オンラインゲームや配信を見ていると、「今スナイプされてない?」「スナイプはやめてください」といった言葉を耳にすることが増えてきました。なんとなく「迷惑行為っぽい」というイメージはあっても、具体的にどんな行為を指すのか、どこからがアウトなのかは意外と分かりづらいところです。
本記事では、オンラインゲームにおける「スナイプ」の意味をはじめ、ゴースティングなど類似行為との違い、マナー・規約上の注意点、被害を受けたときの対処法まで整理して解説いたします。最後に、人狼ゲームなど他ジャンルでの意味や、「スナイプゲーム=狙撃ゲーム」との混同についても触れますので、「スナイプ ゲーム」というキーワードで情報を探している方は、ぜひ一通り目を通してみてください。
スナイプとは?ゲーム文脈での意味を整理
オンラインゲームにおけるスナイプの基本定義
オンラインゲームで使われる「スナイプ」とは、特定のプレイヤーと同じ試合やマッチに入ることを狙って、マッチングのタイミングやランクを意図的に合わせる行為を指します。
とくに次のようなケースで問題になりやすいです。
人気配信者や有名プレイヤーが配信でランクマッチ・カジュアルマッチに参加している
視聴者側が、配信画面に映る「マッチ開始タイミング」などの情報を頼りに、自分も同じ時間にマッチ検索を開始する
結果として、高い確率で同じロビー・同じ試合に入り込み、何度も同卓する
このように、ゲームのマッチングシステムが本来想定している「ランダム性」を、人為的にねじ曲げてしまうのがスナイプです。
なお、英単語の snipe には「狙い撃つ」という意味があり、ここから転じて「特定のプレイヤーを狙い撃ちするマッチング行為」を指すようになったと考えられています。
スナイプがよく問題になるゲームジャンル
スナイプは、基本的にマッチング型のオンライン対戦ゲームならどこでも起こり得る行為ですが、とくに次のようなジャンルで取り沙汰されることが多いです。
FPS / TPS(例:APEXなどのバトロワ、チームシューター系)
チーム対戦型アクション・シューター(例:スプラトゥーンシリーズ)
MOBA、その他のランク制対戦ゲーム
理由はシンプルで、いずれのジャンルもランダムマッチングによる公平性を前提にゲームバランスが設計されているためです。特定のプレイヤーが狙われ続けると、ゲームの前提が崩れてしまいます。
人狼ゲームなどでの「スナイプ」との違い
「スナイプ」という言葉は、オンライン対戦ゲーム以外の文脈でも使われます。代表的なのが人狼ゲームです。
人狼界隈では、「スナイプ」が占い師が狼(人狼陣営)を見事に当てることを指す場合があります。初日に狼を引き当てる、連続で黒結果を出す、といった場面を「スナイプした」と表現するケースです。
つまり、
オンライン対戦ゲーム:特定プレイヤーと同じ試合に入ることを狙うマッチング行為
人狼ゲーム :占い師が狼を的中させるプレイ結果
と、同じ単語でも意味がまったく違う点に注意してください。検索結果に人狼系の記事が混ざるのはこのためです。
スナイプはなぜマナー違反?ゴースティングとの違い
マッチングの公平性を壊すという問題点
スナイプが問題視される最大の理由は、公平性を前提としたランダムマッチを、人為的にねじ曲げてしまう点にあります。
とくにランクマッチでは、
ランク調整(特定プレイヤーと当たりやすいランク帯に合わせる)
フレンドや視聴者同士で同じロビーに入り、実質的なチーミングを行う
特定プレイヤーを執拗に狙い続けて、ランクを下げさせる
といった行為につながることがあり、ゲームバランス全体に悪影響を及ぼします。
そのため多くのコミュニティでは、「たとえ悪気がなくてもやるべきではない行為=マナー違反」として認識されています。
スナイプとゴースティングの違いを整理
よく一緒に語られる用語として「ゴースティング(stream sniping)」があります。両者の違いをシンプルに整理すると、次のようになります。
スナイプ
目的:特定のプレイヤーと同じ試合に参加すること
手段:マッチング開始のタイミングやランクを意図的に合わせる
不正要素:行為自体はグレーだが、執拗・悪質であればマナー違反・規約違反になり得る
ゴースティング
目的:配信者などの情報を不正に利用して有利になること
手段:配信画面を見ながら相手の位置・装備・作戦などをリアルタイムで把握し、行動に反映する
不正要素:多くのゲームで明確な規約違反・BAN対象
このうち、配信を見ながらスナイプしている状態を特に「ストリームスナイプ」と呼ぶこともあります。この場合、「スナイプ」と「ゴースティング」が重なっており、悪質性はさらに高いと考えられます。
