の順で潰す
残存フォルダは種類ごとに扱いを変え、特にuserdataは慎重にする
セーブ完全消去は「バックアップ → クラウドOFF → ローカル削除 → 起動確認 → 同期再開」で進める
最後に、仕様やアップデートで画面表示や保存場所が変わることもあります。今後同様の問題が再発した場合も、本記事の「切り分けの順番」と「退避・バックアップを前提に進める考え方」を守ることで、大きな失敗は避けやすくなります。必要に応じて、まずはセーブ退避だけ実施し、その後に削除範囲を広げる進め方をおすすめいたします。