その他の関連用語(スマーフ・チーミングなど)
スナイプと合わせて覚えておきたい用語として、次のようなものがあります。
スマーフ
高い実力を持つプレイヤーが、サブアカウントなどを使って低ランク帯でプレイし、初心者を一方的に倒す行為。
チーミング
本来は敵同士であるプレイヤーが、暗黙に協力し合って戦う行為。バトロワなどで問題になることが多いです。
これらは、ゲーム運営が想定している公平な対戦構造を壊すという意味で、スナイプと同じく問題視される行為です。複数を組み合わせて行うほど、悪質性も高まります。
どこからアウト?ケース別「スナイプ判定」ガイド
配信者が「スナイプOK」と言っている場合
一部の配信者は、「カスタムマッチでスナイプ歓迎」「このルールで遊びに来てください」といった形で、視聴者参加型の企画を行うことがあります。
このように配信者が明示的にスナイプを許可している場合、その枠内で参加すること自体は大きな問題になりにくいと言えます。ただし、次の点には注意してください。
配信者が指定したモード・ルールから勝手に外れない
しつこく粘着したり、煽りチャットやエモート連打をしない
他の視聴者や野良プレイヤーの体験を損なわない
「OKと言われたから何をしても良い」というわけではなく、あくまで配信者・視聴者全員が楽しめる範囲で行うことが大切です。
ランクマッチでのスナイプ行為
ランクマッチは、勝敗や実力を反映したランクポイントを目的としたモードです。そのため、ランクマッチでのスナイプは基本的に避けるべきと考えてください。
特に問題になるのは次のようなケースです。
特定配信者を落とす目的で、意図的に同じロビーに入り続ける
フレンド同士で同じロビーに入り、実質的なチーミングを行う
マッチングを操作して、勝ちやすいロビーを作ろうとする
こうした行為は、他プレイヤーのランクやゲーム体験を直接損なうため、多くの場合はマナー違反、場合によっては規約違反として処罰の対象になり得ます。
フレンド同士での合流との違い
一方で、ゲームには最初から「フレンドとパーティーを組む」「ロビーに招待する」といった公式機能が用意されています。
ゲーム内機能でフレンドと合流して一緒に遊ぶ
カスタムマッチに知人同士で集まる
といった行為は、運営が推奨する遊び方のひとつであり、スナイプとは別物です。
ポイントは、「第三者を巻き込んでランダムマッチを歪めているかどうか」です。
公式機能の範囲で遊ぶ:基本的に問題なし
ランダムマッチに外部から介入し、特定プレイヤーを狙い撃ち:スナイプ
と覚えておくと整理しやすいでしょう。
明確にアウトなパターンの例
次のようなケースは、コミュニティ的にも明確にアウトとされることが多く、通報やBANの対象になり得ます。
煽り・妨害目的で、特定配信者を何度もスナイプし続ける
ゴースティングを併用し、配信画面を見ながら一方的に有利な行動を取る
チーミングやスマーフと組み合わせて、試合全体を崩壊させる
「一度たまたま同じマッチに入った」程度であれば様子見でもよいですが、繰り返し・悪意ある粘着が見られる場合は、早めに記録を取り、運営に報告することをおすすめします。
スナイプ被害にあったときの対処法・自衛策
まず落ち着いてやるべきこと(証拠の残し方)
スナイプやゴースティングの被害を受けたと感じたとき、まず重要なのは感情的になりすぎず、事実を記録することです。
マッチのリプレイや試合履歴を保存する
試合中の様子が映った配信アーカイブを残す
スコアボード・ロビー画面・チャットログなどをスクリーンショットで保存する
日時・モード・マップ・相手プレイヤー名(ID)をメモしておく
これらは、後で運営に報告するときの重要な根拠になります。
相手に直接チャットで怒りをぶつけてしまうと、自分の行為も問題視される可能性があるため、いったん距離を置いて対処することが大切です。
ゲーム内・プラットフォームごとの通報フローの基本
多くのオンラインゲームには、ゲーム内からプレイヤーを通報する機能が用意されています。
共通して意識したいポイントは次のとおりです。
通報カテゴリは「迷惑行為」「不正行為」「ゴースティング」など、該当するものを選ぶ
感情的な表現ではなく、「何が何回起こったのか」を具体的に書く
例:「3試合連続で同じプレイヤーが同ロビーに入り、毎回同じような位置取りで執拗に狙われました」
可能であれば、リプレイIDや動画URLなども併記する
配信プラットフォーム(YouTube、Twitchなど)にも独自の通報・ブロック機能がありますので、ゲーム内とプラットフォーム側の両方で対処すると安心です。
配信者ができるスナイプ対策
配信者の方は、設定や配信スタイルを工夫することで、ある程度スナイプリスクを下げることができます。
配信遅延を設定する
数十秒〜数分の遅延をかけることで、リアルタイムのマッチ状況を把握しづらくする。
マッチング画面を一時的に隠す
マッチ検索中は画面を別シーンに切り替える、オーバーレイで隠すなどして、正確なマッチ開始タイミングが分からないようにする。
配信のルール・ガイドラインを明文化する
「ランクマッチのスナイプ禁止」「参加型はこの企画のときのみOK」など、概要欄や固定コメントで方針を明示しておく。
あらかじめルールを示しておくと、悪意のない視聴者に対しても説明しやすくなり、トラブル予防につながります。
プレイヤー側ができるメンタル面・環境面の工夫
視聴者・一般プレイヤーの立場でスナイプ被害に遭った場合、次のような対策も有効です。
明らかに粘着されていると感じたら、その日はモードやサーバー・時間帯を変える
思い詰めすぎず、フレンドやコミュニティに相談する
必要であれば、チャットのミュート・フレンド申請の拒否設定などを活用する
完全に防ぐことは難しいものの、「一人で抱え込まないこと」が重要です。
タイトル別のスナイプ事情と注意点(軽く触れる)
スプラトゥーンでのスナイプ
スプラトゥーン2・3などでは、「実況者と同じガチマッチに潜る」行為としてスナイプが語られることが多いです。
攻略サイトでは、特定プレイヤーと同じ部屋に入ることを狙う行為として説明されており、基本的にはマナー違反とされています。
APEXなどバトロワ系ゲームでのスナイプ
APEXなどのバトルロイヤル系タイトルでは、スナイプはより深刻な問題として取り上げられています。
ランクマッチでの粘着スナイプ
ゴースティングを伴う「ストリームスナイプ」
チーミングと組み合わせて特定プレイヤーを排除する行為
こうした行為は、ランクの公正さや大会競技性を大きく損なうため、運営から厳しい処分が行われる場合があります。
公式大会・イベントでの扱い
公式大会やイベントでは、スナイプやゴースティング、チーミングなどはほぼ例外なく禁止行為として明記されています。発覚した場合、
試合結果の無効
即時失格
アカウント停止
といった重い処分につながることもあります。
詳細はタイトル・大会ごとに異なりますので、必ず規約・ルールブックを確認したうえで参加することをおすすめいたします。
「スナイプゲーム(狙撃ゲーム)」との違いとおすすめの調べ方
スナイプとスナイパーゲームの混同が起こる理由
検索結果を見ると、「スナイパーゲーム」「狙撃ゲームアプリ」の紹介ページも多く表示されます。
これは、英語の snipe が「狙撃する」という意味を持ち、狙撃ゲーム=スナイプゲームと呼ばれることがあるためです。このため、
「スナイプ ゲーム」=「狙撃ゲームをしたい」
「スナイプ ゲーム」=「マッチング行為としてのスナイプについて知りたい」
という、異なる意図の検索が混ざりやすくなっています。
狙撃ゲームを探したい人はどう検索すると良いか
もしあなたの目的が狙撃ゲームを遊びたいことであれば、次のようなキーワードで検索すると、より目的に合った情報にたどり着きやすくなります。
「スナイパーゲーム 無料」
「狙撃ゲーム アプリ おすすめ」
「スマホ スナイパーゲーム ランキング」
このようにキーワードを少し工夫することで、「マナー違反としてのスナイプ」との混同を減らせます。
用語の違いが分かればトラブルを避けられる
「スナイプ」という言葉は、
マッチング行為としてのスナイプ(本記事のメインテーマ)
狙撃ゲームの略称としてのスナイプゲーム
人狼ゲームでの「占い師が狼を当てる」意味
など、文脈によって意味が大きく変わります。
どの意味で使われているのかを意識することで、誤解やトラブルを避けやすくなります。
まとめ|スナイプを正しく理解して、みんなでゲームを楽しもう
ゲームにおける「スナイプ」とは、特定プレイヤーと同じ試合に入ることを狙ってマッチングを操作する行為を指します。
ランダムマッチの公平性を損ないやすく、悪質な場合はゴースティングやチーミングなどと同様に、マナー違反・規約違反として処罰対象になり得ます。
配信者が明示的に許可している参加型企画など、限られた文脈では容認されることもありますが、ランクマッチでのスナイプや粘着行為は避けるべきです。
被害を受けたと感じた場合は、まず証拠を残し、冷静にゲーム内・プラットフォーム側から通報することが重要です。
「スナイプ」は人狼ゲームや狙撃ゲームの文脈でも別の意味で使われるため、文脈を確認しつつ、用語の違いを正しく理解しておくと安心です。

